2008年11月21日

サイゼリヤの過去の古傷を蒸し返すでござるの巻

サイゼリヤ:デリバティブ評価損140億円発生の見込み、大幅な円高が進んだため、通期予想は困難(さくらフィナンシャルニュース)

サイゼリヤやっちまったー!
ってちょうど一ヶ月前に書いたような。気のせいかしら。まあいい。中国にメラミンを入れられ株価は一時暴落したのだが、景気悪化による低価格カテゴリー業態の好調予測により戻していた。円高メリットを大いに受けられるという材料もあり、むしろ混入発覚以前よりも高くなっていたほどである。なのに……

11月末の為替レートが8月末に比べ、大幅な円高となる予想から、営業外費用としてデリバティブ契約から多額のデリバティブ評価損が発生する見込みであることが判明した。損失約140億円の内訳としては2007年10月22日に約定のFX参照型豪ドルクーポンスワップが71.3億円、2008年2月7日に約定のFX参照型豪ドルクーポンスワップが50.2億円。
だはー。あえてサイゼリヤの立場で考えれば、メルボルンには事業の核となる巨大食品工場があり、豪ドルでの支払いもたくさんあるのだから豪ドルで運用していました、ということだろう。

しかし、変な商品を買ってレバレッジをかけていたのではないかという疑いを持ってしまうのは、サイゼリヤには忘れてもらいたい過去があるからだ。99年のことである。金融商品で損をしたというより、詐欺にあったのだが。

企業事件事故ファイル プリンストン債券問題(広報室21)

入ってくる金を償還にまわしているうちに使途不明金が大きくなって自転車操業終了、事件化へという、あまりにやり口が単純すぎて被害を申告するのも恥ずかしいという事件であった。日本企業の投資総額1200億円。上場企業ってこんなに低レベルなのかとさんざん笑われたものだが、ここにサイゼリヤは他に比べれば小額とはいえ5億円突っ込んでいた。外モノというか、外貨建てデリバティブが好きなのは、理系だけに数字の扱いに自信を持っているからだろうか。

こういう外モノが好きな会社というのは同じような間違いを何度もする傾向がある。その代表はスーツの青山商事なのだが。下手の横好きとしかいいようがない。そういえばどちらもチェーンストアだな。

詳しい商品の内容はまだわからないが、手持ちの豪ドルに単純にレバレッジをかけたわけではないようだ。単純な通貨スワップでもないのかもしれない。サイゼリヤは面白い試みもしているし、いろいろ期待しているのだが、おとなしく食堂業だけやっている気にはなれないものだろうか。

ともあれ今日の取引終了後に開示、このまま3日間取引できないわけで、楽しかるべき連休もサイゼリヤ株主は悲惨である。週明け火曜からはストップ安確定だし。合掌。あー、蛇足だが以前推奨したアレはこういう心配はないです。


(追記 20:58)先ほど詳報がupされた。

サイゼリヤ、デリバティブ契約で140億円の評価損(読売)

 2008年9〜11月期決算で損失計上する。同社は09年8月期連結決算で80億円の経常利益を見込んでいたが、正垣泰彦社長は同日の記者会見で、「現在の(為替)状況が続けば、経常赤字になる可能性がある」と述べた。

 サイゼリヤは、オーストラリアの食品子会社からハンバーグやソースなどを豪ドル建てで仕入れている。

 サイゼリヤは為替相場が円安で推移すると見込んで、為替変動による輸入コストの増加を抑えるため、昨年10月に1豪ドルを78円で買うことができるデリバティブの契約と、08年2月に1豪ドルを69・90円で購入できる契約を欧州の証券会社と結んだ。一時は100円前後まで円安が進んだが、その後、世界的な金融危機の影響で、1豪ドル=60円前後まで円高・豪ドル安が進んだ。

 豪ドルが想定以上に安くなったため、デリバティブの契約上、1豪ドルあたり最大600円を支払わなくてはならなくなり、損失が発生することになった。サイゼリヤは、今後、デリバティブの解約などの措置も検討するという。
解約できる契約なら、なんでここまで引っ張ったのか。いつか戻ると思っていたのだろう。反対のポジションを立ててヘッジしようという人間は誰もいなかったのだろうか?この判断ミス一発で3〜4年分の純利益を吹っ飛ばしてしまうわけで、現場でコツコツ働いている社員たちのやる気を大いに削ぐことになるだろう。経営陣への責任追及もあろうし、もしかしたらこの出来事はサイゼリヤにとって重要な転換点になるかもしれない。

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しれっと復帰したが、2週間更新しなかったのははじめてかな。ようやく書く気になったこのエントリーにしても、保存ボタンを押した瞬間にパソコンが固まりまた立ち上げてやり直しと、なかなかスムーズに書かせてもらえない。まだ休んでろということか。もうしばらくはこんな感じかも。
posted by kaoruww at 18:46| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月06日

Perfumeの新曲がピンときません

そういうこともある。
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2008年11月04日

偏食より猿の方が長持ちしている件

ブログネタとしてありがちすぎてちょっと恐縮な感じだが、小室逮捕に関して。

詐欺で逮捕とはちょっと意外だが、逮捕そのものに驚きがないのは薬で逮捕されると10年以上前から囁かれていたからだろう。そしてこれも01年の新校舎竣工時から言われてきたことだが、早稲田実業のバカぶりが際立つ。新宿区早稲田から国分寺市に移転する際、数億円といわれる寄付の見返りに「小室哲哉記念ホール」を作ったのだ。

小室哲哉記念ホール オープニングセレモニー(魚拓)

このホールは国分寺キャンパスの入口に位置して各種の会合やイベントに対応できる施設ですが、小室氏の優れた業績と母校に対する貢献を称えて、 氏の名前を冠することになったものです。
金ピカの手形はヤフオクででも売れやといったところだが、当時から「悪い噂の絶えない人間の名前を学校施設につけるなんて頭おかしいんじゃないの」と言われていた。どうせ名前を削ってすっとぼけるのだろう。教育機関としてこの学校法人はおかしいのだ。04年にも面接時に親に対して「どれぐらい寄付できるのか」と言質を取り、受験結果を寄付と関連付けたことで、私学助成金を返還させられている。

早稲田小寄付金騒動 寄付金が合否を左右する?(All About)

東京都は調査結果に基づき私学助成金約5億円の2割に当たる約1億円を返還させることにしました。この返還は初等部だけでなく中等部・高等部も対象となっています。学校法人全体の責任との認識によるものです。
金がらみのスキャンダルばかりだ。甲子園で優勝したってこれでは意味あるまい。


それにしてもマーク・パンサーは「違うよ、ぜんぜん違うよ」でおなじみのマルチ・パンサーだし、KEIKOはおもしろ顔になってしまうし、globeはどうなっておるのか。「KEIKO」でぐぐると関連検索で「KEIKO 鼻」と出るのはひどいと思うの。そういえば近田春夫がずっと前「考えるヒット」で、「globeの円が3つに分かれてるトレードマークは縁起が悪すぎる」とか書いていたが、まさに未来を暗示していたかのようである。


結局なにが言いたいかというと、「離婚慰謝料で長者番付に載る女」こと市井由理は、今ごろ自分の目の確かさを誇っているのではないかということなのだが。
posted by kaoruww at 11:30| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月02日

金持ちだいきらいー、わーい

財務相、所得制限に否定的 定額給付金で見解相違(時事)

与謝野経済財政担当相が「所得の多い人に給付するのはおかしい」と言ったことに対して中川財務相は否定的、というニュース。この与謝野氏の発言はバラマキ批判をかわすための予防的なものであるという解釈もできるが、深読みしないで考えてみる。

この緊急経済対策じたいが今般の金融恐慌に発する景気悪化に対応してのものなのだから、ヘリコプター・ベンのおっしゃるとおりに「バラまくこと」自体が目的なのである。まいた分だけちゃんと使ってほしいのである。しかし特定の層に集中的にバラまくと「一部は使うけどたくさんもらったから貯金もしとこう」みたいなことになってしまうから、できるだけ薄く広くバラまくのが肝要というわけで。

金持ちだって現金をもらえば使う気になるし、むしろカツカツの世帯より余裕がある分大きな消費を引き出す呼び水にもなる。余裕がない世帯はもらった分以上は使いようがないわけだから。金持ちの方が優先的に貯蓄に回すだろうという根拠もないし。

もちろんこれが福祉政策なら「金持ちに給付するのはおかしい」というのは論を俟たないのだが、政策が出てきた元々の動機を無視した議論は、政策の効果を弱めることになる。あの悪名高い地域振興券(Wikipedia)がまさにそうだった。景気対策として行われるはずだったものが、公明党の介入により福祉政策だの商店街活性化策だのとごっちゃになってしまい、わけのわからないものになり果てた。結果、ろくに消費も喚起できずに大失敗である。「お金を使おう」なんて気分のものなのだから、所得制限だの「あの店では使えません」だの言ってたら使う気が失せるのは当たり前だ。上記のニュースによると、今回公明党は所得制限には否定的だそうだ。地域振興券批判に懲りたのだろうか。まあこの政党は「天の声」の一言で号令一下なにもかも変わってしまうから、今後どういう態度をとるのかわからないけれども。

以前にも触れたがこの与謝野という人、政策通ということになってはいるけど、実際のところ「官僚の論理がわかり官僚に支持されている」というだけのことではないのかな。
posted by kaoruww at 18:30| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月29日

おそるべき武者氏の御託宣が下された

日本が誇る稀代の曲がり屋、ドイツ証券の武者氏がこんなことを言っておられる。

株式こうみる:ドル高で潮目変わる、株価は大底の公算も=ドイツ証 武者氏(ロイター)

 ドル高とG7による円高阻止で、世界の流動性環境の潮目は変わった。米国中央銀行を核とする国際信用秩序が構築される見通しが立ったからだ。世界株式はいったん大底をつけたと考えてよいのではないか。クレジットバブルの破裂、信用崩壊、金融危機深化と、ここまでの展開はまさしくデレバレッジであり、悲観派の読みどおりであった。しかしここからは、別のシナリオでなければ困る。デレバレッジが続けば世界経済体制は崩壊してしまう。別のシナリオとはリレバレッジによる、流動性と信用の拡大だ。その主役は、米国中央銀行でなくてはならないが、意外感のあるドル高によって、より容易になった。
大底をつけたという確信まではないが、私もほぼ同意見なんである_| ̄|○


意見変えようかな……(涙目)
posted by kaoruww at 21:26| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

中間地点

今朝4時からの日本テレビ「おはよん」を見て驚いた。きのうは日経平均が5営業日ぶりに上昇し、しかも6.41%の大幅高だったにもかかわらず、トップニュースのタイトルが「株価下げ止まらず」だったからだ。おとといの再放送でも見ているのかと目を疑った。一瞬7000円を割ったことを指しているらしいのだが、終値にはちょっとしか触れずに下げが止まらない止まらないばっかり言っているのだ。これはどの部分に焦点を当てるかという解釈の違いなんてものではなく、単に嘘だろう。実際は大幅高だったわけだから。東スポじゃあるまいし、堂々と嘘ニュースを流してどうするのだ。こんなのはじめて見た。テレビの報道はここまでデタラメになってるのか。

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でまあ、はっきり流れが変わったと思ったのは、円が5%ぐらい下がったことと、なにより商品相場が上がったこと。ずっと下がりっぱなしだった銅とか。これからもいろいろ混乱はあるが、このあたりがターニングポイントだろう。去年の8月9日にBNPパリバが「サブプライムローンの相場が壊れたので保有する資産の価値を算出できなくなった」とぶっちゃけて、傘下のファンドを閉鎖したのが大混乱のはじまりだった。今が中間地点として、あと1年2ヶ月ぐらいはすったもんだするのだろう。来年いっぱいはこんな調子で、いいニュースは2010年に入ってからか。よろしいんじゃないでしょうか。

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独VW株が急騰=時価総額で瞬間世界一に(時事)

これ自体は冗談みたいなニュースだからいいとしても、ポルシェがVWへの出資比率引き上げというニュースはもっと注目されていい。

独ポルシェ、独VWへの出資比率を来年75%超に拡大へ(ロイター)

付加価値の高い製品を作っている企業が圧倒的に大きい普及品メーカーを支配するという形に、日本企業の進む方向性が見えるのではなかろうか。
posted by kaoruww at 12:48| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月27日

買わない理由さがすのめんどうだしー

バブル崩壊後の安値更新というわけで、もはやファンダメンタルとはなんの関係もない相場になっている。私などはトレーダーではないからターゲットに入ったらさっさと買うなり売るなりすればいいと思っているが、一般的には一番安いところで買いたいし一番高いところで売りたいわけだから、「こんな状況では手が出せない」となるのだろう。

ただこういうスタンスで問題なのは、スルスルと戻した時にはすでに安値覚えになってしまい、「もう高くなったから手が出せない」となってしまうこと。「底を確認してから」というのはなにやら理性的かつ賢明に聞こえるのだが、結局はなにもできなかったということになりがちだ。

大底値をピンポイントで当てられるという超能力者以外は、一時的な含み損を覚悟して市場に参加していくというスタンスでないと、バーゲン会場でなにも買わないまま閉店時間になり後になって愚痴を言うことになるのだろう。要は「相場の儲けは我慢料」というベタな話なんだけど。

それにしてもトヨタのPBR0.78倍というのは呆れましたー。
posted by kaoruww at 16:31| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月24日

輸出主導型経済を改造するまでは輸入振興でつなぐしかないだろの件

週末恒例とはいえ今日の下げは派手だった。アジアもさっきはじまったヨーロッパもボロボロ。これから始まるNYも推して知るべしである。

が、日本がほかの国とただ一つ違うのは、通貨の価値が上がりながら株価が下がっているということだ。外貨建ての借金の返済が増えるからデフォルトだなんだと大騒ぎしている国家がゴロゴロあるのに、日本だけは「輸出企業の利益が減りそう」とかいって株が下がっている。なにこの呑気ぶり。さすが首相の行く店が高級かどうかで議論になる国だけある。このニュースはぜひともNHKの国際放送などで全世界に発信し、「今の日本はこれが問題なんだ」と大々的にアッピールすべきだ。心底うらやましがられるか心底バカにされるか知らないが、日本がどうってことない状況なことだけはわかるだろう。まわりが勝手にコケちゃって世界最強通貨に成り上がってしまった繰り上げ当選っぷりが過不足なく伝わるに違いない。

ニュースでは対ドルレートばかりを流すから気づきにくいが、ドル以外の通貨に対してはさらに強い。代表的な通貨の対円チャートはこちら。ユーロなど今月初めまで1ユーロ150円ぐらいだったし、3、4日前でも130円ほどだったが、今見たら117円台になっている。円を買いすぎじゃないのか。原油価格が下がってこれから燃油サーチャージが安くなることもあり、またジャパンのスイーツOLがパリやミラノにあふれたりするのだろうか。バブル崩壊後すっかり内向きになったらしいが、ありえる話だ。

さらに豪ドル・NZドル。完全に相場が壊れている。豪ドルなんか3ヶ月前に比べて4割も安くなっている。そういえば大橋巨泉がまた週刊現代で「日本の未来を憂う」みたいな連載を始めた。ちらっと見てみたら、初回から連載を切った昔の編集長にうらみごとを言っていて、みっともないことはなはだしかった。日本で税金払ってないんだからオーストラリアに帰って目減りした通帳でも眺めていろ。

そういうわけで、株式市場には輸出主導型経済を改造しておかなかった咎めがモロにでているが、悪いことばかりではない。円を一番たくさん持っている国は、もちろんアメリカでも中国でもロシアでもなく、日本だ。円が高くなれば金の使いでが増す。世界のいいものを積極的に買うことが生活防衛にもなる。内需主導の経済構造に変えてゆくつなぎに、輸入振興を進めることだ。政府がやらなくても個人で勝手にやればいい。首相だって九州生まれなのに焼酎じゃなくウィスキーを飲んでるわけだし。なんだか私も久しぶりにウィスキーを呑みたくなってきた。まだ輸入価格には反映されていないが、ちょうど酒も切れてることだし、今からちょっと買いにいってきます。
posted by kaoruww at 19:18| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月21日

サイゼリヤしくじり

うわやっちまったー。

ピザの原料に微量メラミン サイゼリヤで542店舗(東京)

これがあるから外食株は怖いのである。サイゼリヤはイタリア料理に欠かせないニンニクに中国産を使っていることを心配していたのだが、小麦粉でしくじるとは……外食業界ではかなり素材に気を使っている部類の会社であるだけに、それでもダメかとの思いが強い。

外食株についていろいろ調べていると、結局中国食材に関してはロシアンルーレットではないかと思うことがある。先日勧めた例の会社は客単価がファミレスよりもかなり高いからチャイナフリーでやっているかと思うとさにあらず、少ないながらもいくつかの食材で使用している。こういう話は実際に健康被害があるかどうかは関係ない。ニュースが出た段階で個々の店舗ではなくチェーン全体がダメージをくらってしまう。それが困る。

例の会社についてはわずかながら利も乗っているし、不安を強く感じる人はこの話題が落ち着いてからポジションをはずすことを考えてもいい。私はいまだに十分安いという評価を変えてはいないけれども。こういう時だからこそ、どの外食チェーンよりも早く完全チャイナフリー宣言を出せば高く評価されるのだが。
posted by kaoruww at 01:55| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月20日

純資産倍率0.07倍て

まあこのチャートを見てくれ。こいつをどう思う?

SFCG 3ヵ月対数チャート(Yahoo!)

SFCG、というか旧商工ファンドについては過去に2度ほど触れた。最近これがらみの検索で来る人が増えているのでちょっと気になっていたのだが。近いうち大きなニュースがあるとかないとか(婉曲表現)。ちょっとした個人的なエピソードもあるので、それも早いうちに書いとかないとな。社長の顔を見に行った時の履歴書に関して「趣味・特技の欄にすっとぼけたことを書いたのがまずかったのか」とボカしているのは、あちらの手元に資料があるので特定されたくないからである。警戒しすぎと思うだろうが、なにしろ日本を代表するブラック企業だ。それぐらい気を回しておいた方がいいだろう。

生理的嫌悪感をもよおす会社には、そこがいくら儲かっていても、どんな形であれ関わりあいを持たないというのが大事である。株価を見るのも嫌だったもんな。だったら社長に会いに行ったりするなという話だが。結局は貸金法改正が効いたということだろう。しかし死んだ人たちは戻ってこない。

しかしこんなふうになるとはなー。なんかいろいろ感慨深いわ。


2004年12月7日 
2005年11月26日
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2008年10月17日

10-17

野田消費者相のパーティー、日本アムウェイが券購入(朝日)

小沢一郎が子分を電光石火で非公認・離党に追い込み事実上引退させたのは、久々に豪腕発揮という感じで「小沢こえー」と思ったものだが、自民は自民でおもしろい。

食品偽装問題で焼け太りみたいなポスト新設
     ↓
野田聖子就任
     ↓
野田アムウェイから金を受け取っていたのが発覚

フリ→フリ→オチというお笑いの基本形である。見事だ。よりによって消費者担当大臣がマルチって。これも民主の差し金だったり。それにしても今になって突然マルチ商法が糾弾されるとはなあ。浅尾美和の尻も叩かれるのだろうか。スパンキングの趣味はないです。

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ワンテンポ遅れた話題なんだが、リア・ディゾンの話。私は人目に触れる文章だからと、いつも煮えたか煮えてないんだかわからないような婉曲表現を心がけているわけだが(多少うそ)、リア・ディゾンはええで。チケットが投げ売りされているライブにやってきた数少ないファンに、ライブの最後の最後になって結婚・妊娠を発表。唖然とするファンが自分が惨めにならないようにとなんとか立ち直り「おめでとう」とリアクションすると「ムリシナイデクダサイ」、記者会見で復帰を希望し「ポイシナイデクダサイ」である。日本語が不自由なために婉曲表現いっさいなし。むしろすがすがしい。初めてリア・ディゾンに興味を持った。しかし興味を持った瞬間が別れのときであった。残念である。「どうして今出会ってしまったの?」とララァの気持ちだ。またうそをついてしまったが。

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スイス:UBS救済 「欧州最大の懸案」着手 公的資金「不足」の声も(毎日)

ついにUBSに資本注入キター!!といったところだが、これはまだちょっとおもしろがれる余裕がない。5300億円の注入ってそんなもんではとても…と思ったら、不良資産6兆円分をスイス政府が事実上買い上げるとのこと。しかしこれでも上記リンクのようにまだ安心できないのである。国家の経済規模よりも大きな金融機関をどう処理するかという問題は、現在苦しまぎれに金融機関の集約を進めているアメリカにも関係がある話だ。「大きすぎてつぶせない」とよく言うが、「つぶせない」という選択はその余裕があるからできることで、アイスランドのように金融機関が倒れたら政府も倒れるみたいなことが実際にあるのだ。アイスランドの事例は、スイスやアメリカの未来を先取りしているのかもしれない。さすがにアメリカの場合は政府が倒れるとかではなく、ドル暴落の形をとるのだろうけども。
posted by kaoruww at 15:43| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月16日

七瀬ふたたび

いつからか、テレビの連続ドラマをまったく見なくなった。

週に一度決まった時間に放送するという連ドラのフォーマット自体が生活サイクルに合わない。録画してまとめて見ればいいようなものだが、録画をすると「そのうち見よう」と思っているうちに、そのままほったらかしにしてしまう。そして結局興味をなくして消去する。そんなことを繰り返していたら、録画自体をしなくなった。また、ふと思い立って録画したものを見たら、あまりにしょうもない代物で腹が立ったということが続いたという理由もある。レンタルビデオ屋の広大な棚を占拠する海外ドラマは、可処分所得のある大人たちが現在の日本のドラマをどう思っているかを表しているのだろう。


先週の木曜からNHKで、筒井康隆の七瀬三部作の第二作目「七瀬ふたたび」を原作とするドラマが始まった。このドラマに興味を持ったのは、笠浦友愛が1・2・3話目の演出を担当するからだ。初回を見て、とりあえず3話目までは見ることに決めた。

七瀬ふたたび(NHK)
笠浦友愛(Wikipedia)

事件が湾岸で起きるところや音楽に、「熱の島で〜ヒートアイランド東京」(Wikipediaの記述は間違い)との共通点があり、懐かしかった。Wikipediaの笠浦の項を読んで、意外に若いことに驚いた。97年のこのドラマを見た時点で、すごくキャリアのある演出家だと思い込んでいたからだ。この作品を演出した時の笠浦は、今の私よりも若かったらしい。ショックだ。なんだか途方に暮れる。

以前この「熱の島で」について少し触れたことがある。その時に「評価の高い作品ぐらいDVD化して売れや」とか、NHKの商売っ気のなさに文句をつけたのだが、受信料の引き下げが決まったというニュースもあったことだし、これは本当に検討してもらいたいものだ。受信料で制作されたものなのだから、タダで、さらにはネットで公開されるのが一番ありがたいけれども。笠浦作品は見逃した後に気づくことばかりで、実は「熱の島で」しか見ていない。手元にある録画したビデオを元にレビューを書いてみたい気もするのだが、誰も見られない作品を語ってもなんだか張り合いがない。傑作なんだけど。

そういうわけで、まだ「七瀬ふたたび」は始まったばかりだし、今夜8時からの笠浦演出作品を見てみるのもいいのではないかということで。あと七瀬を追う刑事役で、前回の大河ドラマ「風林火山」で武田信玄を演じた市川亀治郎が出ている。風林火山がテレビドラマ初出演だったらしい。つまり歌舞伎→時代劇→初の現代劇にチャレンジ中というわけで、芝居がものすごく大きくて一人だけコントみたいになっている。そこらへんも注目だ。
posted by kaoruww at 12:32| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月15日

10-15

アメリカの資本注入も決まり、当面やることはやったというところ。あんなんじゃ足りないという話もあるが、それは今後の話ということで、とりあえず金融上の混乱は小康状態となった。「恐慌に至るかどうか」から「ひどい不況かそこそこの不況か」という実態経済面への影響に注目が移りつつある。

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9月13日に「日本の巨大流通業のスピンオフと買収の噂が囁かれている。これについては2005年にはっきりと予想を書いておいたが、さてどうなるか。本決まりになったらあらためて検証してみよう」と書いたが、この話はポシャッたようだ。ミレニアムリテイリングの話である。もしこの話が成立していたら、私の見立て違いを告白しなければいけなくなるところだった。「今の状況ではあの会社がミレニアムを手放すわけがない」という予想なわけだから。金融関係のメモばかりしてたいがい飽きたので、近いうちになにか書くかもしれない。
posted by kaoruww at 14:20| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月14日

ユーロ圏峠を越す(除くスイス)

前エントリー後に発表されたヨーロッパ主要3カ国の措置を記録。


英、RBSなど大手3行に公的資金注入 バークレイズは見送り(日経)

 英政府は13日、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、HBOS、ロイズTSBの大手英銀3行の自己資本を増強するため公的資金を投入すると発表した。投入額は3行合計で最大370億ポンド(約6兆4000億円)。バークレイズは公的資金受け入れを見送り、既存株主から65億ポンドの自己資本を調達すると発表した。
バークレイズお見事。FTSEは+8.26%。


独、銀行支援に68兆円 公的資金と政府保証、仏も支援実施へ(日経)

ドイツは大連立でねじれまくってるのに立派だと思う、特にメルケルさんが。比較すること自体失礼すぎるけど、これが日本の場合、なにかの拍子にまかりまちがって社民党の憲法ばあさんが三権の長になったりするからな。おそろしい。あの時の小沢一郎には、最低限アレを総理ではなく衆院議長という名誉職にしたところにギリギリの政治的誠実さがあったのだと思いたい。今もそういった誠実さがあるのかどうかはわからないけれど。DAXは+11.40%。


3600億ユーロの金融安定化基金を設立=仏大統領(ロイター)

テレビを見てたら「我々は金融機関にギフトを与えるわけではない」みたいなことを言ってて、「おっ、かっこいいですね」という感じ。さすがに嫁が美人なだけある。それは関係ない。CAC40は+11.18%。


もちろんまだひと山もふた山もこの先あるのだが、ユーロ圏のこの動きの早さは予想外だったし、危機対応として立派なものだったと思う。

NYが終わった。ダウ30種平均は+11.09%で、76年間で最大の上げ率。東京はどうなるかなー。

というわけで、金曜日に恐怖に歯を食いしばりながら買った人はおめでとう。あの目標はかなり先だが、いいところで買えたろう。しかしもうああいう予想屋みたいなことはしない。体に悪すぎる。
posted by kaoruww at 05:14| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月13日

イギリスがヨーロッパ初の大銀行への資本注入へ

現在のG7の限界と言ってしまえばそれまでだが、あんな具体策のない声明ではとても市場の催促は止められない。今日のヨーロッパ市場が開く前までに何をしてくるか注視していたのだが、足並みを揃えるのに時間がかかるEUより先にイギリスが動いた。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、HBOS、ロイズTSB、バークレイズに資本注入する。まだ正式決定ではないが。

英政府、4銀行に最大450億ポンドの公的資金注入で調整(ロイター)

 この結果、政府はRBSとHBOSの筆頭株主となるほか、過半数の株式を保有し、実質的に2行を国有化することになる。
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドはイギリスではHSBCに次いで大きい銀行で、総資産はシティを上回る。150億ポンド以上つっこむようだ。約2兆6000億円。4行合わせると7兆8000億円。ヨーロッパで初の巨大銀行への資本注入により、イギリスの動揺はとりあえずこれでおさまるのではないか。

ドイツは4000億ユーロ規模の支援策を用意しているらしいが、まだ音沙汰がない。コメルツとポストバンクに資本を入れるのは確実だろうが、ドイツ銀行は抵抗するかもしれない。

そしてヨーロッパ最大の問題、スイス。気持ち悪いほどニュースが出てこない。ここ半年の円-スイスフランのチャートがこれだが、このスイス二大銀行がどうなるかでヨーロッパ、ひいては通貨としてのユーロの未来もある程度見えてくるかもしれない。
posted by kaoruww at 16:09| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月11日

怒涛の一週間終了

いちおう金曜のまとめ。

東証パニック売り 1週間で時価総額の2割消える(東京)

 東京市場はこの日午後も売り注文がやまず、平均株価の終値は前日比881円06銭安の8276円43銭と、2003年5月26日以来、約5年4カ月ぶりの安値を付けた。

 下落率は9・62%と、8日に記録したばかりの9・38%を超え、過去3番目。1週間に2度も歴史的な暴落が起こる異常な事態となり、世界同時不況入りの懸念は一段と高まった。
いや大変な一週間でしたな。ブラックマンデーの時は一日でドーンと下げたけれど、今回は1週間かけてブラックマンデーの下落率を超えた。めったに経験できないことなのでまばたきするのももったいない。勉強になります。こういうと怒る人がいるんだろうけど、本当におもしろい。ワクワクしているのはここのところ当ブログにしては異常に更新頻度が高いことからも自覚しています。「この世の終わり」みたいなことを言い出す人もいてますますおもしろい。終わってくれたらいろんなことにカタがついてありがたいんだけど。でも終わらないんだよねえ。残念ながら。

ヨーロッパ主要市場も8とか7%の下げ。すでに細かい数字をあげるのがめんどくさくなっている。そして金曜の最後を飾るアメリカ市場は現在日本時間の午前3時過ぎで、ダウが-400ぐらい。もう200下げると8000割れといったところ。さっきから100ポイントぐらいは瞬時に動いているので、終値がどれぐらいのなるのか見当もつかない。しかし安くなってももはやなんの驚きもなく、完全に下げに麻痺している。

さて、問題のCME日経225は現在7700円あたりで、バブル崩壊後の最安値7607円(2003年4月28日)に絶賛アタック中。ただ、週明け火曜日の東京がどうなるかは週末のG7次第だ。もっとも、月曜の夜にはヨーロッパが開くので、その時に市場がG7にどう反応するかがわかる。それなりに思い切ったバズーカ砲(見せ金ともいう)を発表するんじゃないかと思うが。

ともかく今後何十年も「あの時は……」と語り草になる金融恐慌なのは間違いないし、実体経済を引きずり込む正真正銘の恐慌になるかどうかの瀬戸際にあるのも事実。実際状況はかなりシリアスなのだ。ただ、何百年に一度の富士山の噴火にたまたま巻き込まれることを「なんて運が悪いんだ」と感じる人と「珍しい経験ができたなあ」と思う人がいるわけで、これはどちらが正しいというものでもない。単に性格が違うというだけのことだ。「いろんな人がいて世の中回っている」ということなんだろう。

さて、ようやく1週間が終わった。これから下げ相場を見ながら酒を呑むことにする。いや別に屈折してるわけではなくて、本当に興味深いもんだから以下略。おやすみなさい。
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2008年10月10日

前場終了

こんな状況で三連休では誰も週末を持ち越したくなく、買い手がまるでいない。ついでにREITが潰れるというおまけつき。

今日が最安値とは言えないが、というかバブル崩壊後の最安値を一度は見ないと済まないのかもしれないが、一日の動きということでは今日がセリングクライマックスだろう。ここで強い会社をしっかり買える人が相場で長くやっていけるのだが、そんなことはできない、というのがむしろまともな感覚だろう。人間が持つ通常の心理とは逆のことをしなければいけないわけだから、相場で成功する人間というのは基本的に変わり者が多いのは当然なのだ。

一般的には相場なんてやらずに、ETFとかをコツコツ買うぐらいにしておいたほうがいいのだと思う。あと昨日のエントリーに少し追記した。
posted by kaoruww at 12:14| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月09日

初めての試みですがすみやかに忘れてください

きのうからの一連の動きをほぼ時系列でメモ。

英政府、大手銀行に最大9兆円資本注入へ(朝日)

資本注入は、株価が急落していた欧州最大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のほか、HSBC、バークレイズ、ロイズTSB、HBOS、スタンダード・チャータード、アビー、ネーションワイドの大手8行が対象だが、HSBCは資本注入は受けないと発表した。
HSBCつえー。
          ↓
日経平均終値、952円安の9203円…下落率は歴代3番目(読売)

ブラックマンデー、スターリン暴落に次ぐ。
          ↓ 
株価10%急落=通貨危機以来最大、取引停止−インドネシア(時事)

確かにアジアの中でも特に下げがキツかった。でも改めて「都合が悪くなると市場を閉じる」まともな資本主義国でないことを証明したざぁすの(デヴィ夫人風に)。9日も閉じたまま。
          ↓
ロシア当局、株取引を当面停止 (日経)

ガスプロムがいいのルクオイルを買えだの言ってた連中は黙ってないで言い訳ぐらいはしてほしい。
          ↓
8日の欧州主要市場終了。英FTSEが-5.18%、独DAXが-5.88%と、イギリスの資本注入も効いてないようだ。
          ↓
金融危機、米財務長官が公的資金注入を示唆(読売)
          ↓
先ほど東京市場終了。小幅続落。ブラックマンデー、スターリン暴落の時は翌日歴史的な上げを記録したが、今回は戻りもなし。


主要なものを記録するだけでも結構あって面倒だが、こうも下げるとさすがに「どう考えても安すぎ」というものも出てくる。自動車産業のことは詳しくないので日産自動車の配当利回り7.8%というのをどう考えたらいいのかわからないのだが、いやおおよそはわかるが確信が持てないのだが、ずっと見ているものには確信の持てるものもある。いくつかの理由によりしばらく外食株には手を出していないものの、「これは明らかにミスプライス」というものが少数ながらあり、非常に興味深い。コーチ屋みたいなことはしたくないので直接的な言及というのはしないようにしていたが、あまりにもしょぼくれたニュースばかりなので、ひとつ書いてみよう。12ヶ月、余裕を見て18ヶ月使う予定のない金があるなら3395。目標はPER15倍でいい。これを商売にしているわけではない以上、儲かっても礼はいらんが損しても文句は聞かないのでよろしく。今より下がった場合でもナンピンはしないで戻りを待つように。結果はそのうち検証する。(追記 これは引け後に書いたものなので、10日寄り付きの2250円をスタートとします)

そういえばちょうど1ヶ月前にATOKがどうしたとか書いたが、ジャストシステムの株価がきのう100円を割っていた。今日の終値が104円。100円ショップの税込価格より安くってステキ。9月9日には186円だったんだなあ。しかしアレを読んで「推奨してる」と誤読する人はさすがにいるまいな。 
posted by kaoruww at 16:27| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月07日

アイスランド政府破産の危機、そして大物次官また挫折

金融危機 アイスランド政府、全銀行を管理下へ(朝日)

これ、ものすごい内容なのだが。

 【ロンドン=大野博人】アイスランド議会は6日深夜、同国の全銀行を政府管理下に置く法案を可決した。軒並み経営危機に陥った金融機関の緊急救済策だが、グローバル化で同国の金融機関は急速に肥大している。国が支えきれるか、懸念も強い。

 レイキャビクからの報道によると、この立法措置で政府は銀行を事実上国有化し、役員を更迭したり合併させたりできる。また、銀行の持つ住宅ローンも公的機関が引き取る。

 同国の通貨は米金融危機の始まりから対ユーロで4割以上も下落。このためカウプシング、ランズバンキなどの主要行が次々と破綻(はたん)の危機に直面している。

 この日、ハーデ首相は議会での審議前に異例のテレビ演説を行い、「国家破産の危機にある」「米国の場合、銀行救済策は巨額でも国民総生産(GNP)の5%弱。だが、わが国の銀行の経済的重みはGNPの数倍になる」などと悲痛な調子で国民に理解と覚悟を求めた。
で、私がしつこくいじってきた、もとい批判してきた円キャリー取引で、金利が高いからってアイスランドの通貨を買えと勧めていた業者がたくさんある。つい最近まで金利が15.5%だったらしい。アイスランドの通貨単位なんて知ってる?私は知らなかった。投資が自己責任なのは確かだが、これはいくらなんでも勧めるほうも悪い。 


さらに。これまた繰り返しいじってきたくりっく365が、10月27日からトルコリラだのポーランドズロチだのを扱うようになるんだと。正気か。公設取引所がなにやってんだ。

取引所為替証拠金取引に係る新規上場通貨の証拠金基準額及び注文受付価格等の設定について(東京金融取引所)

まだ中止のリリースは出していないらしい。さっさと出せばいいのに。小沢一郎・斎藤次郎の国民福祉税導入失敗コンビは大事なところでタイミングが悪い。呪われているのだろうか。
posted by kaoruww at 18:12| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マスクとかテレアポとか

アクセス解析報告

「農林中金 クレディアグリコル」(google)
ホスト名 proxy-v5.nochubank.or.jp

「吉野家」(google ブログ検索)
ホスト名 aurora.ydc.yoshinoya.com

ぎゃー。別にいいんだけど。けっこうマメなんだなあ。

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小沢一郎のマスクプレイは気になっていたのだ。こちらが動画。まあ本当のところ風邪だけじゃ入院はしないからいろいろアレなんだろうけど、こんなタイミングで大平首相みたいになったら民主党はどうなるんだろうか。そういう場合はたいてい勝つものだが、民主に限っては仲間割れをはじめて自滅しそうな気もする。だからもうちょっとだけ踏みとどまってほしい気もするような。しないような。とりあえずご自愛くださいとかごまかしたいような。微妙な心持ちだ。

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毎日新聞の販売店から無差別セールス電話。おばさんが「半年契約すれば5000円分の商品券を差し上げます」と。テレアポはつらいよな。毎日はかなり苦しいようだ。

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先日デカいチャートを貼ったエイベックスの下落スピードがすごい。ほとんど自由落下状態だ。

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日経225は始まってすぐに10000円割れしたものの、その後多少回復。結局3パーセント安だが、ギリで大台割れは踏みとどまった。アジア各国はけっこう平穏。今夜はゆっくり眠れそうな気がする。
posted by kaoruww at 15:28| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この激動は実に見ものだった

いやあこれはすごい。あんまりすごくてうっかり徹夜してしまったよ奥さん。後から見ようとすると探すのが面倒なので、今日の記録をしておく。

英FTSE  -281.15 (-5.77%)
独DAX  -410.02 (-7.07%)
仏CAC40  -368.77 (-9.04%)


このあいだここに記録した時よりもさらにひどい。おフランスがとくにひどいなあ。先ほど終わったアメリカは、ダウ30種平均が-369.88 (-3.58%)で、一時800ドル以上下げたところからかなり巻き戻したが、結局10000ドル割れ。現在CMEの日経平均先物は、10000円近辺をウロウロしている。日米同時大台割れだなんて、なんだか華々しくていいですね(←よくない)。

もっとすごいのが為替だ。ドルが一気に100円台突入というのもなかなかだが、ユーロがものすごい。先週の終わりに1ユーロ=145円だったものが、火曜の午前3時頃には135円あたりまでいっていた。こんな財政赤字がひどい日本円が、避難場所になっているのだ。じつぅにおもしゅろい(福山雅治の顔マネに失敗しながら)。絶賛大損中の方々はお気の毒だが、リアルタイムドキュメンタリーはおもしろすぎて困るよ。寝不足だし。
posted by kaoruww at 06:44| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月06日

吉野家は潰れはしないが今のままではダメかもわからんねの件

ひさびさに外食ネタいきます。先週金曜日に株式市場が引けたあと、吉野家が業績の下方修正を発表した。

吉野家HD、8月中間最終赤字に 3期ぶり、京樽は和食店撤退(日経)

 吉野家HDの中間期の最終赤字転落は3期ぶり。主力の牛丼チェーン事業は「やや計画を下回っている」状況だが、多角化戦略の一環として買収したラーメン店チェーンの店舗などで減損損失を計上するのが響く。売上高は従来予想を45億円下回る、2%増の797億円になったもよう。
これを受け週明けの本日、吉野家株が急落している。これがここ一年のチャートだが、ほぼ一直線に時価総額が半分以下になったことを示している。

当ブログではしばしば吉野家の経営に触れている。特に関連の深いエントリーを挙げてみると、2007年8月30日に、一杯180円の超低価格ラーメン店を展開したあげくに潰れた「びっくりラーメン」を子会社化したことを受け、

今から幸楽苑や日高屋を追おうというのか。吉野家の多角化の下手さは外食業界で知らぬ者がないが、ここにまた一つ失敗例が増えることとなった。合掌。
とか書いている。結局吉野家の経営を端的に言うと、2007年12月12日にステーキチェーンの旧フォルクス買収にからめて書いた、

牛丼市場の拡大が見込めず多角化を急ぐ吉野家は、負債を含めて百数十億円を、業績不振のステーキチェーンに投資するという。吉野家はかつてのエクセレントカンパニーから、単に図体のでかい外食グループになりつつある。株主も頭が痛かろう。
ということに尽きる。

非常に利益率の高い牛丼という商品があるために、今ひとつ他の業態に力の入らなかった吉野家が、BSE騒動により牛丼単品経営を改め、本格的に多角化に乗り出した。しかし外食グループの経営という仕事は、単品をどれだけ効率的に売るかという業務とは根本的に別のものだ。今月8日までやっている松屋の80円引きセールに対抗して、8日から同じく80円引きしますとか、なにか違うのではないだろうか。牛丼屋のふりをして事実上定食屋である松屋と違い、吉野家の主力は今でも牛丼である。基幹商品を値下げするのは麻薬のようなもので、セールが終わった後の反動がキツい。こんなことは言われるまでもなくわかっているはずだが、ほかに打つ手が思いつかないところが問題なのだ。

アルバイトからの叩き上げ、ある意味カリスマ経営者の安部社長は、単品時代には大いに業績を伸ばしたし、立派な業績を残されたと思う。しかし失礼ながら、BSE以前と以後で「単品から多角化へ」と経営方針をまったく変えたのだから、それに対応した経営者が必要なのではないか。現在の吉野家の場当たり的な施策を見ると、そう考えざるを得ないのだ。
posted by kaoruww at 12:07| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

メルケルさんぐったり

金融がらみの話ばかりで私だって食傷気味なのだが、けっこう珍しいレベルの混乱なのでメモしておきたいこともあり、しかたがないんだといきなりいいわけ。

独政府、預金を全額保護…金融大手救済不調の動揺防ぐ(読売)

 ドイツでは銀行が破綻(はたん)した場合、公的には最高2万ユーロ(約290万円)を上限として、預金の90%が保護される仕組みだが、金融危機の間に限って全額保護を打ち出した。

 欧州ではアイルランドが自国6銀行の預金を2年間に限り、全額保護することを決めた。メルケル独首相は、この政策を批判したばかりだが、新たな金融危機に直面し、方針転換に踏み切ったとみられる。

 同時に、ドイツ政府は5日、HRE救済の検討に入った。独金融界から350億ユーロ(約5兆円)の信用供与を受けるはずだった救済策が白紙に戻ったためだ。

 メルケル首相は記者会見し、「HREの経営がドイツ全体の銀行システムに影響を与えることがあってはならない」と述べ、アジア市場が始まる前までに救済策をまとめる意向を表明した。
ドイツは日曜日には商店を開けてはいけない「閉店法」なんてのがあり、アメリカの保守派とは別の意味で「キリスト教ってたいへんだなあ」と思うのだが、政治家とブンデスバンクは働いていたらしい。そんでもって朝方こういうニュースが。

独金融機関 緊急融資で救済へ(NHK)

メルケルさんの顔が疲れ果てている。お大事に。
posted by kaoruww at 11:30| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月05日

おらこんな村〜いやだ〜

独の金融機関 救済が白紙に(NHK)

事態が急変した理由について、ドイツ国内では、ヒポ・リアル・エステートが必要としている資金の額が、予想以上に大きかったため、一部の金融機関が緊急融資から手を引くことを決めたという見方が出ています。
米金融安定化法案否決に数時間さきがけてヨーロッパが大混乱するきっかけになった、独住宅金融大手ヒポの救済計画が頓挫した。

毎週末にロクなニュースがないので、週明けは決まって下がる。現在のヨーロッパは、日本のバブル崩壊の住専問題あたりか。1996年のことだ。

住宅金融専門会社(Wikipedia)

首相官邸のHPに「住専処理策について」というのがあった。橋本政権時に発表された。読むとちょっとタイムスリップ気分を味わえる。こういう説明をひとつひとつ気長にやって、さんざんモメて、それでどうにか公的資金を入れられるわけで、アメリカですったもんだしたのも当然ではある。ただ日本独自の事情として、住専処理が銀行処理より早く行われたのは、農林系金融機関が住専にたくさん出資していたからという事実は押さえておきたい。要は農林中金というか農協というか農民というか、つまり自民党の大票田をつなぎとめるためだったということだ。

で、思い出したのは昨日のこのニュース。

農林中金:仏金融大手に300億円出資 資産運用で連携(毎日)

クレディ・アグリコルはアグリというぐらいで、フランスの農林中金にあたる。いやあ農民同士仲がよくて結構ですなってやかましいわ。バブル崩壊の時は日本国民全体に尻拭いさせておいて、今度のヨーロッパ不動産バブル崩壊ではパトロンみたいなお大尽面か。7000億円近く公的資金を負担させた過去は10年以上たったしみんな忘れたろうってか。忘れてない人間だっているんだよ。執念深くて悪かったな。


不愉快なので話を戻すが、9月22日に書いた「ヨーロッパでもう一騒動必要」というのは、現在起きているような住宅金融会社がどうしたといったヌルいものではなく、ヨーロッパ巨大銀行の国有化レベルの話である。しかしこれは日本ほど先送りすることはないにしても、アメリカのスピードも期待できない。  

欧州首脳会議:救済基金巡り対立も 金融危機対応協議(毎日)

 一方、フランスは、各国の共同出資による銀行救済基金の設立を提案する意向を示している。国家予算の数十倍の資産を持つ銀行があり、銀行破綻(はたん)時の預金者保護などを一国の財政負担では賄いきれない恐れもあるからだ。しかし独、英が強く反対。預金保険についても、保護額が2万ユーロ(約290万円)までの国がある一方、アイルランドやギリシャが独自に全額保護を決定。足並みの乱れが目立っている。

 サルコジ大統領は日米などを含む主要8カ国(G8)首脳による金融危機対応会合の開催も呼びかけている。
クライマックスは来年、アメリカの新政権が動きはじめてからになる。その時は小沢政権なのかもしれないが、土壇場でなにをするかわからない人だという不信感がぬぐえない。自民にやらせ続けたくない気持ちは強いのだが、「だったら民主」となりにくいところが悩ましい。
posted by kaoruww at 18:46| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月03日

エイベックスの株価

がんばれGND!.gif

9月3日にデビューしたGIRL NEXT DOORのせいではないと思う、たぶん。しらんけど。
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2008年09月30日

ヨーロッパ金融混乱が本格化、さらに金融安定化法案否決

週明け月曜日のメモ。

不動産のランドコムが再生法=東証2部上場、負債309億円(時事)

いちいち記録するのも面倒だ。はいはいマンデベマンデベですませたいと思う。こんなものはどうでもいい。ヨーロッパが本格的に壊れはじめた。先ほど終わった株式市場がひどい。Yahoo!ヨーロッパ株式指数。こういう下げ方は、私は見た記憶がない。一国だけではなくみんな壊れている。主だったところだけでも、

英FTSE  -269.70 (-5.30%)
独DAX  -256.42 (-4.23%)
仏CAC40  -209.90 (-5.04%)

となっており、小国はさらに下げ率が大きい。 直接的にはドイツの不動産金融会社が潰れかけていることからきたようだ。

独財務省、不動産金融ヒポ・レアルへの信用保証の提供を確認(ロイター)

350億ユーロ(512億1000万ドル)の信用保証を提供と。なかなか大きい。ランドコムの300億円なんてささやかなものだ。マンデベのことはもう忘れてあげてください。これでヒポ・レアルが73.9%の下げ。ほぼ死亡。銀行株がコメルツ銀行24.0%、ポストバンク23.9%、ドイツ銀行7.7%それぞれ下落。DAXはほぼ2年ぶりの安値というが、この程度で止まるはずもない。ヨーロッパの金融は月曜だけでも

・ベルギーなど3か国政府が、ベルギー・オランダ系金融大手フォルティスに約1.7兆円の公的資金を注入し救済
・英政府が英中堅銀行ブラッドフォード・アンド・ビングレーを国有化、一部事業をスペインのサンタンデール銀行に売却。また、同社の英国およびマン島における個人向け預金業務、支店網をアビー・ナショナルに移管と発表
・アイスランド政府が、グリトニル銀行の株式の75%を買い取り、管理下に置くと発表

というニュースがあった。ぐっちゃぐちゃである。当然ながら為替も混乱している。

ロンドン外為:ポンドが対ドルで15年で最大の下げ(ブルームバーグ)

で、ユーロはドルだけじゃなく対円でも大幅に下げていますね、と書こうとして数字の確認をしてみたら、いつの間にかNYダウが5%以上下げ、ドルが対円で2円下がっている。共和党の反対で金融安定化法案が否決されたんだと。結局はやることになるのに、ムダに傷口を拡げている。資本主義信奉者としては「国家が市場にしゃしゃり出てくるのは許さない」ぐらいなノリで否決したのだろう。バカだ。キリスト様に祈ればなにもかもうまくいくわけじゃねーんだよ。すっこんでろ。と言ったところで、現実にはこのアメリカ農村部の田吾作たちが世界の命運を決めるのである。たまらんなあ。ついでと言ってはなんですが、原油が10%以上も下落している。えーと、これはいわゆるひとつの全世界規模の信用収縮というやつではないでしょうか。ははは(溺死)。


ヨーロッパ金融機関の処理には複数の国がからむため、アメリカよりもさらに時間がかかる。以前に書いたが、最終的には先進国全体でどうにかするしかない。そして先に派手に転んだために、日本は病み上がりのくせに相対的に一番元気ということになってしまった。こうなるとカネの出し手として嫌でも中心に引っ張りだされるだろう。しかしこれを奇貨として、細かい国はいいから英独仏の巨大銀行だけにでも、日本政府経由で日系金融機関がガバッと資本を入れたりすると10年後が楽しみなのだが。しかし政府はこのタイミングで解散総選挙をやり、堂々と政治空白作りに励むようだ。なにかツースリーからのド真ん中のストレートを見送ってゲームセットみたいな勢いである。日本にカネがあるうちにやってくる最後のチャンスのように思えるのだが。

でもまあ仮に選挙がなくても、そううまく立ち回れるとも思えないし、最初から無いものねだりをしているだけなのかもしれないな。もう明け方だ。酒呑んで寝る。おやすみなさい。
posted by kaoruww at 04:14| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月26日

はいはいマンデベマンデベ

シーズクリエイトが民事再生手続き開始を申し立て、負債総額114億円 (ロイター)

インフォシーク株主優待ランキング第11位(利回り38.17%)。民事再生申し立ての日に、株価が高く引けている。この週末を持ち越そうというのだから自殺行為なのは覚悟の上なのだろうか。今日買った投資家は自虐ネタとして一生持ちネタにするしかあるまい。

それにしても9月末は遥かに遠い。合掌。
posted by kaoruww at 18:17| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月25日

アドセンスアカウント削除にともなうレイアウト変更についてのお知らせ


このようなタイトルでわざわざお知らせするほどのことでもないのだが、Googleからアドセンスはもうやらせないよメールがきた。いわゆるアボセンスである。

Google で定期的に行われている調査によりますと、お客様の AdSense アカウントは AdWords 広告主に重大なリスクをもたらしていることが確認されました。
このアカウントを引き続きサイト運営者ネットワークで使用できるようにすると、今後広告主に費用上の損害が及ぶ可能性があるため、アカウントを無効にしました。
これは、Google の広告主と他の AdSense サイト運営者を保護するために必要な措置ですのでご了承ください。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。
竹熊氏や小飼氏もやられたらしい。

【驚】Google AdSenseからの契約破棄通知(たけくまメモ)

AdSense破棄キター(404 Blog Not Found)

うーん、これで私も一人前のブロガーということかしら。いや別にそんなものにはなりたくないのだが。アカウントが回復することはめったにないらしいし、50ドルぐらいあった残高が支払われずじまいになった程度だから、めんどくさいので抗議のメールも送らない。しかしいきなりこういうメールを送りつけられるとなかなか不愉快なものですなはっはっは。

ちょうど今週号の週刊ダイヤモンドで「儲かる会社の「グーグル化」大革命」という特集をやっていたが、この特集についての評価は小飼氏とほぼ同じである。

しかし、グーグルが「最高の技術を無料もしくは低価格で提供するありがたい会社」だというのは、物事の一面にしか過ぎない。なぜ彼らが最高の技術を無料もしくは低価格で提供しているかに対するつっこみが、本特集には全くない。ゼロなのである。

儲かる会社の「グーグル化」大革命 - 週間ダイヤモンド2008.09.27
ここのところ野口悠紀雄氏がさかんに「日本の大企業は保守的だからGoogle Appsを使わない。愚かなことだ」というようなことを書いているのだが、そんなの当たり前である。個人やSOHOレベルならともかく、Gmailで企業の神経そのものまでGoogleに依存する企業があったら、むしろ信頼を損ねる。私などは個人だからこういうことがあっても「はーそうですか」で済ませてこれからもGmailを使うけれども、大企業ともなれば社外秘の書類をGoogleのサーバーに置いておくわけにはゆくまい。


実際のところ、当ブログではそんなに広告がクリックされるというわけではなかったし、私が誰かのブログを読んで面白かった時、投げ銭がわりにクリックするようなこともあったので、自分のところにも一応設置しておいただけだから、まあ無きゃ無いでいいのである。

ついでに右サイドバーを少し整理した。3年ぐらい前から壊れっぱなしでスパムすら1つもこないトラックバック欄をなくし、RSSボタンやQRコードも削除した。RSSリーダーに登録する時ってURLを入れれば探してくれるから、別にいらないような気がするのだが。私が使ったことないからなんだけど。いるのだろうか?

ともあれちょっとすっきりしたレイアウトになった。そういうわけで、これまで広告をクリックしてくれた人にはサンキューと申し上げる。
posted by kaoruww at 16:24| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

9月末の断末魔

リプラス破産申請、負債326億円 リート設立母体で初(朝日)

9日の株主優待がらみのエントリーに「優待+配当利回りランキング上位に入っている会社がズタボロで見るに堪えない。今年いっぱいどころか今月いっぱいもたない会社が入っている」みたいなことを書いたが、ランキング6位(利回り47.74%)のリプラスが破産した。

マンデベばかりでなくJリートの設立母体まで潰れたわけだが、まだまだヤバそうなところがある。9月末まで今日も含めてあと6日だが、すでに万策尽き果てて虚脱状態になっている経営者がいるはずだ。記事には「サブプライム問題で、ファンド事業の収益が悪化した」とあるが、タイミングよく便利な言い訳ができて、そこはラッキーかもしれない。南無。
posted by kaoruww at 02:43| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月22日

金融危機はもう一山で終了へ

米政府:不良資産、最大75兆円買い取り 大恐慌以来の巨額対策(毎日)

議会にこの案を認めさせるには、先週の「大恐慌間違いなし」みたいな混乱が必要だったというわけで。ただ、アメリカ国内の金融機関に限定したこの施策では今回の混乱は終わらない。EUの金融機関のダメージも大きいわけだから、結局はG7に奉加帳を廻すところまでいくだろう。それを各国に認めさせるためにも、もう一騒動必要ということになる。それはコモディティ系ヘッジファンドの破綻などではなく、やはり銀行、それもヨーロッパの銀行ではないか。

それにしても話の進行が早くて大変結構である。


<関連>2008年3月15日  ベア・スターンズ身売りへ
posted by kaoruww at 13:59| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月13日

本日の流通関連ニュース

レックスMBOの「株価不当」と東京高裁が初判断(読売)

 高裁は、適正な買い付け価格を独自に算出し、「1株33万6966円」と決定した。レックスが設定した「23万円」を約47%上回る。

 レックスは「決定文を検討中」(広報)として最高裁に特別抗告するかどうかを明らかにしていない。決定が確定すれば、原告の株主(119人)はレックスに決定価格で株の買い取りを求めることができる。

 ただ、申し立てをせず、レックスの買い取りに応じた9割超の元株主に決定の効力は及ばない。
ものすごくまともな判断で逆に驚いた。経営者が自ら悪い業績予想を出し、株価が下がりきったところでMBOをして株主から強制的に株を買い上げるという、ほとんど詐欺のような手法が否定されたのは(当然のこととはいえ)喜ばしい。もっとも、ほとんどの株主はすでに買い取りに応じてしまっているので関係ないけれども。ただ、今後は泣き寝入りする株主が激減することは間違いない。いいニュースである。

あと、am/pmの売却交渉が不調だとか。

am/pmの売却は難航も、価格やFCの調整などがカギ(ロイター)

フランチャイジーとの交渉を個別に行わなければならないので、実際どれぐらいの統合コストがかかるのか読みきれないのがFCが主体の会社のやっかいなところである。率直に申し上げてざまぁと言うほかない。


<関連>2006年11月11日 経営者の逃亡先

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衣料品世界3位「H&M」、日本1号店が開店(読売)

記事によって行列が3000人だの5000人だのといろいろだが、そんなに先着500人にくれるTシャツが欲しかったのかと。店のカテゴリーとしてはユニクロみたいなもんなんだが。ただ、ユニクロと違うのはホットファッションを中心に扱う店だということ。ワンシーズンしか着られない流行のファッションをすばやく投入することがH&Mのウリである。つまり3ヶ月のうちで何回かしか着ない服だから安くなければいけないし、そういった客の要求に応えたからこそ世界的に成功できたわけだ。しかし、それは言いかえると「ワンシーズンさえ持てばいい」ということでもあり、縫製はかなりガッタガタだということがチェーンストア経営専門誌販売革新9月号に写真付きで検証されている。あちこちほつれているぐらいならともかく、胴体と袖のつなぎ目がきちんと縫われていなくて穴が開いていたのはさすがに笑った。不良品を店に並べるなw

●特集 世界最大のSPAブランド H&M ヘネス・アンド・マウリッツ
 日本上陸の衝撃
@世界最強チェーンの正体
・あのトヨタも驚いた「ファストファッション・マジック」
A予想される戦略のシナリオ
・常識を覆すゲリラ戦? 実はチェーンストアの王道をいく
BH&Mなんて怖くない!
・直撃されるのは化石のような量販チェーンだけだ
Cアキレス腱は品質問題か
・本当に日本で通用するかどうかは 消費者が求める価値観に左右される
D「本土決戦」時代の幕開け
・ギャップ、ザラ、ユニクロ… 世界的SPAチェーンが激突!
面白い特集なので、ファッションには興味があるがチェーンストアには興味がないという人もどうぞ。個人的には、今の日本にワンシーズン着たらその服は捨てるという人がどれぐらいいるのか、ちょっと興味はある。自分が着る服としてはユニクラーなので当然興味はありませんが。ほっといてよ!

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日本の巨大流通業のスピンオフと買収の噂が囁かれている。これについては2005年にはっきりと予想を書いておいたが、さてどうなるか。本決まりになったらあらためて検証してみよう。
posted by kaoruww at 17:07| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月11日

コメの事件がらみで

三笠フーズの事故米、雑感(極東ブログ)

どこかで地下鉄サリン事件の時に解説で大活躍していた神奈川大学の化学兵器が専門の先生が、「1年倉庫に放置しておいたのなら、倉庫が密閉されていなければ害はなくなってるんじゃないですか」と言っていて、へーそういうもんなのかーと思った。もちろん、だからといってこの会社を免責していい理由にはまったくならないけれども。パニックを起こすのもつまらん話だなあ、と。

もうひとつ。Yahoo!ファイナンスの掲示板はまったく見るべきところがないのでもちろんいちいち見ないが、ふと思いついて前エントリーでちらっと触れた米穀商の方のヤマタネの掲示板を見てみた。

Yahoo!掲示板 ヤマタネ   確認してみました。

宣伝と罵声だらけのYahoo!掲示板を一文字たりとも鵜呑みにはしないが、これは言いそうだなと。真偽を知りたければ電話すればいいことだが、そこまではしない。ただ、大正時代創業の老舗米穀商がこの事件に憤っているのは間違いないだろう。

あと、ずっと気になってたけど知らないままだった無洗米の製造方法をサイトを読んで知った。勉強になった。タピオカがこんなところに登場するとは。たしかに集中して水処理したほうが環境にはいい。外食や中食では、すでにかなり切り替わっているという話は聞く。食べ比べたことがないので味についての意見は持ってないんだけども。もし同じぐらいの味なら無洗米にしてもいいなー。
posted by kaoruww at 05:29| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月09日

ATOKを安く買う・その他の雑感

はてブにインフォシーク 優待+配当利回りランキングなんてものが入っていた。こんなものは普段見る機会はまったくないので少し興味を覚え、チラッと見てみたのだが。

うう、なんというか、上位にある会社がいかにもズタボロで、ちょっと見るに堪えないランキングだ。特にマンション・デベロッパー(略してマンデベ。なんだか下品な響きがするが、実際経営者も下品なことが多い)がとんでもない利回りでランクインしている。マンデベはほんの半年前と比べて株価が10分の1になっている銘柄がゴロゴロあるので、そりゃ利回りだって上がるというものだ。どことは言わないが、今年いっぱいどころか今月いっぱいもたない会社が入っている。はてなには投資系ブログが少ない印象があるが、まさかこんなランキングを見て「うわ、おトク!」なんていって投資する人間はいるまいな。

追記 以下のカッコ内の記述は間違った情報を前提としています。間違いの記録として消しませんが、この情報をもとに行動しないで下さい。
と、いきなりケチをつけてみたが、スクロールしていったら、ちょっと興味を引かれるものがあった。一太郎でおなじみのジャストシステムである。

ジャストシステム株主優待

100株以上の株主に、ジャストシステムのショップで使える商品券を3000円出すのだという。昨日の終値が186円。100株買うと18600円。利回りは約16%だ。なるほど。ということは……

ATOK定額制サービス

ATOKを月額300円で使えるというサービスが9月2日から始まったのだが、これの1Year版(ダウンロード)が税込3360円である。あら。だったらコレ、常に最新バージョンのATOKが年に360円、1日1円で使い続けられるということじゃないですか奥さん。別にどこかに落とし穴があるというわけでもない。通常のリスクがあるだけだ。つまり

@株主優待制度が変更されるかもしれない
A株価がもっと下がるかもしれない
Bなんなら会社が潰れるかもしれない

ぐらいなものである。たいしたことじゃないNE!ジャストシステムはここのところ毎年赤字をタレ流していて順調に株主資本を減らしているわけだが、まだ何年かは持つだろう。ITバブルの頃には12000円以上もしたのに今では200円以下で買えるのだ。マンデベの10分の1どころではなく実に60分の1以下である。それでも潰れない立派な会社だ。「もうATOKは最高!IMEは死ね!氏ねじゃなくて死ね!」というぐらい一太郎を愛している人なら、最大損失でも18600円だし、利用してもいいかもね。というか、これなら最初から個人株主はATOKを使い放題ということにした方が話が早いんじゃないかという気もするが。
追記 ジャストシステムの株主優待対象製品一例を細かいところまで見てみたら、下のほうに小さく「ATOK定額制サービスは対象外」とある。見落としていた。失礼しました。ATOK通常版(ダウンロード版)が6615円なので、株主は3615円で買え、1日約10円で使えるが正解。これは定額制の1Year版より高い。ということは、定額制ユーザーはATOKに関しては株主よりも良いあつかいを受けるということになる。古いバージョンでもいいのなら、通常版で何年も粘るのもアリだが。ついでに書いておくと、「ジャストシステムの株主になんか危なっかしくてなりたくない」という人は、ヤフオクでこの優待券が1000円ほどで売られているので、利用すれば4615円ほどでATOKを購入することができる。あー、株主優待なんてしょうもないわりにごちゃごちゃしたことを書いたらこのありさまだ。かっくん。

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さて、ここから先が雑感である。むしろ雑感の方を主張したいんだけど。上記の文章を書いている最中にも思ったことだが、はっきり言ってこんなことは大のおとなが時間を割いて考えるようなことではない。細かすぎる話だし、第一これは経営陣が株主に施しをしてくれているわけではなく、もともと株主の金なのである。投資する際に株主優待制度の有無を考慮に入れる人がいるらしいが、優待バカとしか言いようがない。変な優待制度がある会社は株主を「この程度のアメ玉で釣れる連中」とナメているのは間違いない。株主の金を無駄遣いする会社なのだから、最初から投資対象として考える必要がないのだ。

以前はこんな悪習はなかった。古い会社四季報を処分してしまったのが残念だが、試しに今手元にある一番古い四季報を見てみる。96年春号だ。まだネット証券など影も形もない頃で、97年の金融恐慌以前だから山一證券も北海道拓殖銀行も掲載されている。株主優待一覧を見ると、

@食品会社が自社製品
A流通業(チェーン店)が自社店舗で使える優待券
B運輸業(鉄道・海運・航空)が無料パスや優待券

この3業種の優待で8割以上を占めている。株主に我が社の事業活動を知ってほしいというものばかりで、意味なく新米を送ってきたりするところなどほとんどない。現在優待制度で新米を送る会社は非常に多いが、最初にやったのはおそらく山種証券(現SMBCフレンド証券)だろう。これにはちゃんと意味があって、創業者の山崎種二が米問屋の小僧から身を起こし、米卸業に乗り出して米の流通を手がけたことから、「プロが見極めた今年おすすめの新米を食べてもらおう」と始まったものだ。今やっているところみたいに「米はどこのウチでも使うし、文句も出ないだろ」なんて志の低い会社とは違う。

持ち合いが崩れ、カゴメが個人株主作りに成功したあたりから優待制度が増えはじめ、ライブドアの活動が派手になった頃から猫も杓子もとなった気がするが、この頃の優待事情というのはまったく無視していたので、実際のところはよく知らない。

株主に利益を還元したいなら普通に配当するなり自社株買いをすればいいのだ。理想をいえばウォーレン・バフェットが経営するバークシャー・ハサウェイのように、ROEがものすごく高いために、配当する金を再投資にまわしたほうが株主資本が増える、だから無配にするというのがベストだ。バークシャーの株主もこのロジックを理解して無配であることを積極的に支持している。「なんかよこせ」などとは言わない。もともとが株主の、つまり自分の金だということがわかっていれば、そんなことは言わないのだ。経営者のレベルの違いのみならず、株主の知的水準も彼我の差は大きい。
posted by kaoruww at 01:30| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月08日

本日のお勧め記事

今日付の読売新聞朝刊1面と2面の「地球を読む」に、国立がんセンター名誉総長の垣添忠生氏が、たばこについての提言を書いている。リンクしようと思ったが、どうもWebには載せていないみたいだ。

功なり名を遂げた人というのは、現在の環境で成功したわけだから基本的に現状追認型になることが多いように思う。まして権力のありように異議を申し立てるなど、一般論としての政治家・官僚批判という、もはやどこからも文句が出ないことしかしないのが普通だ。

ところがこの人、国家がたばこという強烈な薬物を利用して自国民を中毒にしながら搾取してきた歴史を、抑えた筆致ながらはっきり批判している。アメリカ合衆国がたばこ中毒者を政策的に減らしたことにより、アメリカのたばこ会社は外国政府にたばこの輸入を認めるように迫ったのだが、日本政府はそれを唯々諾々と認めてしまったことも書いている。そして、これまでは個人の嗜好や文化として認められてきた、という歴史的事実を踏まえつつ、その上で国家が自国民をこういう形で搾取することが許容される時代ではなくなったと。今後についても、いますぐ禁止はできないが最終的にはたばこ事業法を廃止すべきというかなり踏み込んだ話をしている。

いまだ男性の40%、女性の10%、全人口の25%を占める中毒者からの反発が必至であるにもかかわらずこうした提言をするのは、がんになって痛みにのた打ち回りながら心ならずも死んでいった多くの患者を診てきたからだろう。しかもそれはたかだか国家財政の足しにするために政策的に行われてきたことだ、という怒りもあるはずだ。

たばこ中毒者の敵は嫌煙者などではなく、自国民を傷つけることを恥じず、搾取することをやめない国家である、ということをきちんと書いている。まったく同意見だ。たばこを吸う人も吸わない人もぜひ読むことをお勧めする次第である。


<関連>2008年7月29日 後藤新平の阿片政策からタバコの未来を読む
posted by kaoruww at 17:13| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月05日

銀行窓口にて

三菱東京UFJ銀行(長いので以下三菱と略)は本支店間の振り込みが無料である。だから振り込み相手が三菱のときに限って利用する。収益にまったく貢献しないDクラスの客だ。

振り込みついでに久しぶりに記帳もしておくかと通帳をATMに入れたところ、「窓口までお越しください」みたいな表示が出る。どうやら通帳を替えねばならないようだ。はいはいと窓口に行くと、おねえさん(というにはトウが立っていた)が「カードはICカードになさっていますか?」と言う。そういうのがあるのは知っているが、特に不都合もないので替えていない。「ええっ?まだ替えてないんですか!?」と大仰に驚くおねえさん。そ、そんなにマズいことなんですか……

「セキュリティがいいんですよ、いい機会ですから今日替えましょう」とすごい勢いで書類を揃えられ、「こことこことここ」みたいな感じで記入を求められる。「身分を証明するものはお持ちですか?」「いやちょっと振り込みにきただけなので…」「あ、ではけっこうです。はんこはお持ちですか?」「いやちょっと振り込(略)」「あ、でははんこを押すところにサインでけっこうですよー」。ずいぶん融通のきく人だ。「EdyとSuicaがつくんですが、どちらになさいます?」へえキャッシュカードにそんなのがつくのか。便利な世の中だ。まあEdyは使わなさそうなのでSuicaかなあ。「わかりました。Suicaの残高が一定以下になると自動的にお金がチャージされるオートチャージという機能があるんですが、いくら以下になったら何円チャージしますか?」なんだかめんどくさい話になってきた。預金から自動チャージされるというのは便利だが、気がつかないうちにバンバン使ってるというのもイヤなので、その機能は無しにしてもらう。

そのまま記入をしていると、年収を書く欄が出てきた。なんでキャッシュカードの交換をするのにこんなこと書かなきゃいけないんだ、と文句を言いたくなった。しかし以前、UFJ銀行でただ両替しようとしただけなのに名前と住所を書かされたことがある。あまりにもバカバカしいと思ったが、文句を言ってモメるのと面倒だが記入するのをはかりにかけ、その時は結局書き込んだ。銀行というのは客に不条理なまでに不便を強いる存在なのだ、とあきらめている。不愉快だがそういうものなのだ。しかしそれにしたってキャッシュカードの交換に年収はいらんだろと思ったので、書くには書くがデタラメを書くことにした。巨大な権力になんか負けないぜ!というパンクスなりの意地である。誰がパンクスだ。

微妙なリアリティを感じさせるかもしれない大きめの数字を書き込んだことにより、(トウのたった)おねえさんの扱いが少し丁寧になったような気がする。「ユニクロしばりみたいな格好してるのに人は見かけによらないわー」と思っているのかもしれない。おねえさん!だまされていますよ!

最後に「こちらお礼です。本日はありがとうございました」と封筒を渡され店から送り出される。中を見るとDCギフトカード500円分。なんだか銀行にしてはずいぶんサービスいいなあ、とその時は思った。かなり時間が経ち、ウチに帰ってからふと「なんでキャッシュカードの交換をしたら商品券をくれるんだ?」とようやく疑問に思う。遅いわ。カバンの中に放り込んでおいた書類の写しを読んでみる。Suicaのオートチャージは預金からではなく、クレジットから入金されるのだという。クレジットって?なんと私はいつの間にかJR東日本のビューカードに申し込んでいたのだった。うわーお。あのおねえさんビューのビの字も言ってないのに。というかなんで気がつかなかったんだろう。今読んだらちゃんとそう書いてあるのに。せめて年収書く段階で気づけや。こんなミスは生まれて初めてだ。使うつもりはまったくないので実害はない。しかしそのつもりのない書類にサインをしてしまったんだから、やっぱりミスだろう。ぶり返す残暑にやられていたのだろうか。自分のしたことが信じられん。豊田商事に引っかかったじいさんみたいな気分である。がくーん。

しかし「古いカードの交換」という話からうまくミスリードするものだ。身分証明もはんこも無しにクレジットカードの申し込みを完了させたわけで、あのおねえさん、実にナイスな仕事ぶりである。だてにトウは立っていない(←しつこい)。まあカードが届いたら即解約しちゃうけれども。しかしまさかあの年収を書き込んだ客が、500円の商品券をもらって喜んでいるとは夢にも思うまい。お互いにだまされている。今回は1対1の引き分けということにしておこう。
posted by kaoruww at 01:37| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月02日

三国志ってよく知らんのですが

エイベックスの20周年記念新人でGIRL NEXT DOORというのがいる。エイベックスといえば、アイドルくずれやモデルくずれと男のスタジオミュージシャンを適当に組ませ、大量広告により数字を作るというビジネスモデルでやってきたところだ。記念というだけあって今回もその伝統を踏まえている。馬鹿の一つ覚えとかいってはいけない。で、このユニットのことはPVをずいぶん前にブクマして以来忘れていた。とりたてて話題になった記憶もないから、もうこういう商売が通用しなくなってポシャったのかと思ったら、まだデビューしていなかったらしい。明日発売だそうだ。ブクマしたのが7月28日だから、ずいぶん前からPVって発表するもんなんだなあ、と。

自分のブクマコメントを読んでレッドクリフ(Wikipedia)に今さら興味を覚えた。これにしくじるとエイベックスの屋台骨にヒビが入ると話題の映画である。2部構成になっているらしいが、肝心の「赤壁の戦い」は第2部でやるのだという。引っぱるねえ。しかしどうにも中華圏でしかウケなさそうな気がするのだが。

2年チャートもこんなだし、市場はドン引きしているようである。エイベックスは大丈夫なのだろうか。
posted by kaoruww at 11:56| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月29日

アイドル歌謡ってナニ Vol.2

8月11日の「アイドル歌謡ってナニ」というエントリーで書いた、ここ10年のアイドルPVを流す番組の録画ができていたので、先ほど流し見た。その感想いきます。


◇モーニング娘。 「抱いて HOLD ON ME!」  
焼き銀杏もとい福田明日香をものすごく久しぶりに見た。実に懐かしい。以前親が経営するフィリピンパブで働いているという記事を読んだが、元気だろうか。モー娘から一曲選ぶ時にあえて「LOVEマシーン」をはずすところは、こういう企画ならではだろう。

◇椎名へきる 「大切なページ」 
PVにも曲にも見るべきところは何ひとつなく、動画も見当たらないが、別にいいだろう。こりん星の元ネタがへきる星であったことを今さら思い出させてくれただけで十分だ。こりん星はギャグだがへきる星はマジだったのを思い出し、どうにもやるせない気持ちにさせられた。迷惑だ。

◇松浦亜弥 「トロピカ〜ル恋して〜る
この頃の松浦亜弥は、はるな愛より前田健に似ている。

◇ZONE 「secret base〜君がくれたもの〜
以前いじったハレパンが「白線〜スタートライン」でパクった元ネタとのこと。実際見てみると、パクったというよりは明らかにそのまんまなのであって、デートピアのパクリ体質の底力を見せつけられた思いがする。

◇上戸彩 「Pureness」 
こういう企画で上戸彩を出すのならソロではなく、黒歴史にされているグループで出すのが筋だと思うのは私だけではないはずだ。

◇BoA 「LISTEN TO MY HEART」    
BoAのこの頃の顔面バージョンはよかった。これを1.0とするなら、今は2.0をはるかに超え、4.3ぐらいになっている。アップデートしすぎだ。残念である。

◇プッチモニ 「ちょこっとLOVE
100万枚を超えるセールスを記録した曲。今から見ると、このあまりに大きな成功と引きかえに彼女たちの人生の軌道が狂ってしまったのではないかとの思いを禁じえない。

後藤真希は弟が強盗傷害で逮捕され活動停止に。センターの市井紗耶香は事務所とのトラブルでグループ脱退、ユニットで再デビューするもパッとせず、そのまま芸能界引退。その後ユニットメンバーとできちゃった婚し、今では行方知れず。保田圭はパチンコ屋で営業だ。いやパチンコ屋の営業はいいとしても、問題は市井である。大昔にヒットを飛ばした演歌歌手の消息がわからないというのなら、まだわからないでもない。だがミリオン歌手がヒット曲を出してから10年も経っていないのに、どうなったのか噂も聞かないというのは尋常ではない。市井の転落ぶりは芸能史に残るレベルだろう。

それにしても、モーヲタの中でも最凶といわれた市井ヲタはどこに行ってしまったのだろうか。鬱屈した想いを沈潜させすぎてテロリストにでもなってはいないか。市井はともかく彼らの消息が心配だ。


そんなわけで、昔のあれやこれやを思い出させてもらい、なかなかよい企画であった。
posted by kaoruww at 07:00| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月28日

どこまでが東京か

どうやら東京は8月いっぱい雨のようだ。9月の残暑といっても知れているし、どうやらもう夏も終わりのようで、ずいぶんあっけないものだなと思う。例年の殺人的な暑さを覚悟していた身にはありがたいには違いないが、なにやら拍子抜けした気分でもある。勝手なものだ。

さて、特に夏休みというわけでもないのにあんまり更新していないと、このまま終了してしまうような気もする。そろそろなにか書いてみよう。

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東京都にも「地方」があるよ、という話。(POLAR BEAR BLOG)

はてなブックマーク > POLAR BEAR BLOG: 東京都にも「地方」があるよ、という話。

都会に比べて地方ではネットの利用が進んでいないという話から派生した、東京都内といってもいろいろだよという話。中野で育って多摩に引っ越してきた私には「多摩は東京ではない」というのは実感としてわかる。ブクマコメントに「吉祥寺以西は「多摩県」らしいよ!! 」というのがあるが、どうも昔から多摩で育っている人は本当にそう思っているふしがあるのだ。

新選組を観光資源にしている自治体が多い(土方歳三が日野、近藤勇が調布生まれ)というということもあり、官軍の本拠地「東京」に反発する人がいる。東京都内なのに東京都(というか東京市)に反権力意識を持っているという、はたから見るとなんだかよくわからない土地柄だ。

日野市立新選組のふるさと歴史館
市立である。

新選組に染まりすぎた街
多摩といえばヨシダプロだが(そうか?)デイリーポータルZでこんなのを書いている。これは04年の大河ドラマの頃だから特に盛り上がっているが、まあいつでも郷土のヒーロー扱いされているようだ。

新選組ついでにいうが、当時の政府(徳川)を守るために敵対勢力を斬り殺していた組織なわけだから、普通の言葉で表現すれば秘密警察である。秘密警察に人気がある国って世界を見渡しても極めて珍しいのではなかろうか。司馬遼太郎のおかげで「滅びの美学」ということになり、近年では男の組織ということで腐女子が組んずほぐれつさせたりして萌えているらしい。多摩に暮らしつつも、しみじみ「変わった国だ」と思う。

そんなこんなで多摩の人は東京都庁に文句が多い。しかし23特別区の人も「こんな不自由な制度はいやだ」と言うし、どうもみんなで文句言ってるような気もする。


なんの話だったか。「どこまでが東京か」だっけ。吉祥寺のとなり、総武線の終点三鷹あたりにひとつ境界があるような気はするが。大まけにまけて立川か。青梅線に乗ってしまうと確実に「いわゆる東京」ではなくなる。都心に出るのもひと苦労だ。いちおう「三鷹あたり」というのが中央線沿線住民の実感である。
posted by kaoruww at 16:56| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月20日

すかいらーく前社長・横川竟インタビュー

前々回のエントリーで「このすかいらーくのゴタゴタに関してはこれでおしまい」と言った舌の根も乾かぬうちに、また書いてしまうのだが。

今店頭にある週刊ダイヤモンドの巻頭に新しい情報があった。ここは2年前にすかいらーくのMBOのデタラメさをスクープしたところで、妙にすかいらーく情報に強い雑誌である。記事によると、横川家が持ち株を野村に売り飛ばしたことにより、みずほ銀行から借りた金は返済されたといわれていた(スクープ記事にもそうあった)のだが、実はまだかなり借金が残っているのだという。なるほど。私は「すかいらーく、その転落の軌跡」で「うまく株を売りつけて借金消してもらったんだから、とっとと辞めればいいのだが」と書いたが、その前提となる情報が違っていたわけだ。

すかいらーくは昨年末まで、横川家の資産管理会社であるSHCを通じて食材を仕入れていた。わざわざこの会社を通して仕入れなければならない合理的な理由はない。食材を仕入れ、マージンを上乗せしてすかいらーくに売る。その分すかいらーくの仕入れ値は高くなる。典型的なトンネル会社だ。横川家はこんな特別背任を疑われるようなやり方で、すかいらーくからカネを抜いていたわけだ。

しかしこんな異常なことは横川家が経営トップにいなければできない。すかいらーくから追い出されたらもうこんなうまい汁は吸えない。借金の返済もできない。だからサントリーに無理な申し入れまでして、社長にとどまることに固執したわけだ。この一連の騒動での、横川家の権力維持への異常な執着ぶりの理由がようやくわかった。


さて、それをふまえてこちらの記事を読んでいただきたい。現在発売中の日経ビジネスに出ている記事がネットで公開された。

すかいらーく前社長、MBOから解任までの舞台裏を激白(NBオンライン)

 今回の動きが表面化して以来、公の場から姿を消していた横川氏が日経ビジネスの独占インタビューに応じ、電撃解任までの2年間を語った。
というもの。これまでの経緯を知っている者からすると、噴飯ものの内容である。読んでいてあんまり腹が立ったから前言を撤回し、またすかいらーくのことを書くことになってしまった。

 創業者の1人としてMBOのアイデアを出したのは僕です。2006年に発表したのも僕。でも、計画自体は(着任前の)伊東(康孝・元社長)体制時に作っているから、絡んでいない。
まるで死人に口なしといった態度だ。創業家が話を進めずにどうやってこんな計画が実現するというのだ。「社員を信用したからです。でも、確認しなかった僕が悪い」などととってつけたように言いはするが、実際には伊東氏へ罪をなすりつけている。伊東氏は生きているのだから、だまって濡れ衣なんか着ずに真実を話していただきたい。話さなくても誰が何をしたかはすでに白日の下にさらされているけれども。


1ページ目の写真のキャプションにこうある。

横川氏に現場の疲弊を問うと「その話はやめよう。つらい」とつぶやいた
つらいのだという。そうか。Wikipediaから引用する。

2007年10月、埼玉県加須市の元店長が月200時間超のサービス残業が原因で死亡した。このことに対し、労働基準監督署は2008年7月に労災を認定していたことがわかった。同社では2004年にも当時の店長が過労死したにも関わらず、業務が改善していなかったことになる。
04年に過労死が発生したにもかかわらず、06年のMBO実行後にまた過労死が起きた。04年のケースでは、すさまじいいやがらせを受けながら亡くなったことがわかっている。

「すかいらーく」パワハラの張本人が謝罪(労働相談センター・スタッフ日記)

なによりもまずこの事件について、現場で働く人のことについて話すべきではないのか。カネを掠め取ることより、経営の主導権を誰が持つとかよりも先にだ。

人がいるじゃないですか。人を無視してこの商売は成り立ちません。
などとこのインタビューできれいごとを言ってるわけだ。なのに人のことについて質問をされたら「その話はやめよう」ってどういうことだ。「つらい」とか言っておけば済むのか。


インタビューの終わりにはこんなことが書いてある。
 すかいらーくに戻ってからこんな声になっちゃって。今は歌も歌えない。

 かすれ声の横川氏はインタビュー中、ずっと、のど飴を口にしていた。
「お気の毒に」とでも言ってもらいたいのか?社内で怒鳴り散らしてたのがそんなに偉いのか?歌がどうしたって?従業員が2人も死んでるんだろうが。自分たちが汚いやり方でカネを抜き続けてきた会社で。今この瞬間もロクに残業代も出ないのに、ボロボロになって働いてる人たちがいるんだろうが。


人間はどこまで腐ることができるのだろうか。私にはわからない。
posted by kaoruww at 05:30| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月17日

08−17

調査報告 日本軍と阿片

NHKで今日午後9時〜9時59分。ブクマコメで知った。見逃さずにすんだー。

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某牛丼チェーンから「すかいらーく 伊東康孝 特別顧問」で検索されていたが、雇う予定でもあるのでしょうか。

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これまでずっと「樽ドル」とかが年間検索ワード1位で、たいへん忸怩たる思いをしておりました。身から出たサビだが。しかし今年はようやく交代しそうな雲行きである。外食関連になりそうだ。よかった。

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土佐かわいそう。

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東京は8月入ってからはじめての過ごしやすい気温。もう秋になってほしい。
posted by kaoruww at 14:39| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月15日

成功体験の呪縛〜野村プリンシパルの蹉跌(でも自分じゃ書かない)、そして新シリーズ「ファミレスの終焉とテーブルサービスレストランの未来」についての予告

7月31日に「それにしても野村はよくあの時点から外食産業に大金つっこむ気になったものだ。チャレンジャーすぎる。というかどうしてそんな稟議が通ったのか心底不思議」と書いた。その後ようやくその理由らしきものに気がついたので、それも含めてファミレスのあれやこれやについて書こうとした。

が、日本最大のレストランチェーンから創業家追放という外食産業の歴史に残る出来事に刺激を受けたか、次から次に書くべきことが出てきて、もはや収拾がつかない。電気自動車のバッテリーの技術動向を調べ始めたあたりで「もう拡げた風呂敷をたたむことができない」とあきらめた。もちろん書くのをもったいぶってるわけではなく、根気と能力が足りないのである。

野村プリンシパルがなぜしくじったかという話をすごくはしょって書けば、イギリスでの成功体験から逃れられなかったということだろう。日本でも同じことをやろうとしたのだが、創業家にいい顔をしたのと外食産業の縮小スピードを読み違えたことにより、大成功の再現ができなかったということだと思う。彼らがすかいらーくに手を出した理由は、2年前のMBO報道の時に野村プリンシパルの名前が出てきた段階で気づくべきことだったが、自分の懐具合と関係なかったためか「よーやるわ」と思っただけでスルーしてしまった。なぜこんな無理筋の案件に手を出したか、あの頃に気づいていた人はけっこういたと思う。興味のある人は「ガイ・ハンズ パブ」とかでぐぐってみるといろいろ出てくるので参考にどうぞ。

ともあれここらへんのことはもはや済んだことでもあり、今後どうやって敗戦処理して傷を小さくするかということしかなく、この先あまり前向きな話も面白い話も出てこない。そういうわけなので、このすかいらーくのゴタゴタに関してはこれでおしまい。せっかく検索で来る人が増えているのにその話題を見送るのはあまのじゃくが過ぎるでしょうか。性分なので仕方ないです。そのかわりというわけではないが、ここのところ考えていたファミレスの終焉とテーブルサービスレストランのこれからについて、ものすごいマクロな話も交えつつ書いてみたいと思う。気が向いたらなので始まりも終わりもなく、今までどおりつらつら書くだけなんだけど。
posted by kaoruww at 02:53| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月11日

アイドル歌謡ってナニ

きのうの、というか今日の深夜だが、M-ON!という音楽専門チャンネルで「ミーハー魂!アイドル百科事典 1998-2008」という番組が流れているのをたまたま見つけた。「この10年の間に活躍した女性アイドルのビデオクリップを一挙オンエア!! 」だそうだ。Vol.1と2に分かれていてそれぞれが2時間、24時から連続4時間放送。以前から「深夜の音楽専門チャンネルで海外のハードロックなんか流して誰が見るんだ?」と疑問だったので、アラいいですね、と。

番組開始から1時間半すぎたあたりから見はじめたのだが、Vol.2になるとZARDが出てきて「これアイドルか?」と疑問に思う。「まあ日本型アイドルというのも意味が拡散してるし……」と自分を無理やり納得させようとしたのだが、倖田來未が出てくるにおよび「コレのどこがアイドルじゃボケ」と深夜に立腹した次第である。ひどい。

さすがに付き合っていられず、4時まで録画して寝てしまったのだが、先ほどざっと見てみたら意外とおもしろいものもあった。なんというか「きっとこんな映像、地上波はもちろんこんなふうにCSですら流れる機会がなく、シングルCDのおまけにつけてそれっきりなんだろうなあ」と思わせる映像が目白押しなのである。2時間半分しか撮れなかったのは残念なので、ここに再放送日時とオンエアリストを記録しておくものである。

Vol.1  2008/8/28(木)11:00〜13:00
Vol.2  2008/8/29(金)11:00〜13:00

Vol.1

love the island  鈴木あみ
海まで5分  森高千里
抱いて HOLD ON ME !  モーニング娘。
ハートブレイクスナイパー  内田有紀
海とあなたの物語  未来玲可
YES  知念里奈
イージーライダー  深田恭子
ちょこっとLOVE  プッチモニ
真冬の星座たちに守られて  広末涼子
大切なページ  椎名へきる
恋はスリル、ショック、サスペンス  愛内里菜
愛のバカやろう  後藤真希
INNER CHILD  hitomi
大きなあなた小さなわたし  shiina
secret base〜君がくれたもの〜  ZONE
トロピカ〜ル恋して〜る  松浦亜弥
STARS  中島美嘉
LISTEN TO MY HEART  BoA
Pureness  上戸彩
Lazy  上原あずみ
カレーライスの女  ソニン
TELEPATHY  片瀬那奈
月のしずく  RUI
ブギートレイン'03  藤本美貴

Vol.2

Believe  玉置成実
瞳閉じて  ZARD
さくらんぼ  大塚 愛
BON VOYAGE!  Bon-Bon Blanco
あなたなしでは生きてゆけない  Berryz工房
キューティーハニー  倖田來未
Diamond 〜キボウノシルシ〜  若槻千夏
Da Di Da ☆ Go ! Go !  美少女クラブ21
ビタミンLOVE  小倉優子
空飛ぶあの白い雲のように  岩田さゆり
リンダ リンダ - M-ON! Ver. -  パーランマウム
吹きすさぶ風の中で  三枝夕夏 IN db
Brilliant Dream  中川翔子
交差点days  綾瀬はるか
セーラー服と機関銃  星泉
会いたかった  AKB48
heavenly days  新垣結衣
Truth REIRA starring  YUNA ITO
I'm a lady〜じれったい私〜  時東ぁみ
Softly  Leah Dizon
ガンバレ乙女(笑)  アイドリング!!!
桜チラリ  ℃-ute
Baby cruising Love  Perfume
RIOT GIRL  平野綾
個々の作品についていろいろ思うところはあるのだが、あまり詳述すると確実に気持ち悪い文章になってしまうので、ごく一部に触れるにとどめたい。Perfume以外は初めて見たPVである。

◇時東ぁみ 「I'm a lady〜じれったい私〜」 
つんくの本気ぶりがこわい。なぜ男の熱狂的つんくファンがいるのかわかったような気がする。

◇中川翔子「Brilliant Dream
現代のアイドルとはここまでアイドルであることに自覚的でないとダメなのかと、アイドル業というもののハードルの高さを痛感した。

◇玉置成実「believe
5年連続で年に3枚というコンスタントなシングルリリースが08年になって止まってしまった玉置成実の曲を、今回初めて通して聴いた。おそらく玉置を受け入れるには、日本人はもっと成熟する必要があるのだ。時代がもっと後なら大スターになっていただろう。デビューが200年ぐらい早かったのではないだろうか。

◇Perfume「Baby cruising Love」
この番組に出しても問題ないとは思うが、それならなぜPerfumeのディスコグラフィーの中でもこの曲をアイドル歌謡としてチョイスする正しさがありながら、倖田來未を出してしまうのか。こんなものも入れなければ4時間は持たせられないということだろうか。あと、4時間のうち2時間半を見ただけだが、ここ10年のアイドルの中ではのっちがダントツでエロいことを確認した。たいしたものだ。


こういう映像をあらためて見る機会はなかなかない。年末にここ1年のこの種のPVを2時間くらいにまとめてもらえるとありがたいのだが。
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2008年08月08日

グターリ

本日の多摩地方はめちゃくちゃ暑いわ前触れなしに揺れるわ部屋に戻ってみたら本棚から本が落ちててどこが震度3なんだよと言いたいわでたいへん腹が立ったので、セブンイレブンに行ってスイーツを買ってきました。和匠庵ぷるぷる黒糖わらび餅とミルクたっぷりとろりんシューです。

わらび餅は仕様がちょくちょく変わるらしく、リンク先の画像ほどきな粉だらけではありません。うっすらまぶされている程度。冷えててなかなかです。今は冷えてりゃ何でもいいような気もします。シュークリームはいつも通り。クリームがゆるいのでこぼれないように注意しましょう。微妙に暇でもあり、むしゃくしゃして更新しました。後悔はしていない。
posted by kaoruww at 16:25| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

直下型

普通は最初に弱い揺れがきて、「あれ、地震かな?」となってから大きいのがくるが、今回は前置きなしにガーンと揺れた。震源の真上にいたのははじめて。
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2008年08月07日

オリンピックはじまったんすか

よくわからないが、きのう開会式もやってないのに女子サッカーの試合があった。2点差をつけられたが最後にようやく追いついて引き分けだったという。この試合に負けていたら予選通過は絶望的だったらしい。開会式やる前から絶望とかイヤすぎる。どういう日程なんだ。

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Shiny GATE


早く歌えば勝ちなのかフィギュア系なのかどっち。モーグルは両方だっけか。

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くどいようだが当ブログは土佐礼子を応援しています。あとオグシオのシュッとした方。オグだかシオだかはしらん。

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すかいらーくの件に関して気がついたことがあった。が、12日に臨時株主総会が開かれ、そこで晴れて横川家追放、野村プリンシパルが事態の主役となるので、その時に改めて書くことにする。
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2008年08月02日

すかいらーく、その転落の軌跡

すかいらーく横川家が大失敗したマレーシアのエビ養殖事業の話をいまさらながら詳しく知りたくてぐぐってみたらこんなのが出てきた。平成15年2月に発表された「関係会社等に対する投資損失等の計上ならびに業績予想の修正に関するお知らせ」である。PDFはウザいのでHTMLバージョンにリンクしておく。

2ページ目
投資損失等の内訳

 この度、不採算事業および投資回収効率の低い事業について整理または売却を前提に引当を行い、また、継続会社についても、前述のとおり引当基準を厳格化した結果、単体投資等損失として約 413億円を計上致しました。
 損失計上の主な内訳は、マレーシア養殖事業への引当額(約211億円)、グアム・リゾート事業関連事業への引当額(約39億円)、その他関係会社の損失への引当額(約40億円)、その他毀損債権への引当額(約34億円)、有価証券等の評価損(約24億円)であります。
そうだグアムのリゾート案件なんてふざけたものもあったんだった。ぐぐってみるもんである。しかしなんといってもエビだなエビ。いくら自分のとこで大量に使うったって、こんなリスク背負ってまで自分でやるようなことではない。なんで普通に仕入れないんだ?

そんなことを思いつつ2ちゃんのすかいらーく関連スレッドを見てみたら、やたら簡潔なまとめがあったのでここに記録しておく。以前ほっかほっか亭の内紛についてうまいまとめをコピペしたことがあったが、これもよい出来だ。まとめ職人でもいるのか。

海老を商社から普通に買い付けていた
      ↓
ドケチな会社なので海老をもっと安く買いたい
      ↓
東南アジアで海老の養殖事業に投資
      ↓
創業家が投資資金をみずほ銀行に借金
      ↓
海老の養殖事業に失敗
      ↓
金融庁が創業家の借金を問題視
      ↓
セブン&アイHDへの買収話を経営権喪失を嫌う創業家が断る
      ↓
商社に創業家保有株売却打診するも断られる
      ↓
創業家が野村に株を買わせる作戦を遂行する
      ↓
ついでに馬鹿な社員にも株を買わせる
      ↓
世間には改革のためのMBOと嘘を付く
      ↓
創業家の予想通り業績急落
      ↓
野村とんでもない会社に投資したと気付く
      ↓
食材高・原油高・人件費高で赤字転落
      ↓
野村焦って副社長派遣
      ↓
野村インサイダー事件業績急落で野村の尻に火が着く
      ↓
臨時取締役会で副社長らが社長解任要求
      ↓
社長権力延命のためにサントリーに買収を打診←【今ここ】
      ↓
   【今後の予想】
      ↓
臨時株主総会で社長解任
      ↓
サントリーに買収話を断られる


    ∧_∧
    ( ・∀・) ワクワク
  oノ∧つ⊂)
  ( ( ・∀・) ドキドキ
  ∪( ∪ ∪
    と__)__)
うーんナイス。

で、5ページ目
 なお、創業者である以下の取締役4名は、この厳しい経営環境にあっても、前述のとおり、確固たる経営方針が確立され、当社の更なる成長が確信されるに至ったことから、3月28日を以って、当社取締役を退任することを決意し、会社としても了承いたしました。

取締役会長    横川紀夫
取締役最高顧問 横川 端
取締役最高顧問 茅野 亮
取締役最高顧問 横川 竟


株式会社すかいらーく 取締役最高顧問 茅野亮 コメント

 「私たち創業者は自分たちが青春をかけてこの会社を成長発展させたように、伊東社長に交代した時から、できるだけ早い時期に次代を担う人達に経営を任せ、一線から退くことを考えておりました。新体制に移行して二年が経ち、私たちが引く準備が整ったと判断し、兄弟4人がほぼ65歳を越えた今年こそ、引退する時期であると決めました。この度、将来に向けた財務リスクを先取りし、特別損失を計上することで赤字決算となりましたが、新経営陣に託し、私たちは引退させて頂くことに致しました。」
さらなる成長を確信しちゃったのでそろって退任と。仲いいっすね。いやあお疲れ様でしたと言いたいところだが、横川四兄弟はそんな大団円を見せてはくれない。


2006年1月16日付 読売新聞
すかいらーく創業者 会長復帰
これで元会長の横川竟(きわむ)最高顧問が会長に復帰。

2006年9月、総費用が2718億円という日本最大のMBOにより上場廃止。さらには、

2006年12月04日付 外食日報
すかいらーく、横川会長が社長兼務、伊東社長は代取副会長
冒頭のリリースを発表した伊東社長が、事実上棚上げされた。
この人はバーミヤンを手塩にかけて育てた人である。思えば伸びざかりだったバーミヤンを時価にちょっとプレミアムをつけただけですかいらーく本体にむりやり吸収合併した時、私は怒りとともにすかいらーくを見限ったのだった。それ以降は生あたたかくウォッチするのみである。

その後、横川家がみずほ銀行からの300億円の借金を返すために、
300億÷横川家持ち株数=MBO公開買付け価格
ということにして、野村プリンシパルに持ち株を売り飛ばしたという週刊ダイヤモンドのスクープが出たり、いろいろ呆れたことはあったけれど、さすがにこれはないわと思ったのが次のニュース。
 
2007年08月23日付 外食日報
すかいらーく、バーミヤン活性できず伊東副会長が退任
 すかいらーくは伊東康孝副会長が31日付で退任する人事異動を決めた。バーミヤンカンパニーCOOとして業績の回復に当たっていたが、業績回復に結びつかなかった責任を取るものとみられる。今月中旬に本人からの申し出があり、これを受けた形となる。1日付で特別顧問に就任する予定。副会長職の後任はなく、代表者は横川竟会長兼社長の一人体制となった。
ついに功労者である生え抜き社長までも放逐である。伊東氏本人もいいかげん嫌になっちゃったのかもしれないが。ともかくスゲエぜ横川、いろんな意味で。


ふつう今回のようにファンド側が社長の退任を要求などということになると「ハゲタカはけしからん」と非難の大合唱になるのだが、今回はよほど経緯を知らない人以外はそういうことは言ってないみたいだ。むしろ「野村はマヌケだけどかわいそう」みたいに妙な同情モードになっている。エグいはずの金融屋が食堂の老人たちに丸め込まれたとあっては、恥ずかしくて兜町を歩けないだろう。横川家はたいしたもんだと言えば言える。

まだしばらくモメそうだが、株はガッチリファンドに持たれているわけだから、もう無駄な抵抗である。うまく株を売りつけて借金消してもらったんだから、とっとと辞めればいいのだが(追記・この点に関し新事実が発覚した。こちらへ)。しかしこの期に及んでまだ野村の鼻先を引きずり回す気満々なところがすごい。ともかく、「水商売」と蔑まれてきた業界を、長い時間かけて「外食産業」と言われるまでにしたんだから、あんまり業界の評判を下げるようなこっぱずかしい粘りは見せないでいただきたい。無理な相談だろうけど。


すかいらーく公式HPより横川竟様の笑顔(追記・社長解任と共に消去された)

すかいらーく(Wikipedia) 
posted by kaoruww at 02:27| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月31日

バーミヤンを非公開化した時から、すかいらーくは信用していません

書こうとしたことは前エントリーで書いたのだが、そこにむりやり入れるととっ散らかりすぎるので入れなかった材料がいくつかある。そのうちのひとつが前々エントリーだが、タバコがらみのことばかり立て続けに書くのは自分でも飽きるので、そこらへんのことはまた今度に。

以前、後藤新平と星一のことを「犬神家の一族」がらみでチラッと書いたことがあるが、この二人の関係についてはもう一度触れたいと思う。

あとニコチン置換療法についてのあれこれ。ドラッグストアで売ってるニコチンパッチが1枚400円ってボリすぎだよなー、「だったらタバコ吸ったほうが安い」なんて本末転倒なことになりませんか、とかね。

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すかいらーく泥沼の攻防 投資会社、創業家社長退任を要求 (フジサンケイビジネスアイ)

ついに横川家すかいらーくから追い出されるの図。2年ほど前、経営者の逃亡先というエントリーで、流行りはじめたMBOのデタラメさを批判したけれど、このニュースについても「動機が悪いとこうなる、因果応報ですね」という感想しか出てこない。これが日本のフードサービス業界トップの末路かよと思うとしみじみする。

それにしても野村はよくあの時点から外食産業に大金つっこむ気になったものだ。チャレンジャーすぎる。というかどうしてそんな稟議が通ったのか心底不思議。珍しく日刊ゲンダイが外食関係のまともな記事を書いていた。

ファミレス・居酒屋”複合不況”に突入!

原油価格の高騰でクルマに乗らなくなっているという要因はおまけのような感じもするが、ロードサイド型のビジネスをしている会社には実際かなり影響が出ているようだ。まさに泣きっ面に蜂。外食株は基本的にまったく手出し無用だ。いつ良くなるのか見当もつかない。
posted by kaoruww at 23:59| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月29日

後藤新平の阿片政策からタバコの未来を読む

後藤新平は明治31年(1898年)に、台湾総督府民政長官となった。この幕末生まれの政治家は、あまりに壮大な計画を立てることから「大風呂敷」と揶揄されることもあったが、実際には極めて現実的な政策を推進した。

当時台湾では匪賊が跋扈していた。生活苦から山賊になった者や抗日運動をするゲリラまでいろいろだが、そのため治安が非常に悪かった。総督府の警察は強攻策を主張したが、政策立案の事実上のトップである後藤はこの案を退けた。後藤は匪賊たちに投降を呼びかけ、これに従った者は罰しなかった。しかも「仕事がなければ収入もなく、治安の不安定要因となる」と、彼らを台湾近代化のための土木工事に就かせた。この台湾総督府の対応を見て、大部分の匪賊が投降した。そして警察は最後まで抵抗した少数の匪賊のみを武力鎮圧した。結局掃討完了まで5年かかったし、「犯罪者に甘い」という意見もあろうが、極めて実効性の高い政策だった。

後藤は台湾に蔓延していた阿片の根絶にも乗り出す。Wikipediaから引用する。

まずアヘンに高率の税をかけて購入しにくくさせるとともに、吸引を免許制として次第に吸引者を減らしていく方法を採用した。この方法は成功し、アヘン患者は徐々に減少した。総督府によると、明治33年(1900年)には16万9000人であったアヘン中毒者は大正6年(1917年)には6万2000人となり、昭和3年(1928年)には2万6000人となった。なお、台湾は昭和20年(1945年)にアヘン吸引免許の発行を全面停止した。
1898年に後藤が台湾に着任してから47年後に阿片はようやく根絶されたわけである。後藤は昭和4年に亡くなっているので、当時の大日本帝国政府が後藤の死後もこの政策を続けたわけだ。台湾の対岸にある清朝政府に対して、阿片の輸入を認めさせるために阿片戦争(wikipedia)まで起こしたイギリスに比べれば、単純に厳罰化して地下に潜らせるのではなく、厳密な管理の下に徐々に中毒者を減らそうという後藤の政策は十分評価に値するはずだが、この政策に対して批判する向きもある。

後藤は阿片・タバコ・酒・食塩・樟脳を専売制とし、その収入を返済にあてることで公債を発行した。こうして集めた資金を、当時まだ未開といっていいほど文明化されていなかった台湾の近代化のために投入した。むろんそれは植民地経営を成功させることが、宗主国である日本のためになるからなのは言うまでもない。だからこの政策を肯定的に評価することは、戦前日本の軍国主義を肯定することになると考える人もいるようだ。

これについては現代の日本人が後付けでいろいろ言うより、実際に統治された台湾人の話を聞くのが筋だろう。彼らが一番発言権が大きいはずだ。昨年、後藤新平賞を受賞した元台湾総統の李登輝氏はその記念講演の中で、後藤を「台湾の近代化を進めた偉人」として尊敬と感謝の念を表している。中国や朝鮮半島の国々と比べて台湾が親日的なのは、この頃の植民地政策について、台湾人が一定の評価をしている部分に負うところが大きい。遅れてきた帝国主義国家である大日本帝国が、初めて得た植民地をなんとしても成功させようと、人的・金銭的・技術的リソースを過剰なまでに注ぎ込んだことが、結果としてのちの国民党支配に比べればマシという評価になったようだ。念のためにここは強調しておくが、日本に植民地化されたこと自体に台湾人がいい印象を持っていないのは当然である。これに関して、ひいきの引き倒しのように「大日本帝国は植民地のインフラを整え、教育をしてやったのだ。感謝しろ」などと言う連中は、日本が自分の利益ためにやったことだという認識がないのだろうか。あちらが感謝してくれるというのであれば謹んでそれを受けるにしても、「感謝しろ」はないだろう。日本は立派日本はすごいと言うのなら、日本人らしい恥の概念も持つべきではないだろうか。

どんな政治的立場をとるのであれ、後世の人間が過去を気軽に断罪することも称揚することも慎重であるべきだろう。どうも後藤新平に関しては、軍国主義時代の日本をどう評価するかという特定の立場からの言説が多いようで、なかなか今回のテーマである公衆衛生に絞った話ができにくい雰囲気を感じる。政策についての話だけをしたかったのだが、ここまでで既に十分政治的な話になってしまったのは残念だ。

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このエントリーのポイントを書いておく。「昔よりも喫煙者の権利は拡大している」ということだ。現在タバコ依存の状態にある人は、逆だと思うだろう。吸いたい時に吸えず、吸いたい場所で吸えず、くさいと顔をそむけられ、意志が弱いとまで侮辱され、今度は税金も上がるらしい。禁煙ファシズムの被害者として日々世間から虐げられているというのに、権利が拡大しているわけがないだろう、と。

気持ちはわかるが、それは薬物依存によってタバコというドラッグに関する認知が歪んでいるからそう感じてしまうのだ。政府がドラッグを公認しているのは、なにも国民に対するサービスや好意でしているわけではない。一にも二にも税収が欲しいだけのことである。しかし現在は、あまりにも取り返しのつかないダメージを心身ともに与えるドラッグを税収目的で認めることは、国家としてやってはいけないことだというコンセンサスができている。極めて依存性が高く、死ぬか致命的な疾病が発病するまでやり続けるドラッグを与えておいて、そこに高い税金をかけるというのは、あまりに非人道的なことだという認識がたばこ規制枠組み条約批准の前提にある。いくら国家が個人よりも圧倒的に強い立場だからといっても、そこまであくどいことは近代国家としてはやるわけにはいかないという考え方だ。これは「今まで国家にいいように搾取され、痛めつけられてきた喫煙者の権利が強くなっている」と考えるのが自然な解釈ではないだろうか。

しかしここで依存状態にある人は言うだろう。「自分は吸いたくて吸っているのだから余計なお世話だ」と。しかしこれも認知が歪められているからそう感じるだけで、実際には自分で決めているわけではない。依存状態にある人からは、当該ドラッグに関する自己決定権はすでに失われている。阿片でも覚醒剤でも、中毒者が「やりたいからやってるんだ」と言ってもだれも真に受けはしない。こう言うと必ず「タバコとそんな薬物を一緒にするな」と、あたかも自分がシャブ中だと言われたかのように怒るのだが、もちろん依存性薬物という意味では同じである。むしろタバコは覚醒剤より依存状態に陥るのが早く、しかもやめづらいという意見もあるほど強烈なドラッグだ。自分が薬物依存の状態にあるという事実すら認めないのは、ドラッグを嗜む大人として如何なものだろうか。

誤解しないでもらいたいが、私は喫煙者を目のかたきにしている人々とは意見が違う。タバコを吸う人や、やめたいのにやめられない人の意志が弱いとは思わない。依存症というのはまぎれもなく病気で、ガンになったり心筋梗塞になったりするのは意志が弱いからではない。だから依存症という病気になるのは意志の強弱とはなんの関係もない。単に病気になったというだけのことだ。病気なんだから病院に行って治しましょうということである。しかしこう言っても、もはや人に頭を下げる機会もほとんどなくなったおじさんや、もともと頭など下げたことのない学校の先生などは、「病院に行けと上から目線で侮辱された」などと言い出すわけだ。こういう薬物依存者と話をするのは、本当に消耗する。普通に世間話をしている時にこういう話になっても、いつの間にか相手の形相が変わって目が座っていたりする。薬物は肉体のみならず精神にも不可逆的な影響を与えることがあり、もともとの人格の被害者意識や粗暴な面を拡大させることが珍しくない。こういう話題に触れる時には十分な注意が必要だと肝に銘じている。

私は人が病気だという理由で差別されることは絶対にあってはならないと思うが、同時に病気だからといって傍若無人にふるまっていいとも思わない。薬物中毒に苦しむ人には「早く治ればいいな」と思うが、病気であることを理由にまわりに迷惑をかけて当然だという態度は許容しない。ドラッグは大人がたしなむものなのだから、自分の状態ぐらいは大人らしく客観的に把握してほしいものだ。少なくともニコチン中毒者の敵は嫌煙者などではない、というごくごく当たり前の事実は認識してもらいたい。実際に自分に害を与えているのが本当は誰なのかということすらわからなくさせるのだから、薬物中毒とは本当に恐ろしいのである。

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長くなった。とりあえずこのエントリーは終わりにしよう。最後に今後、日本政府がタバコをどのように扱うかという予想を書きつけておく。

財務省の重要な天下り先でもあるJTや、票田でもあるタバコ農家など、まだまだ十分な力がタバコ産業にはある。3000万人ほどの喫煙者からの私権制限批判も考慮に入れ、近い将来の非合法化の可能性はゼロだ。当面は「一箱1000円」と大きな数字をあげておいて、結局は500円あたりを落としどころにし、「まあ半分ならしょうがないか」という雰囲気に持っていくことだろう。政治家はこういうことをよくやる。これで喫煙人口の低下というたばこ規制枠組み条約の目標を達成すると同時に、税収を増やしながら医療コストを下げるという、政府にとって願ってもない状態がしばらく続く。厚生労働省研究班によると、タバコが一箱1000円になって喫煙者が80%減っても現在の税収は維持できるという。しかも「値上げが実現しても、8割の人が禁煙するのは欧米の状況を見ても想定しにくく、税収減はあり得ない」のだそうだ。エゲツない話である。逆に言えば、こういう「喫煙人口を減らしながらも税収が増える」局面だからこそ、大幅な値上げをすることを政府は躊躇しない。

2、30年後、ニコチン摂取の免許制を導入。モルヒネ同様医師の厳密な管理の下に処方されるようになる。若い世代には免許を発行せず、喫煙者の自然減を待ち、最終的にはタバコ産業の力が弱まり、喫煙者の数が選挙に影響を及ぼさないほど小さくなった段階で、免許の発行を停止する。これが半世紀ほど先の話だ。医師出身の政治家が導入し、台湾で成功させたこの政策を、ふたたび実行することになるのだろう。
posted by kaoruww at 22:50| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月23日

永作博美VS杉本彩

現在発売中の週刊現代で「嫌煙は権利かファシズムか」といういかにもオヤジ向け週刊誌らしい特集をやっている。これが中吊り画像。広告を見ただけで中になにが書いてあるのか100%わかってしまうのは、別に私が超能力者だからではなく、皆さんも同じだろう。双方の紋切り型が羅列してあるだけで、建設的な提言などなにひとつないことは明らかだから、もちろん読んでいない。この手の週刊誌に具体的な提言を求めるのは筋違いなのはわかっているが、結局は主たる読者であるおっさんにおもねた論調で商売したいだけなのに、双方の対立を煽るのだからタチが悪い。

しかしこの中吊りを見ると、大麻はスキャンダルだがタバコはOKという立場のように見える。その根拠はなんなのだろうか。医学的な面から大麻の方が悪いという主張をするのはかなり難しいので、おそらく法律を持ちだすのだろう。ならばその法律自体が喫煙習慣を減らす方向に世界的に変わることや、その条約を日本政府も批准したので実行する義務があるという事実を報道する気は……やはりないか。

たばこ規制枠組み条約(Wikipedia)

現在の趨勢から考えるに、この問題の最終的な解は決まっているのだと思う。薬物を政府の厳密なコントロール下に置き、中毒者が自ら減っていくのを長期間にわたりモニタリングするということになるのだろう。実は近代史において、日本はある薬物についてこの政策を実行し、成功させたことがある。しかしその具体的な経緯や方法についてはあまり知られていないようだ。だから書く価値もあるかと思ったのだが、この話題に触れると否応なしに日本近代史の功罪半ばするあれこれにも触れざるを得なくなり、その書き方が面倒くさいので、どうも手をつける気になれなかった。

それを書く気はまだ起きない。ただ、同じタバコの話題だからということであるエピソードを入れようと思ったのだが、どうもその部分だけ浮いてしまう。「私権制限」といった大文字の話でもないので、別エントリーとしてここに書くことにしよう。

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永作博美については当ブログにおいても過去に「奇跡のロリ顔」と書いたことがある。信じがたい37歳だ。しかし私はいつも不思議に思っていたのだ。「なぜ永作はヘビースモーカーなのに劣化しないのか」と。記念すべき「月刊」シリーズ第一号である「月刊 永作博美」でのロングインタビューにおいて永作は、「なぜ飛行機の中でタバコを吸ってはいけないのか。まわりの人たちはそれぐらい我慢すべきだ」といった話をした。おっさんの発言としてもかなりタチの悪い方だと思うが、永作はこれ以外にもたびたびヘビースモーカーであることをアピールしている。アピールするのはいいのだが、なぜ劣化しないのだろう?特に女性の薄い皮膚にはタバコのダメージは大きいはずなのだが……

喫煙者はしみやそばかすといった色素の異常が多く、口や目の周りにしわができることが多いのです。海外のある統計では、同年代の喫煙者と非喫煙者を比べても、喫煙者の方がしわが男性では2.5倍ほど多く、女性では3.1倍多いという結果があります。

お世話カンパニー 医務室すこやか健康相談
たぶん永作は乙女塾時代に不老不死の薬でも飲んだんだろう、ととりあえず結論づけておいたのだが、不思議なものは不思議である。しかし、この年来の疑問が突然氷解することとなった。それも思いがけない技術によって。

ハイビジョンでみた芸能人がヤバ過ぎるW

うわハイビジョンこえー、などとわざわざ画像を大きくして見ていたら、永作が出てきてしまった。ええー。見たくない。いや見たい。いややっぱり見たくない。こういう逡巡の末、結局見てしまうのはお約束である。

永作博美 ハイビジョン画像

私はどこかで信じていたのだ。永作だけには奇跡が起きているのだと。重篤な薬物中毒症状だって、奇跡の前では無力なのだと。私は信じていたかった。それが。

今では思う。私は池田信夫とは別の意味で地デジには反対だ。こんな真実を伝える技術ならいらない。

しかしもうひとつ驚いたことがある。杉本彩だ。

杉本彩 ハイビジョン画像

どういう40歳なのか。このまとめサイトでも不思議がられているが、そこに杉本のポリシーがわかるサイトへのリンクがあった。杉本のブログにはこうある。

さて、タバコについてですが、私の風貌は
タバコが似合うようで、「灰皿をお持ちしましょうか?」
なんて言われることも度々です。

けれど私は生まれてから一度も
タバコを吸っていたことが有りません。
勿論若い頃、興味本位で体験した事はありますし、
映画や写真集の絵の中の演出で
タバコを吸ったりはしましたけどね。

でも基本的にはタバコは大嫌い!
私が吸わないので、周りで吸って
いる人には敏感です。
タバコを吸っている女性が美肌に
なりたくて色々やっている姿はとても滑稽です。
まずは美肌には禁煙が基本でしょ!
と言いたくなります。

実を言うと私の会社の芸能部のスタッフには、
給料以外に1万円の‘禁煙手当て’を出しています。
それくらい嫌いなんですね。
ものすごい意外である。いかにも喫煙してそうなパブリックイメージだが。なるほど……

タバコを吸っているかどうかだけにこの差の原因を求めるのは科学的ではない。しかしまったく関係ないとしてしまうのも、それはそれで無理がある。

ここまで読んで「男がタバコを吸うのはいいが女は吸うなというのは差別だ」と誤読して怒る人はさすがにいないだろう。もちろんこれは「おっさんなどどうなったっていいが、女性が薬物依存によって傷つけられるのはつらい」という話である。それはそれで差別だと言われたら、しかたない。

女性の体は弱い。母体として考えた場合、避けられたはずの悲劇を自ら招くことにもなりかねない。これは女性が生まれ持った与件であるから、社会のせいにしてもはじまらない。

妊娠・出産への影響(厚生労働省の最新たばこ情報)

薬物中毒はまぎれもなく「依存症」という病気である。そしてエイズなどの治療法が確立されていない病気と違い、治すことができる。しかし依存のただなかにいる人が、自ら病院に行くことはなかなか難しいだろう。勝間和代氏も著書の中で、「友人が禁煙外来に予約を入れてあげるからと言ってくれたが、さすがにそれは恥ずかしいので自らやめた」と書いている。身のまわりにこの友人や杉本彩のような、自分のことを心から心配してくれる人がいるかどうかがカギなのかもしれない。

タバコを吸うおっさんが苛立っているのは、自分をそこまで心配してくれる人などいるわけがない、という絶望もあるからだろうか。


2011年4月25日 その後のエントリ
posted by kaoruww at 14:33| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月19日

野茂引退報道補遺

今年4月12日に書いた、野茂の1000日ぶりの復帰登板に関するエントリーへのリンクが2ちゃんに貼られ、アクセスがえらいことになっとった。どうもナイキのCMの内容について話題になっていたようだ。あの頃のことはもうけっこう忘れられているのかもしれないな。引退を報じる読売新聞の記事に、褒め称えつつも「アメリカに行く野茂にマスコミもファンもとても冷ややかだった」みたいなことが書いてあった。マスコミはその通りだが、野球ファンは「これからどうなるのか興味津々」みたいな感じでそうでもなかった。13年たち、人々の記憶が薄れているからといって、あとから事実を改竄して自分のやったことを正当化するんじゃない。恥知らずが。


あと共同通信の野茂への長めのインタビューを読んだら、ちょうど前エントリーに私が書いた推測についての質問があったので、記録しておく。

―4月に大リーグ復帰を果たしある程度納得したのか。

 「そんなことは全然ない。引退する時に悔いのない野球人生だったという人もいるが、僕の場合は悔いが残る。自分の中ではまだまだやりたい気持ちが強いが、自分の気持ちだけで中途半端にしていても周りに迷惑をかけるだけだと思った」
ここで「悔いが残る」と言うのか……この人は最後までウォリアーのままらしい。こっそりNOMOベースボールクラブで投げちゃいなYO!
posted by kaoruww at 01:32| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする