2012年01月05日

リンガーハット期待の女性向けちゃんぽん店「リンガール東京」、半年でひっそり閉店

リンガーハットが女性向け新業態を開発、1号店の池袋サンシャインシティアルタ店を開店したのは2011年6月2日のこと。

リンガーハットの女性向け新業態ちゃんぽん店 「リンガール 東京」(リンガーハット公式・魚拓)
「リンガール 東京」は、飲食業界に女性向け麺類専門店が少ないことを受け、働く女性が1人でも気軽に入れることを目指したお店です。(略)今回の新業態では「ステキがおいしい」をコンセプトに、女性を意識したメニューや店舗デザインを導入しました。メインメニューの「ちゃんPon」と「Saraうどん」はそれぞれ麺を選ぶことができ、「ちゃんPon」は3パターンの麺を選ぶことでカロリーがコントロールできます。内外装もホワイトと木目を基調にしたナチュラルなやすらぐ空間とし、女性のお客様の居心地の良い作りになっております。将来的には100店舗の出店を目指します。
 ところが12月17日あっさり閉店。23日に「リンガーハット 池袋サンシャインシティアルタ店」として再オープンした。魚拓に保存できてよかった。この魚拓の一番下にある「リンガール東京のホームページはこちら」というリンクをクリックしても、www.rin-girl.jpにはつながらず、404 File not foundになる。公式のニュース一覧にはまだリンガール関連のニュースが残っているが、唯一の店舗がなくなり公式HPにつながらないということは、女性向けちゃんぽんプロジェクトが消滅したということだろうか?スタートは華々しくてもおしまいのリリースは出さず、しれっとすっとぼけるケースは少なくない。

サンシャインシティアルタの飲食街には、喜多方ラーメン坂内、丸亀製麺、洋麺屋五右衛門、マクドナルドあたりが入っていて、学生やサラリーマン向けの店舗編集になっている。イタトマカフェが一応女性向けか。しかしリンガールほど「女性向け」に最適化してしまうと、男性客はまず来ない。カップルの場合でも男が嫌がり一緒に入りやすい店に流れてしまう。女性だらけの非日常空間・原宿あたりならなんとかなる可能性はあったのだろうか。いずれにせよ「100店舗の出店」というのは大風呂敷にもほどがあると思う。
11年05月13日の私のツイート
リンガーハット、女性向け業態「リンガール 東京」開店 http://j.mp/my5dhz リンガール…ちゃんPon…Saraうどん……なぜ女性向け業態というのは女を小馬鹿にしたようなものばかりなのか…?
「女はこういうもの喜ぶんでしょ」というマーケティングをすると、男性が来ないのは当然だが女性にまで相手にされないという残念な話であった。ところでリンガール東京という業態自体を捨てたのかどうかは結局分からずじまいだった。気になる。潰したのか継続するのか、リリースを出してほしいのだが……
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2011年12月31日

2011年qzmp blogをふりかえる

と、ふりかえっている現在、すでに年が明けて3日である。これまでは大晦日に必ずその年のまとめを書いてきたのだが、今回は更新してないのに気づいたのが23時過ぎだったので間にあわなかった。それだけブログから離れているということだろう。この更新も含めて2011年のエントリーは21回。奇しくも2010年も21回だった。月2回弱で安定しているみたいだ。

さて、2011年といえば東日本大震災、さらには福島第一原発のメルトダウンと、一生のうちでも忘れられないことが起きたが、これについてブログの方ではあまり触れていない。ツイッターで思いつくままにつぶやいていたからだ。Webに記録を残す(Log)からWeblog、短縮してblogというわけだが、日々のよしなしごとの記録はツイッターで垂れ流しているため、こちらのブログはもう少し長いものを書く場合に使うというように用途が分かれてきた。

しかしあの頃どんなことを考えていたんだろうとふりかえろうとしても、ブログにはほとんど記録がない。ツイッターのつぶやきもTwilogという形で記録されているから特に不自由はないようなものだが、もう少しまとまった記述があってもよかったかな、と今になって思う。あの頃はブログでまとまった文章を書く気もしなかったので、ないものねだりではあるのだが。


2011年に最もアクセスが多かったエントリーは、震災発生前最後の更新である3月8日「サブウェイが世界最大の飲食店チェーンになったはいいが、日本では債務超過な件」だった。こういうあまり世間に知られていない事実を伝える文章を書くのは、楽しくないこともない。文末のリンクから過去の記事もけっこう参照された。身近なことだけに、この手の話はウケがいいようだ。

原発事故以降、西日本在住者も含め日本人ならば一生続くことは間違いない食品による内部被曝の危惧、要は「低放射線との付き合い方」は、今後の外食関連記事にも影を落とすことになるのだろう。


そういうわけで、2012年も更新ペースは非常にゆっくりながら細々と続くようです。これだけ悪いことが起きたのだから、12年は静かな、穏やかな年になればいいなと思っております。
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2011年12月20日

牛丼業界の新しい挑戦者、東京チカラめしに行ってきた

居酒屋業界の売上げのピークはバブル崩壊直後の1992年、市場規模は1兆5千億円だったといわれる。
その後不景気と飲酒人口の減少を背景に緩やかに下がり続けてきた売上げは、2002年6月の道路交通法改正で飲酒運転の罰則が強化されたことにより大幅に落ち込むことになる。ハンドルキーパー運動なるものの効き目もむなしく、クルマを使って来店することが前提の郊外型居酒屋は大きく売上げを落とした。
さらに今年の震災発生後は宴会需要が大幅に減り、計画停電に営業時間の短縮とさらに追い打ちがかかった。外食業界の中でも居酒屋は特に売上げの減少が著しい。現在、居酒屋業界の売上げは1兆円を割ったとみられる。しかしそれでもオーバーストアが解消されたわけではなく、今後10年間でさらに2千億円減り、8千億円規模に縮小するというのが大方の見方だ。

タイトルと違って牛丼の話がまるで出てこないが、必要な部分なのでもう少し待ってほしい。

ここ20年で3割以上売上げが減り、今後もさらに減るのは確実という業界で企業はどのように対応しているか。ワタミは店舗を減らして、市場の拡大が続く介護事業に乗り出した。たいへん儲かっているらしく結構なことである。この事業は政府が採用する政策により業績が大きく変わるため、今後創業者は都知事選の落選など気にせず、ますます政治に近づいていくことだろう。

他業界へ進出せず、外食業界の中で事業ドメインを変えようという企業もある。都内で急速に店舗を増やす「東京チカラめし」を展開する三光マーケティングフーズがそれだ。91年に「東方見聞録」で個室居酒屋ブームを起こし、03年に株式を公開、その後デフレ環境に対応した低価格業態「金の蔵Jr.」を展開している。今年3月1日に公開されたインタビューでは「低価格居酒屋とうどんを2本柱に」と、金の蔵Jr.と丸亀製麺のパクリ業態・楽釜製麺所を中心にしていくことを明言していたが、その後「日常食業態の拡大」を強調し6月に東京チカラめしを開店、来年6月までに100店舗達成をブチあげた。

もともと東方見聞録というヒット業態がいきなり成功したわけではなく、1975年に神田駅のガード下に定食屋「三光亭」を創業、その後牛丼とカレーの店に業態転換してから居酒屋へという沿革なので、焼き牛丼とカレーを主力とする東京チカラめしは、いわば牛丼業界への再挑戦といえる。すき家・吉野家・松屋の牛丼御三家が芸のない価格競争を繰り返す不毛地帯に割って入ろうと、価格は同程度・煮るのではなく焼き牛丼という新機軸で殴りこんできたニューカマーの登場を歓迎する人は多い。「ウチの近所にもできないか」と期待している人もいるようだ。

確認になるが、当エントリの目的はB級グルメの印象批評をしたいわけではなく、多くの公開情報のひとつとしてストアコンパリゾンを行い、当該企業の市場競争力ならびに今後の企業価値の変化についての考えを述べることである。味の善し悪しと企業としての成功は全く関係ないとは言わないが、あまり関係ない。これがチェーンストアを見続けてきた私の感想だ。なにしろ脱法ばかりしている反社会的企業ゼンショーが外食業界売上げ日本一になってしまう国だ。私の食べ物の好みなど開陳しても仕方がない。

さて、この先行者利益もなければ残存者利益もない、日本で一番激しい競争が起きている血で血を洗うレッドオーシャンに、なにが悲しくて三光マーケティングフーズは殴りこんできたのか。社長の弁によると「牛丼屋は今や日本社会のインフラ」なのだという。そうかもしれない。日本人が米を好む限り回転寿司と牛丼屋はなくならないだろう。これまでどおり肉が格安で安定的に輸入できる環境が続くという前提つきでだが。しかし居酒屋の経営経験があればファストフードが経営できるというものではない。居酒屋で許されることがファストフードでは許されない。

東京チカラめしに行ってまず感じるのは、店舗オペレーションの低劣さだ。本社は人を集めていろいろがんばっているのがよくわかるのだが、それらのことも店舗段階ですべて台無しになるという状態。煮てある肉を丼に載せるから素早く提供できるわけだが、焼くとなると時間がかかる。これがネックであることは当然認識されている。開店当初、提供に10分以上かかるケースが常態化しファストフード店として完全にオペレーションが破綻している状態だったというが、先日私が行った時には3分〜4分に短縮されていた。最終的には1分以内を目指しているという。時間帯による見込み生産の精度も上がるだろうしそれはいいのだが、いかんせん商品のクオリティが低い。松屋で金属のヘラに体重を乗せて鉄板を磨いているのを見かけるが、ああいう面倒なことをしないからか粉々になった黒いコゲが肉全体にまぶされ、脂ギトギトの状態で出てきた。看板商品がこれではお話にならないだろう。

少し時間をおいてもう一度行った。ここは松屋や吉野家同様、カレーライスも出している。350円で味噌汁付きというのはまったく松屋と同じだ。注文したところ、出てきたカレーには具が全くない。なにか肉が粉々になったような痕跡はあるが、少なくとも固形物といえるようなものは一つもない。どうもメニューを見るとココイチのように具をトッピングすることを前提にしているようだ。バランス的にルーに具がない方がいいということかもしれない。しかしこの店でカレーを食べる客が比較するのはカレー専門店ではなく松屋なわけで、そこにいきなりルーのみカレーを出されるとけっこう驚く。これに関しては本社サイドの問題かもしれないが、では店舗段階でなにが起きるか。その具なしのルーがぬるい。外食でカレーを何度食べたかなど覚えているはずもないが、カレーのルーがぬるいのはさすがに初体験だった。鍋であたためっぱなしのものをご飯にかけるのが普通なわけだから、むしろどういうやり方をすればぬるいカレーを出せるのかに興味が湧く。

ストアコンパリゾンの場合、味が好みでなくても全部食べないと量に実感が湧かないから必ず全部食べることにしているが、さすがにこれは半分で席を立った。ちょっと耐えられない。私の隣の客は、店員が皿をバッシングした後にテーブルを拭かないので「ちょっとここ拭いてください」と言っている。もはやファストフード店として秒単位の精度の高いオペレーションができているかどうかをチェックするのも虚しい。

2度とも吉祥寺公園口店での話だが、不備なマニュアルがあるのだろうから特定の店舗だけレベルが低いとは考えにくい。また、仮に特定の店舗だけの問題だったとしても、チェーンストアの最低水準すらクリアできないとなるとチェーン全体に対してそういう見方になるのは仕方がない。はっきり言って、縮小を続ける居酒屋業態の穴埋めとして来年6月までに100店舗だ、再来年には300店舗だなどと言っている場合ではないと思う。財務はしっかりしているから店は借りられるし人も集まる。金さえ払えば店舗網は広げられるし、それなりに売上げも立つだろう。しかしこんなボロボロの状態で、頭打ちの売上げや下がり続ける利益水準を埋めるために出店していたら、開店当初の物珍しさと期待はすぐになくなり、前年割れの不振チェーン店ができるだけだ。


厳しいことを書いたが、価格競争ばかりでお客もうんざりしている牛丼業界に焼き牛丼という新機軸を持ち込んだことで、新しい競争を起こしたことは評価している。同じ土俵で勝負し埋没する愚を避け、弱者の戦略を採用したのは賢明だった。しかし6月に東京チカラめしが開店した後、松屋は9月に「ネギ塩豚カルビ丼」を発売。さらに吉野家が12月に従来の煮る豚丼を廃止し「焼味豚丼 十勝仕立て」を投入。さっそく同質化競争による企業防衛をはじめている。だから呑気に構えてもいられないが、かといってデタラメなオペレーションのまま店舗を増やすのは自滅への一本道である。店舗での作業の見直し、トレーナーの確保、メニューの手直し等々多くの施策が求められるが、3強の中に割って入ることができるかどうかは今後にかかっている。

結論としては、三光マーケティングフーズの「日常食業態の拡大」路線の成否は不透明。現在株主でない人は手出しせず、既存株主には慎重にウォッチ継続を勧める。



<追記>三光マーケティングフーズに関しては自己資本比率75.0%と、ゼンショーの15.6%とは比べものにならないほど財務体質が良く、PBR1倍割れでもあり、あまり冒険的な出店をしない限り株価の下値は知れているともいえる。問題はすき家を展開するゼンショーだ。M&Aで規模を拡大し有利子負債を積み上げてきたゼンショーは、金利が上昇すれば利払いは増え、財務を充実させようと増資をすれば株式の希薄化で株価は下がるという隘路に陥っている。徹底した独裁制を敷く創業者は独裁者のご多分に漏れず身内しか信用できず、1977年生まれの息子を取締役に引き上げ、ますます北朝鮮化が進んでいる。今後予想されるゼンショーの転落については、また改めて書く機会もあろう。
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2011年10月21日

カダフィ大佐42年の独裁政権に幕

リビアで42年独裁政権を維持していたカダフィ大佐が反政府勢力によって殺害された。

リビアのカダフィ大佐が死亡、拘束時に負傷=国民評議会当局者(朝日)
[シルト(リビア) 20日 ロイター] リビア暫定統治機構の国民評議会(NTC)当局者は20日、元最高指導者のカダフィ大佐が、拘束時に受けた負傷によりシルト近郊で死亡したと明らかにした。
 NTCのAbdel Majid氏は、ロイターに対し「カダフィ支援部隊に対し激しい銃撃が加えられ、大佐は死亡した。カダフィ大佐は頭部も負傷していた」と述べた。
 同氏はこれより先、大佐の身柄が拘束されたとし、大佐はNATOの戦闘機による攻撃から逃れようとした際、両脚を負傷したと話していた。
 同氏の発言について、正式な確認は取れていない。
 NTCの兵士によると、大佐は地下に潜伏していたところを押さえられ、捉えられた際、射殺しないよう求めたという。
 NTCのMohamed Abdel氏はロイターに対し「大佐の遺体は、安全上の理由から極秘の場所に搬送中だ」と述べた。

この直前、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官がリビアを訪問している。
クリントン長官がトリポリ電撃訪問 反カダフィ派議長と会談(産経)
【カイロ=大内清】米国のクリントン国務長官は18日、リビアの首都トリポリを電撃訪問し、反カダフィ派代表組織「国民評議会」トップのアブドルジャリル議長らと会談、今後の政権移行プロセスなどについて協議した。クリントン長官のトリポリ入りは8月下旬のカダフィ政権崩壊後初めてで、米国としてはこれまでで最もハイレベルな高官の訪問。

 ロイター通信などによると、クリントン長官は地中海のマルタ経由で到着後、「評議会はリビア国民に対し、民主的な政権移行や法の支配の確立に真剣だと示す必要がある」と語った。

 米国は、内戦中にリビア国内で大量の武器が出回ったことを懸念。特に、カダフィ政権が旧ソ連などから購入した携行式地対空ミサイルが国際テロ組織アルカーイダ系武装勢力などの手に渡ることを強く警戒しており、会談では兵器管理や武器回収の支援策なども協議されたとみられる。

 一方、全土の制圧を進めている反カダフィ派部隊は17日、カダフィ派部隊が抵抗を続けていたトリポリ南方のバニワリードを制圧した。これにより、カダフィ派部隊が残存する都市は、カダフィ大佐の故郷である中部シルトのみとなった。

ヒラリーはすぐにリビアを離れ、すでに制圧済みのアフガニスタンに向かった。
クリントン米国務長官、アフガン電撃訪問 大統領と会談(CNN)
カブール(CNN) クリントン米国務長官は19日、前日のリビアに続きアフガニスタンを予告なしに訪問した。

米国務省によれば、クリントン長官は20日にアフガニスタンのカルザイ大統領と会談、米国のアフガニスタンに対する支援の姿勢を示す予定だ。会談では、アフガニスタンとパキスタンの関係についても話し合われると見られる。

アフガニスタンでは、駐留米軍が完全撤退する2014年末に向け、北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)からアフガン側への治安権限移譲プロセスが進められている。

米国務省によれば、マーク・グロスマン特別代表(アフガニスタン・パキスタン担当)もこの地域を訪問中だ。

ここで記者からインタビューを受けている時、カダフィ拘束の報告を受けた。その時の模様がカメラに収められている。
ヒラリー長官「ワーオ!」カダフィ大佐死亡の報に(テレビ朝日)
 カダフィ大佐の死亡を受け、オバマ大統領は、NATO=北大西洋条約機構による軍事作戦が功を奏したと強調しました。

 8カ月前、NATOの空爆にアメリカが参加することを決断した時、野党から「新しい戦争を始めるのか」と厳しい非難を受けました。それだけに、カダフィ大佐の殺害はオバマ政権にとっても大きな成果といえます。
 オバマ米大統領:「明らかにNATOの作戦が非常に効率的に遂行された」
 今週、リビアを電撃訪問したクリントン国務長官は、訪問先のアフガニスタンで知らせを聞きました。
 クリントン国務長官:「ワーオ!」
 東京にあるリビア大使館には以前、カダフィ政権を象徴する旗やプレートがありましたが、現在はすべて取り外されています。
 駐日リビア大使館・オウン臨時代理大使:「(カダフィ大佐拘束の一報は)私を含め、全リビア人が待ち望んだ喜びの瞬間でした」
 在日本リビア大使はこのように話し、今後の日本からの協力に期待を示しました。

驚きというよりは確認という感じだ。
カダフィはパンナム機爆破事件のこともあり、アメリカが「国家の敵」と認定していた時期があった。その後宥和路線を取ることになったが、アメリカはどういう決着の仕方を望んでいたのだろうか。結果としてはパナマのノリエガのように裁判にかけるコースではなく、現地人によって殺害されるというルーマニアのチャウシェスクコースとなった。(余談だがノリエガが現在フランスの刑務所にいることを知って驚いている)


ヒラリーはアフガンの次にパキスタンを訪れている。パキスタンに拠点を置きアフガン情勢を混乱させているアルカイダをもっと厳しく取り締まれとねじを巻くのが目的だ。要は今回の中東歴訪は、訪問時点で形勢が決まっていたリビアが目的ではなく、アフガニスタンから米軍を撤退させるための根回しが主眼だったのだろう。単にリビアの独裁者の殺害過程を確認するだけなら、今年5月のアルカイダのトップであるウサマ・ビン・ラディン殺害の時同様、アメリカ兵のヘルメットにカメラを付けてホワイトハウスで生中継を観れば済むことだからだ。

Obama watched Bin Laden die on live video as shoot-out beamed to White House(dailymail)
ビンラディン殺害の一部始終をオバマ大統領が「衛星生中継」で見ていた(ニュー速VIPブログ)

こんなホワイトハウスの状況をよくカメラマンに撮らせているものだと思うが、こういう写真も公文書同様、後世に記録として残すのが政府の義務だという認識があるのかもしれない。


この一連の動きは次にシリア、最終目的地はイランということになる。アメリカが急いでいるのはイランが長距離ミサイルと核兵器を同時に持つ前に政権を転覆する必要があるからだが、核開発が成功するしないにかかわらず、イランに手をつけた段階でイスラエルが巻き込まれる可能性が高い。そうなるとほぼ自動的に第五次中東戦争になってしまう。きたるべき欧米の大不況は、数年後に砂漠に流れる大量の血を求めるのだろう。


<追記 11年12月12日>ノリエガ服役囚がパナマに22年ぶり帰国、フランスから移送(ロイター)
[パナマ市 12日 ロイター] 1980年代にパナマで軍事独裁政権を率いたノリエガ服役囚(77)が12日、収監されていたフランスから約22年ぶりに祖国へ帰国した。母国では、在任中の政敵殺害に関与した罪で禁錮20年の刑に服すことになる。

パリの刑務所を出発したノリエガ服役囚は、現地時間11日午前7時30分ごろ、民間機に搭乗。スペイン・マドリードを経由し、パナマ時間の11日夜に帰国した。同服役囚にはパナマの司法長官と医師が同行している。

ノリエガ服役囚は海外で服役中、パナマで複数の殺人罪で有罪判決を受け、禁錮20年の刑に処されることになるが、高齢のため自宅軟禁になる可能性もあるという。

ノリエガ服役囚は1989年に米軍によるパナマ侵攻後に逮捕され、米フロリダ州の刑務所で服役後、在任中に麻薬密売やマネーロンダリング(資金洗浄)を行った罪でパリの刑務所に収監されていた。
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2011年09月13日

11-09-13

ヨーロッパからアメリカに資金逃避が起きてるんだから、アメリカの被害は知れている。ユーロ圏限定の金融恐慌で済むんじゃないか、というのが今日の時点での予測。多少希望的観測が入ってるのは認める。

数年後に「微妙な時点でどうジャッジしていたか」を読み返すエントリを残しておきます。
posted by kaoruww at 02:47| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月09日

東京都がとしまえんを買収し、防災公園化の意向を示す

「としまえん」が都立公園に 10年以内に着手へ 西武ホールディングスは「売却する予定ない」(産経)
 東京都は9日、西武グループが運営する遊園地「としまえん」(練馬区)の敷地など約22ヘクタールを買収し、防災機能を持った都立公園として整備する方針を明らかにした。16日公表の「都市計画公園・緑地の整備方針」の改定案に盛り込む。10年以内の事業認可を目指し、西武側とも交渉を進めていくという。

 都建設局は「交渉次第だが、遊園地が存在したままの公園化は困難」としており、都立公園化には遊園地の閉園が前提となる見通しを示した。買収費用は算定していないとしている。

 都によると、「としまえん」の敷地は、昭和32年段階で「練馬城址公園」として、都市計画決定されていたが、事業化には着手していなかった。これまでに都が都市計画決定したケースで未着手のものがなくなったことから、「としまえん」の公園化に乗り出すことになった。10年以内に国土交通相の事業認可を得て、事業化を進める考え。

 「としまえん」はすでに災害時の避難場所にも指定されているが、都は「都立公園になれば、永続的な避難場所として管理できる」と説明している。

 西武グループの持ち株会社西武ホールディングスによると、「都から詳細な内容は何も聞いておらず、現状でとしまえんを売却する予定はない。今までと変わらずも営業を続ける」とコメントしている。

すでに堤家の手を離れた西武鉄道だが、西武と東京都には土地をめぐって因縁がある。04年10月に目黒区の国立科学博物館付属自然教育園に行った時に書いたエントリから引用する。
庭園美術館と自然教育園は放っておいたら今ごろは白金台プリンスホテルになっていた所である。

猪瀬直樹の「ミカドの肖像」に詳しいが、近頃表舞台から消える事になった堤義明の父、康次郎が終戦直後のドサクサにまぎれて財産税で苦しむ皇族に近づき、実務を取り仕切る執事に将来の保障をする事と引き換えに二束三文で手に入れた土地だ。しかし住民運動によりホテル建設を防ぎ、昭和57年3月に都が138億円で買い上げた。
当時税金の無駄遣いとの批判も強かったのだが、それはやはり正しい判断だったのだと思う。
結局得したのは都民の税金を合法的に手に入れた西武なのだが。

旧皇族朝香宮家が1947年に皇籍離脱するまで過ごした朝香宮邸は、吉田茂が外務大臣公邸として利用したあと1950年に西武鉄道に払い下げられた。

旧李王家邸を赤坂プリンスホテルに、旧竹田宮邸を高輪プリンス、旧北白川宮邸を新高輪プリンスにと、手に入れた旧皇族の土地に次々とホテルを建て、皇族ブランドを「プリンス」の名称と菊の御紋をデザイン化したロゴマークで商業利用してきた西武鉄道。手に入れた朝香宮邸に茂る雑木林を潰してホテルを建設する計画を発表すると激しい反対運動が起き、結局都が買い上げたという経緯がある。

今回ふって湧いたようなとしまえんの公園化計画。東京近郊の遊園地は少子化のあおりを受け02年向ヶ丘遊園、09年多摩テックと閉園が続いている。としまえんも入場者数が減り、累積損失解消のために関連企業の再編をしたりと苦しい状況にある。売却金額は数百億円にのぼるとみられており、西武鉄道に投融資している企業・銀行にとってはありがたい話だろう。

ただこれだけの規模の話だと、たとえ震災後の「防災エリア拡充」という錦の御旗があったとしても十分な精査が必要なのは当然だ。なにしろとしまえんは現時点でも災害時の避難場所に指定されている上、北には光が丘公園・東に都立城北中央公園・西に石神井公園がある。

大きな地図で見る

記事にある「昭和32年段階で「練馬城址公園」として、都市計画決定されていたが、事業化には着手していなかった。これまでに都が都市計画決定したケースで未着手のものがなくなったことから、「としまえん」の公園化に乗り出すことになった」という理由もどうなのか。54年前の計画策定後に巨大団地・光が丘団地が整備され、見ての通りとしまえんの敷地よりも広大な光が丘公園ができたにもかかわらず、そのすぐそばにさらに都立公園が必要かという疑問はあるだろう。「永続的な避難場所として管理できる」ことを理由に数百億を費やすことが妥当かという議論は必要だし、より費用対効果の高い防災計画はないのか模索する必要もある。

いずれにせよまだ交渉が始まっていない段階だ。注目しておきたい。


<補遺>
・07年4月1日、プリンスホテルは堤時代の皇室ブランドを利用してきた過去と決別するかのようにロゴマークを変えた。
プリンスホテル 新ロゴマークを発表

・旧朝香宮邸の東京都庭園美術館はリニューアル工事のため11月1日より約2年間休館となる。そこで10月6日から30日まで、朝香宮邸の建物に焦点を絞った展覧会「アール・デコの館」を開催する。ふだん公開される機会の少ない部屋も観ることができるようだ。
東京都庭園美術館建物公開「アール・デコの館」
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2011年07月29日

日本最速ピッチャー・伊良部秀輝死去

元ヤンキースの伊良部さん死亡 ロス近郊の自宅で(朝日)
 プロ野球のロッテ、阪神や米大リーグのヤンキースなどで活躍した伊良部秀輝さん(42)が27日、自宅のあるカリフォルニア州ロサンゼルス近郊で亡くなっていることがわかった。ロサンゼルス捜査当局によると、伊良部さんは自宅で首をつった状態で見つかっており、死因は自殺と見られている。

 伊良部さんは、1987年のドラフト1位指名で尽誠学園高(香川)からロッテに入団。1997年から大リーグのヤンキース、エクスポズ、レンジャーズでプレーし、2003年に阪神に入団。04年を最後にプレーをしていなかった。通算成績は、日本のプロ野球は72勝69敗11セーブ、大リーグは34勝35敗16セーブ。
ロッテ時代からトラブルの多い選手だったが、ヤンキースへの移籍騒動の時に「生き別れになった父親をアメリカに探しに行きたいのでは」とのストーリーを作ろうとした取材陣と決定的に対立、日米の移籍ルールが確立していなかったこともあり野茂の時と同様、マスコミはロッテべったりのスタンスで徹底的に伊良部を叩いた。

鳴り物入りで入団したヤンキースでもマスコミとうまくいかず「獲得は失敗だった」と批判されたものの、実際の成績はそう悪いものではない。1年目こそ5勝どまりだったが2年目13勝・3年目11勝と、ヤンキースの2年連続ワールドチャンピオンに十分貢献している。アジア人初のチャンピオンリングを獲得したのが伊良部であることはもっと知られていてもいいだろう。ただし2個のチャンピオンリングを持ちながらもワールドシリーズでの登板機会がなかったあたりは、成功しきれなかった伊良部の人生をどこか象徴しているようでもある。

その後モントリオール・エクスポズ、テキサス・レンジャーズ、阪神と渡り歩き引退。グリーンカードを取得しロサンゼルスで「SUPER UDON」を開業。「伊良部がうどん屋に!?」と一部で話題になる。開店当初はそこそこの人気店だったようだ。07年に大阪のバーで店舗を破壊、マスターに暴行して現行犯逮捕されたが不起訴に。TBSの「波瀾万丈ドキュメント 俺たちはプロ野球選手だった…!」に出演、引退後初めてメディアに顔を出しうどん屋の店内を公開。この時のことをちょっと書いていた。野茂ファンではあるが伊良部ファンというわけではなく、なぜこんなに引退後の伊良部に興味を持っていたのか我ながらよくわからない。結局このSUPER UDONも閉店。この頃のWikipediaには「自らレシピを吟味し厨房にも立ったが、飽きてしまい閉店した」と書かれていた。もうちょっと書きようがあると思うのだが。

09年8月、四国・九州アイランドリーグで現役復帰。しかし翌9月に右手首腱鞘炎で全治3週間の診断を受け、伊良部側の希望により退団。2度目の引退を表明した。そして10年5月に酒気帯び運転によりロサンゼルス郊外で逮捕。これ以降、伊良部をメディアで見る機会はなかった。

あり余る才能を持ちながら最後は首吊り自殺ではやりきれない。センシティブで人づきあいが下手な、日本最速ピッチャーの冥福を祈る。
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2011年07月27日

自衛隊広報誌「MAMOR」

自衛隊の月刊広報誌「セキュリタリアン」が休刊になったのは聞いていたが、その後継誌が出版されているとは知らなかった。

財団法人防衛弘済会が発行していたセキュリタリアン(Wikipedia)は、一般国民向け広報誌として女性タレントをグラビアに起用したり、なぜか声優のインタビューを掲載したりで、「もしかして自衛隊ってけっこうオタク臭いのでは…?」と今ではわりと一般的になった認識を作るきっかけとなった雑誌である。

しかしこの雑誌は随意契約見直しの動きにあわせて06年9月号で休刊してしまう。しかし時をおかず早くも11月に扶桑社から「MamoR(マモル)創刊準備号」が発売された。

MamoR.jpg

俯瞰で写した戦闘機にコクピットをレイアウト。巻頭特集として大きく「テロとの闘い」を打ち出した。なかなか硬派な雑誌としてスタートしたわけだ。

翌07年3月にタイトルを大文字にして変更して「MAMOR」創刊。本格的に月刊誌としてのスタートを切った。
しかしここからいきなり日和る、もとい一般向けに柔らかくなる。グラビアアイドルが自衛官のコスプレをして自衛隊施設で撮影するという巻頭グラビアコーナー「防人(さきもり)たちの女神」が創刊号から始まった。Wikipediaに一覧があったが、創刊号が夏川純だったりなぜか一回だけ男性(徳重聡)が登場したりとツッコミどころもあるものの、その時々の人気グラビアアイドルを総ナメといった感じの錚々たるメンツである。

その他の連載も女性自衛官を紹介するコーナーや基地・駐屯地周辺の飲食店紹介など、全体的に男性自衛官のリクルーティングに力点を置いたような内容になっている。いや、それはそれで広報誌の重要な役割なのだから別に問題はないのだ。しかし現在発売中の11年9月号の表紙・グラビアに起用された西田麻衣はちょっとエロすぎやしないだろうか。

まいぷりん.jpg

自衛官の制服を着て自衛隊施設内で撮影しているのだから、「こういう自衛官もいるのかー」とボンクラ諸君から思われても仕方ないではないか。こんなおっぱいでは戦闘などできないんだ、現実を見たまえと言っても彼らは納得しないはずだ。なぜこんな誤解を招く表紙にするのだ。しかも巻頭グラビアまで載っているという。まったくけしからん。この雑誌、本屋で見かけたことがない。やむを得ずどこで売ってるのか確認してみるつもりだ。
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2011年07月15日

東穀取と東工取の統合が白紙撤回。呆れた。

東工取と東穀取、統合白紙に=コメ先物上場で−総合取引所構想に影響も(時事通信)
 東京穀物商品取引所は15日、東京工業品取引所との市場統合を白紙撤回する方針を決めた。8月8日に取引を開始するコメ先物の試験上場期間(2年間)は、東穀取が市場を管理する必要があると判断。東工取もこれを了承した。両取引所は19日の取締役会で正式決定する。
 これにより、国内では少なくとも今後2年間、両取引所が併存することになる。商品先物や株式など金融商品を一体的に取り扱う総合取引所創設という政府方針に水を差しかねない。(2011/07/15-18:37)
いったい何をしたいんだこいつら。もう東穀取のビルは三菱地所に33億円で叩き売って取り壊しが始まっている。つまりこういうことか。

コメ先物が試験上場されている2年間は、東穀取にいる農水省天下り役員は報酬を得ることができる。肩書きもある。取引所自体は赤字を垂れ流していてもだ。つまり、農水省天下り役員延命のためにコメ先物の上場を認可→コメ先物がどうなろうと2年は安泰→コメ先物は失敗→農協・農水省の利権は維持→2年後役員は退職金を得て、東穀取は東工取に押しつけ、ということか。

結局、業界念願のコメ先物上場は農水省の天下り先を2年延命させるために利用されるにすぎない。農水省としては成功されたら困るのだからコメ先物が失敗するように天下り東穀取役員も動く。コメ先物取引開始前倒しはその一環。取引所ビルも売り飛ばしたことだし、あとは東工取に吸収されるまでの2年間で東穀取の財産をどうフトコロに突っこむか考えるだけだ。

アジアの商品価格の決定権はこうして中国に奪われた、と記録には残るのだろう。代々利益を貪って商品市場を腐らせた農水省の天下り官僚たちの名は残るまい。なにが食料安全保障だ。農業を保護すると称して競争力を失わせ、意欲ある新規参入者を妨害・排除し、農水省の権益ばかり漁ってきたあげく最後にこれだ。長い歴史を持ち、公器である取引所が行き詰って潰れる瞬間まで血を啜り続ける。吸血ダニによって国民の食の基盤は弱体化させられたにもかかわらず、そのダニは自給率向上キャンペーンとやらを税金を使って展開、国民に説教しているわけだ。国産品を食べない輩は非国民だと。

「正義」だ「愛国」だと唱えながら国家に寄生する下賤な者たちが、農業という国家の基盤を支配している。いや農業ばかりではない。怒りを隠すのが大人の態度だというのは間違いだ。怒らないからあらゆる場面で好き放題にされていることを自覚すべきだと私は思う。


<追記>
ツイッターで上記の内容をもっと手短に書いたのでそれを付記しておく。穿った見方であることは承知しているが、巷間言われているような「天下り先の東穀取生き残りのため農水省が動いた」というストーリーは単純すぎる。全国の商品取引所が消滅している中で赤字の東穀取が生き残れるなどと思っているわけがない。

おれ自身はもっと陰謀論寄りというか、商品市場の爆縮と総合取引所構想により、農水省は東穀取の存続を諦めたのだと判断している。取引所ビルを売り飛ばしたのは状況証拠の一つ。コメ先物試験上場の2年の間に東穀取の資産を農水省系外郭団体に流すのではないかと睨んでいる。
農水省・農協は権力の源泉である米価の価格決定力維持のためにコメ先物に強硬に反対しているのだから、たった一つの天下り先である東穀取の存続のためにコメ先物の成功を目指すはずもない。むしろ失敗を望んでいる。
つまり総合取引所設立の先送りと東穀取の資産処分の時間稼ぎに試験上場制度を利用(悪用)した、という見方をしている。取引開始時期の前倒しも直接の動機はどうあれ間違いなく拙速だ。成功を目指すと口では言いながらやってることは逆効果。何を言うかではなく何をしているかを見るべきだと思う。
posted by kaoruww at 23:04| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月13日

コメ先物取引開始が8月8日に前倒しに

7月1日の当ブログで、コメ先物が試験上場し9月20日取引開始予定と書いたが、急遽8月8日に前倒しされた。

コメ先物、来月8日開始=東穀取、関西商取(時事通信)
 東京穀物商品取引所と関西商品取引所は12日、農林水産省の試験上場認可を受けたコメ先物取引を8月8日に開始する方針を決めた。近く機関決定した上で、正式に発表する。これにより、国内で72年ぶりにコメ先物が復活する。
 両取引所は、取引システムの準備や関係者への情報周知に時間が必要などとして、認可を受けた時点では9月20日開始の方針だった。しかし、活発な取引を実現するには、スタートを今年産米の収穫最盛期に間に合わせることが必要との姿勢に傾いた。(2011/07/12-08:30)

取引開始まで1ヶ月もない。「取引システムの準備や関係者への情報周知に時間が必要」だったはずがなぜ突然「スタートを今年産米の収穫最盛期に間に合わせることが必要」に変わったのか。ほんの10日ほど前まではいつ収穫されるか知らなかったのだろうか。奇妙な話である。まさか8月8日がお米の日(Wikipedia)だからではないだろう。1730年に江戸幕府が世界初の先物取引市場である大坂・堂島で取引許可を出した日本商品市場の象徴が、太平洋戦争突入前の1939年に軍部による統制経済の強要により潰されてから72年ぶりに復活するのだ。決して失敗できない悲願のコメ先物を、「米という字は分解すると八十八になるから」なんて理由で制定された記念日に合わせて始めるなんて正気では考えられないから。

なにしろ時間がない。制度の詳細もまだ確定していないのに20数日後に生産者や卸問屋がヘッジのために大挙取引を始めるものだろうか。当初開始予定の9月20日ですら難しいだろう。先物取引銘柄は「小さく生んで大きく育てる」などというものではない。市場参加者は「取引が活発だから取引する」のであって、流動性の低い銘柄を値の飛ぶリスク覚悟でわざわざ取引したりはしないのだ。特に当業者はリスクヘッジのために先物取引を利用するのだから、先物を使ったために余計リスクが増えるようなら取引するはずもない。だからこそ最初が肝心なわけで、広報や関係業界への根回しを十分に行なった上で満を持してスタートするのが当然なのだ。時間稼ぎのために先送りするならまだしも前倒しするとは、本当にどうしたわけだろう?監督官庁からの要請とかならまだわかるが(それならそれで大いに問題だけれど)、取引所は「収穫最盛期に間に合わせるため云々」と言っているわけで、自発的に前倒しにしたというのだ。わけがわからない。

第一、コメ先物は価格決定権を奪われたくない農協・農林水産省から目の敵にされているのだ。早速農協のプロパガンダを担当する新聞は、反コメ先物キャンペーンを開始し、あることないこと書いた記事を掲載、2年後の本上場徹底阻止の構えを見せている。しかしどこからツッコんだらいいのか迷うようなひどい文章だ。たかだかこれまでどおり政府からのつかみ金が欲しいだけなのに、よくも「正義の戦い」なんてことが言えたものだ。「正義」という言葉を臆面もなく振りかざすような輩には最大級の警戒をするのが世間知というものだが、この知恵は正しいと改めて確信させられた。

こんなプロパガンダだけではない。コメ先物を失敗させるにはどうすればいいだろうか。卑怯かつ姑息な連中ならきっとこうするだろう。先物価格をを釣り上げ「ほら、主食が投機の餌食になって皆さんが食べるお米の値段が上がりましたよ。けしからんでしょう。こんなことやめさせましょう」と。コメ流通の6割を占める農協は巨大なインサイダーとして先物市場にどういう形で関わることを許されるのだろうか。農林中金の金がどこかを経由して仕手筋になることを防ぐ方策はあるのだろうか。これらのことが現時点ではなにひとつわからないのである。そしてあと1ヶ月にも満たないうちに取引は始まるのだ。

コメ先物市場の成否が判るのにそう時間はかからない。取引開始からせいぜい1ヶ月もすればわかる。もっといえば8月中にはわかるだろう。軍国主義に潰された主食の自由な売買が、21世紀も始まってからかなり過ぎてようやく復活する。たいへんな難産だったし、上場までこぎつけた関係各位のご努力に大いに敬意を表する。しかし、極めて残念なことながら、この待望の赤ん坊は生まれた途端に死んでしまうのではないだろうか。立ち上がることもできない赤ちゃんをを総力を上げて殺そうとする勢力がある。その力は政治力・資金力ともに強大だ。商品市場関係者がよほどうまく守らなければ、コメ利権共同体によってあっという間に殺されてしまうだろう。風前の灯の商品先物業界にそれだけの知恵と人が残っているだろうか。取引開始の前倒しというニュースに接し、不安は高まるばかりだ。
posted by kaoruww at 23:57| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月10日

さすがに夏ともなるとラーメン屋もすいてますね

昨日梅雨が明けていよいよ夏本番。なんだか体がだるいのは早くも夏バテなのだろうか。

今日は昼間の強い日差しを避け、多少気温が下がった夕方サイクリングに行ってみた。意外と風は爽やかだ。通りかかったいつも行列の絶えないラーメン二郎には誰も並んでいない。衝動的に入店。並んで物を食うのが大嫌いなため一度も入ったことがなかったが、今日が二郎童貞喪失の日になるとは直前まで想像もしなかった。人生わからないものである。

店の中にもウェイティングなし。空いてる席があるので座る。小ラーメン(二郎では基本サイズ)の食券をカウンターに置くも目の前のおにいちゃん無反応。あれっ?後から入ってきたお客、カウンターの席が空いてるのにウェイティングの席に座る。あれっ?おにいちゃん「この食券まだ受けつけてませんでしたっけ?」と訊いてくる。「えっ、あ、はい」と答える。いきなり座るのはまずかったのだろうか。ネットでさんざんマシマシの呪文だのロットがどうだのといった話を読んでいるから疑心暗鬼になっているのだ。まあ特に問題はなかったんだけど。

初めての二郎だしあまり変わったことはするまいと700円の基本のラーメンに呪文も唱えず、「ニンニク多めに」とだけ言って出てきたのがこちら。画像をクリックすると無駄に大きくなります。  

jiro.JPG


カウンターに置かれたどんぶりを手元に持ってくる段階ですでに手のひらは脂でベタベタ。見た目の量以上のハイカロリーぶりが伺える。「いけんのか?」と一抹の不安がよぎるが、ゴチャゴチャ考える前に食うしかないと決意。この「余計なことを考えず喰らい続ける」という状態そのものが、二郎を好む人々にとっての魅力ではなかろうか。迷いの多い日常ではなかなか得ることのできない没我の境地を楽しんでいることが、カウンターに並ぶ無言の一人客たちから感じ取れた。(全員男でした)

味その他は巷間伝えられているとおりなので略。たしかに麺が独特。かなり茶色くて、ちょっと武蔵野うどんを彷彿とさせる色だ。野菜もいっぱい食べられるし、脂ギトギトでさえなければけっこう好きかもしれない。もともと肉を食べる時でも脂身はよける方なので、量よりも脂がキツかった。でも脂ギトギトでなければ二郎ではないだろうしなあ。

そういうわけで「出されたものは全部食べる」という悪癖により脂身とスープ以外は残さず食べたが、脂の塊が表面を覆うスープを完飲している人も多く、そういやラーメン評論家で死んだ人いたよな、と不吉なことを思い出した次第。黒Tシャツと白タオルを頭に巻いた「こだわりのラーメン屋」に足しげく通うラーメンオタクたちの健康を祈る。
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2011年07月01日

コメ先物試験上場認可

本日7月1日、コメ先物の試験上場が認可された。

農水省、コメ先物の試験上場認可 指標価格に期待も(日経)

価格決定権を奪われたくない農協と歩調を合わせて反対している農水省が認可するとは正直意外だったが、よほど経済に害をなす銘柄以外は基本的に上場OKという試験上場という仕組みがある以上、抗しきれなかったなかったのだろうか。2年限定の試験上場だから正式上場にはさせないという言い訳もできる。リンク先にもあるがコメの出荷・販売の6割を占める農協も、ここからが妨害の腕の見せどころということだろう。

9月20日開始予定。ついに1939年に廃止されて以来72年ぶりに主食用国産米を対象にした先物取引が復活する。1枚100俵で呼値は1俵(60kg)だから倍率は100倍。連続6限月制で標準品は関東産コシヒカリ。取引時間は9時から15時半、夜間取引が17時から19時。2年の間に十分な流動性を持った商品に育てる必要がある。米相場から身を起こした山崎種二が創業したヤマタネグループも今や自己売買しかやらなくなってしまったが、ここはひとつ日本商品市場復興の起爆剤にするためにも是非頑張っていただきたい。正式採用された暁には山種も草葉の陰で歓ぶに違いないから。

崖っぷちまで追いつめられた商品先物市場に、何年ぶりかのいいニュースである。成功を祈る。


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野口 悠紀雄

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2011年04月25日

昔のエントリをアップデートするつもりが結局放射能の話になってしまった件

このようなノンジャンルのごった煮ブログをやっていると、何を理由に読者がやってくるのか見当がつかない。

昨日の22時台に突然アクセスが増えた。検索ワードは永作博美に関するものばかり。フルネームで検索するとGoogleでもYahoo!でも1ページ目に当ブログの3年前のエントリが出てきてしまうのだ。人気女優なのだから良心的なファンサイトだっていくらでもあるだろうに、どういうアルゴリズムでこうなってしまうのだろう。なんだか申し訳ない気持ちである。

しかしテレビ出演が理由なら数時間で落ち着くはずなのに、今日は一日中「永作博美」で検索されっぱなしでアクセスが落ちない。なぜだろうと探ってみると、どうやら昨日のTV出演時の永作のルックスに大きな変化があったことが話題になっているらしい。

永作博美(40)がついに老けはじめましたorz(ニュー速クオリティ)

3年前のエントリで、37歳にして奇跡のロリ顔と評したあの永作が四十路にしてついに…ということか。まとめサイトに出ていた画像がこちら。
永作1.jpg

これを単独で見た場合、「ショートが似あってて素敵じゃない」という人も多いのではないだろうか。それはそうなのだが、時系列で見ると残念な事実がわかる。3年前の画像と今回のアップを並べてみよう。

永作3年前.jpg
永作2.jpg


あえて小さなサムネイルを掲載した。いくら見た目が仕事の一部で人からあれこれ言われるのが宿命とはいえ、大きな画像を使うのは気が引ける。画像をクリックして拡大するのは控えていただきたいものだ。

3年前の画像には典型的なスモーカーズフェイスの特徴が表れているのがわかる。有害物質が活性酸素を大量に発生させることにより細胞を傷つけ、シワが増え顔色がくすむ。化粧で目立たないようにしようとすると肌の透明感がなくなる。特に目の下の涙袋が血行障害で黒ずんでいるのが目立っていた。

それが今回、その周辺を念入りにあれやこれやしたことにより、一気に全体が不自然になってしまったとみられる。「去年出産した影響でガクッときたのだ」と主張する向きもあるが、出産を経て逆に若返るような女性もいるわけで、それを一般化するのは無理があるだろう。

それよりも妊娠初期に葉酸が十分足りていたかどうかが心配だ。わずかに増えた放射性物質と妊娠初期の喫煙、どちらが赤ちゃんに与えるダメージが大きいのだろう。どちらも危険だしケースバイケースだが、日本中が大騒ぎになる放射能と違い、あまり知識が行き渡っていないのが葉酸不足の恐ろしいところだ。妊娠したのに気づいてからたばこをやめたのではもう手遅れという事実をどれだけの女性が知っているだろうか。妊娠の可能性のある女性の皆さんにおかれては、ベクレルやシーベルトといった言葉を覚えるのも大事なことだが、それ以上に、避けられる不幸を自ら招かぬように十分な知識を得てほしいと心から願う。
posted by kaoruww at 23:59| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月15日

NTTがネットバクチから撤退

NTTグループの金融取引業者NTTスマートトレードが、6月30日をもってFX事業を終了すると発表した。ネットを通じたFX取引を主力としていたが、過当競争による手数料の落ち込みにより事業継続を断念したと。 

外国為替証拠金取引(FX)事業の終了について

08年4月7日にこの会社について書いた。NTTがネットバクチの胴元なんかやるんじゃない、という話。このころはNTTレゾナント60%・NTTファイナンス40%が出資していたのだが、いつの間にかレゾナントの親会社であるNTTコミュニケーションズ(NTTコム)の100%子会社になっていた。gooからOCNの直轄になった理由は不明。

ギャンブルビジネスの経営は難しい。なにしろ多くのお客は損するのだし、それでも気分よく帰してまた来てもらわなければいけない。サービス業としてかなりのノウハウとホスピタリティを求められる商売だ。役人が経営するカジノに行きたいと思う客がいるだろうか?役人の独占事業である競馬・競輪・競艇・オートレースですら延々右肩下がりだというのに、民間企業と真正面から競争しなければならないFX事業でうまくいくはずがないだろうに。gooやらOCNという顧客基盤があるから云々という理由にもならない理由でなんとなく参入したのだろう。あたら民業を圧迫したあげくに損して撤退なのだから、おまえらなにしに来たんだとしか言いようがない。もともと筋の悪い話にさっさと結果が出たという顛末である。


ところで先ほどリンクした08年の自分の文章に、分割するのがめんどうだったのかグラビアの話も一緒に書かれている。そこに出てくるスタジオボイスもヤングサンデーも今はない。まだ3年しか経っていないというのに諸行無常の感がある。付け加えると大森美希から改名しアーティストハウス・ピラミッドから鳴り物入りで再デビューした池田夏希は、パッとしないまま肌の露出だけは増えていき、今や着エロとの区別をつけるのも難しくなっている。祗園精舎の鐘の声ばかりが聴こえてくる今日このごろだ。
posted by kaoruww at 15:21| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月07日

多摩川の夕景

夕方、軽くサイクリングをした。世情は騒然としているようだが、4月の空はあくまで爽やかだ。桜ももう7分咲きといったところで、花見には絶好の時期だろう。いつものように穏やかに流れる川面を横目に走り、ベンチとテーブルがあったので少し休んだ。そこから見た風景。

桜.JPG
見上げれば桜


桜と夕陽とテニスコート.JPG
桜と夕陽とテニスコート


かんぱーい.JPG
かんぱーい

I.W.ハーパーのハイボール缶なんてあるんですね。知らなかった。画像の縦横比が妙で缶がすごく圧縮されているように見えますが気にしないでください。画像をクリックすると普通のが出てきます。

河川敷のグラウンド.JPG
振り返ると河川敷のグラウンド


多摩川.JPG
今日も静かに川は流れているなう


夕陽が沈む5分前.JPG
夕陽が沈む5分前


さて、少しふわっとしたから帰りましょう。
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2011年04月06日

お店で美味しいもの、食べてますか?

文字ばっかりのブログなので、たまには写真をアップしてみよう。


震災後、外食店が壊滅的に売上げを落としている。なかなか外食する気になれないのは仕方のないことかもしれないが、現場から伝えられる声はもはや悲鳴だ。上場企業など大手はまだ体力があるが、深刻なのは生業店といわれる個人でやっている店。売上げが2割か3割しかなくなった(2、3割減ではない!)ような店も少なくないという。生業店は売上金を仕入れに回しの繰り返しでどうにかやっているところがほとんどだから、1ヶ月もこんな売上げが続いたら廃業せざるをえなくなってしまう。

だから、というわけでもないのだが、吉祥寺にある個人経営のとんかつ屋に行ってきた。老夫婦が2人でやっている、カウンター数席にテーブルが2つという本当に小さな店。昼下がりに入ったところ、ランチの時間帯から外れていたこともあってか、他にお客はいず親父さんがカウンターで昼食をとっていた。食事を中断し、フレンチシェフがかぶるような高い帽子をかぶって仕事にとりかかる。小鉢は切り干し大根と温泉卵から選ぶことができ、とん汁はなみなみいっぱい。お母さんが慎重に運んでくれる。ロースカツ定食おいしゅうございました。(画像をクリックすると無駄に大きくなります) 

とんかつ あおば


ランチとディナーの間の時間に休みを入れず、通しで営業してくれるたいへん便利な店なのだが、15時過ぎに私が入店してから食べ終わるまで誰も入ってこなかった。なくなったら淋しい店やいい思い出がある店は、誰しも1つや2つあるはずだ。小さな店は地域の人が守らなければ意外と簡単になくなってしまう。美味しいものを食べると元気もでる。少し意識して、そんなお店に足を運んでみてはどうだろうか。
posted by kaoruww at 22:20| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月02日

1ドル=76.25円史上最高値説

大震災直後の3月17日に円が史上最高値である1ドル=76.25円をつけたが、あれが変動相場制導入後の最後の大円高ではないかという意見がある。今後日本が過ごさざるを得ないハードな長い時代を思うと、説得力を感じないでもない。

一つの意見として書き留めておこう。たとえば三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮田直彦氏のレポート。チャート分析というのは様々な流派があって百家争鳴なのだが、ともかく信じなければ始まらないという意味でどこかしら宗教的情熱みたいなものが必要になる分野だ。「鰯の頭も信心から」ということわざを思い出したりもする、大変な世界である。こちらはエリオット波動の方ですね。

宮田レポート(エリオット分析)

テクニカルの3月18日に40年間の円高トレンド終了宣言。4月1日のデイリーレポートから一部抜書してみよう。
3月17日に一時76.25円まで急落し、ついに95年安値・79.75円を割れた。ここに「2011年3月〜6月に1ドル=72円〜76円」という我々の従来からの見通しが現実となった。(略)
当面はボラティリティの高い展開が続くとみられるため、6月頃まではまだ波乱含みだろう。しかし、既にドル円は長期的な底値圏にあると考えられ、我々は従来のドル安・円高見通しから、今後は「2015〜16年までのドル高・円安、ターゲットは124〜150円」という見通しに転換する。(略)
この先に84.51円(10年12月15日高値)を上回ると、76.25円が40年間のドル安・円高トレンドの終点であったという最初の感触が得られる。
そして金曜日のドル高値が84.73円。うーむ。

私は為替については「わからない。だからFXもやらない」というスタンスを変えていないので、ざっくりした意見を開陳することすらはばかられる。「適度に分散しといたほうがいいかもねー」といった、外しようのない一般論を言うのがせいぜいだ。日本の推移とは別に、今後のドル体制だって知れたものではないし。そういうわけなので結論はありません。あしからず。
posted by kaoruww at 19:50| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月27日

2011-03-27 03:43

3月27日の深夜に非公開設定でブログに保存した駄文を、4月3日1時40分に晒す。特に理由はないけど。強いて言えば、書いた時と同じように酔ってるから、か。これを20年後の私はどういう想いで読み返すんだろうか。その頃の自分があんまり惨めったらしい事になってなきゃいいなあ、と思うや切であります。

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3・11の大震災から始まった、少なくとも15年から20年は続く「時代」について考えていた。20年後だと2031年か。歳いくつだよっていう。控えめに言っても初老だなあ。この時代の名称は、その次の新しい時代が始まってしばらく経ってからつけられることになるはずだ。その最中にぴったりの名前はつけられないものだから。

大災害の陰に隠れてほとんど話題になっていないが、数年後には強烈な金利上昇・円安が日本を襲うことになる。これは残念ながら東日本だけの問題ではすまない。財政破綻は仮に震災がなかったとしても起きたことだから、震災による影響がそれを早めるかどうかといった議論には興味を持てない。それが起きる、ということだけ分かっていれば充分だ。


そんなこんなでリソースが限られたどうってことない個人の、これからの身の振り方をウダウダ考えている。財政破綻までの数年をどう動くかで後半生の経済的な側面が決まるらしいことは、なんとなくわかる。で、腹をくくった。しばらくいろいろ無理してみようと思う。


いやあ、それにしてもこんなハードな人生になるとは思ってなかったよ。財政破綻に備えてどうすべきかみたいなことを考えてはいたけど、こんなカタストロフとセットで来るとはね。原発をこれから4,5年、今みたいにおっかなびっくり冷やしている最中に国債価格暴落とか、あまりに過酷すぎる。敗戦後に偶然いいポジションにいて恵まれた生活をしていたツケを一気に払わなきゃいけないなんて。これほどキツい目に遭わなきゃいけないほど、日本人は悪いことしてたわけじゃないと思うけどなあ。まあこれは愚痴だ。もう起きてしまった事だし。愚痴ってる暇があったらやらなきゃいけないことがたくさんある。

今日のエントリは完全に自分の日記なので公開しないほうがいいような気がするけど。目に触れちゃったら爽やかにスルーしてね。
posted by kaoruww at 03:43| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月12日

東北地方太平洋沖地震発生

3月11日14時46分頃、宮城県三陸沖を震源とした巨大地震が起きた。マグニチュード8.8(のちに9.0に訂正)という、日本の観測史上最大の地震は「東北地方太平洋沖地震」と命名された。その後大津波が発生し、日付が変わった現在は、気仙沼市に発生した火災により市内全体が炎上している模様がテレビに映し出されている。これからまだ肌寒い東北で、着のみ着のままで長い夜を過ごさねばならない被災者の方たちがたくさんいる。その多くは親しい人たちとの連絡も取れないまま、不安な夜を過ごすのだ。おおよその被害状況もわからない今、軽々しく言葉を発するのは控える。とにかく、被災者の皆さんにお見舞い申し上げます。また、今後明らかになる被害が少しでも小さいことをお祈りします。


電話は発信規制がかかっているがツイッターはいつもどおり機能している。ノイズを出したくないので不要なツイートを控えている。だからこちらで少し。

非常時には人間の本性が現れる。この混乱の中、都知事選出馬会見をし、あろうことか「今程度の損壊で済むようなら、他県に比べてありがたい」とのたまった都知事。その後被害が少ないぶん他県に出来るだけの手助けをする、という趣旨のことを言ったという説もあるが、いずれにせよこの人物に苦しんでいる人々への配慮を求めること自体が間違いということだろう。この男がどういう人間かは秘密でもなんでもなく、多くの人が知っている。それを承知の上で12年も知事をやらせたことは紛れもなく東京都の恥である。私自身も一東京都民として(もちろん一度もこの外道に投票したことがなくても)、恥ずかしい。78歳のこの老人がまた立候補して、しかも最有力候補だというのだから、本当に恥ずかしい。

一方、多くの人々にフォローされている人が、有益な避難情報をさかんにリツイートしているケースもある。大変な事態になんとか自分の影響力をいい方向に生かしたい、という公共性と社会性に敬意を表する。かと思うとリテラシーがあるはずの元新聞記者が全世界に向かい、ピンポイントな(明らかに現地の人が救急に連絡したほうがいいケース)リツイートをむやみに連発している。また、面白いと思っているのか余裕でもアピールしたいのか、シニカルだったりおちゃらけだったりのツイートをして得意顔の者。こんなものはどうでもいいが、とにかく非常時というのはふだんは人に見せない人間性があらわになると痛感させられる。

テレビに目をやると、闇を押しのけるような炎に焼かれる気仙沼市と、なにもかもを押し流す大津波が交互に映されている。深夜にこうして無力を噛みしめることしかできない。せめてこれから何ができるかを考えるべきなのだろう。

最後にもう一度。これから明らかになる被害と、その被害による苦しみが、少しでも小さくなりますように。
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2011年03月08日

サブウェイが世界最大の飲食店チェーンになったはいいが、日本では債務超過な件

サンドイッチのサブウェイ、世界店舗数でマクドナルド抜く(WSJ)

 サンドイッチ店チェーン経営の米サブウェイは店舗数でついに、ファストフード大手の米マクドナルドを追い越し世界最大の飲食店チェーンとなった。

 サブウェイの世界店舗数は昨年末時点で3万3749店、マクドナルドは3万2737店だった。マクドナルドが2月末に米証券取引委員会(SEC)に提出した届出で正式に明らかになった。

 ファストフード業界は米国ではほぼ飽和状態で、世界展開が競争の勝敗を分ける重要な決め手となっている。サブウェイは1984年にバーレーンに海外一号店を出店。2020年までには海外店舗数が米国内店舗数を上回る見通しだという。同社の米国内店舗数は現在、2万4000店。ただ、売上高では引き続きマクドナルドが首位を維持している。

「あれ、サブウェイって元々マクドナルドより多くなかったっけ?」と思ったが、それはアメリカ国内での話で、全世界の店舗数で抜いたのは昨年末だというのがこのニュース。アメリカでマクドナルドを抜いたのはいつだったか調べてみたら、04年初頭のことだった。この時点ではまだ世界店舗数でマクドナルド約30000店、サブウェイ16000店と大きく引き離されていたのだが、丸7年で倍以上の33749店にしている。この規模のチェーン店が店舗数を年率10%以上増やし続けているのだからすごい。すごいが、以前「フランチャイジーが接近して店を出しすぎて共倒れになって訴訟」なんてことが続発していたわけで、また問題の種を播いているような気もする。

店を出しすぎて問題になるのはアメリカでの話で、日本はまるで状況が違う。サントリーがマスターフランチャイジー契約を結び、100%子会社の日本サブウェイが92年からフランチャイズ展開を開始。アメリカの大チェーンが有名企業サントリーと組んで日本上陸!と鳴り物入りで急速に加盟店を増やした。96年に早くも150店を展開したまではよかったが、そこをピークに縮小に転じる。日本サブウェイが設定したモデル店舗ですら赤字が出てしまうのだから、各店舗のオーナーだって続けてはいられない。99年には経営計画との大幅な乖離を理由に訴訟を起こされた。その後フランチャイザーの離反、新規加盟店の募集停止と事態は悪化を続け、03年にはついに店舗数が100の大台を割り、93店舗にまで減った。

幸いだったのは03年に就任した現社長が優秀な人で、それまでほとんど経営らしきものがなく漂流状態だったサブウェイがまともに動き出したことだ。小規模店舗への転換や新規立地パターンの開発により、1店舗当たりの売り上げは縮小したものの徐々に店舗数は増え、現在は96年のレベルを超えて239店と過去最多となった。初期投資額は小さくても毎月のロイヤリティは高いという、オーナーサイドには厳しい条件のチェーンなのだが、ここ数年は順調に拡大している。野菜を強調したヘルシーなイメージで女性客の取り込みをはかり、既存店売上高も2010年は前年比109.4%とたいへん好調。しかし残念ながら過去の負の遺産は重く、いまだ債務超過のままである。

 
ファストフード業界はアメリカ企業に席巻されているようなイメージがあるが、実際はそれほどでもない。日本で約3700店もあるマクドナルドの印象が強いからだろうか。アメリカではものすごい田舎にまであるサブウェイも日本では前述のとおりだし、全世界に6000店を展開し2020年までに15000店にしようというダンキンドーナツは、98年に撤退してそれっきりである。アメリカの食文化がたくさん流入しているのは事実だが、和のファストフードは健闘しており、牛丼や寿司がパンに追いやられることは今後もないだろう(回転寿司は江戸時代のファストフードへの先祖返りそのものだ)。


思想信条など一朝にして変わり、コロッと転向する者など珍しくもないが、食べ物の好みはそうは変わらない。子どもの頃に慣れ親しんだ味からは大人になっても離れられないものだ。人間の考え方や感覚の中で、最も保守的なのが味覚ではなかろうか。


<関連エントリ>日本人が受け入れられないアメリカのファストフードとは(その1)
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2011年03月06日

ウェンディーズ日本再進出とかFacebookページとか

50日ほど更新しておらず、さすがに生存報告でもしようかということで。いちおうこのブログは個人的な備忘録なので、更新していなかった間におきた過去のエントリと関連するニュースについてアップデートしておきます。

ウェンディーズ日本再進出 「急成長可能」5年以内に71店舗以上(サンケイBiz)

日本のドミノピザを運営していた(既にベイン・キャピタルに売却済み)ヒガ・インダストリーズとの合弁でウェンディーズが再進出。以前のパートナーであるゼンショーが「ハンバーガー市場から撤退し経営資源をすき家に集中したい」と言い出し、あとを引き受ける日本側企業が見つからぬまま09年末の契約切れとともに全店閉店した。ところが1年少々で再上陸決定ということで、ずいぶん早いなあという印象。正直、現在の日本のハンバーガー市場に参入しようという日本側パートナーが出てきたことが意外である。ドミノの時みたいに儲かるとは思えないんだけどなー。

ともあれブラックな業界という認識がすっかり世間に定着してしまった外食産業の中でも、特にブラックとされるゼンショーとは別の企業による経営になるわけだ。ダイエーからゼンショーに経営が変わって以降、ウェンディーズにカネを落とすことを拒否していたのだが、これでようやく行けるようになる。選択肢が増えるのだから歓迎だ。冒頭にリンクした記事のような大風呂敷など広げなくていいから、細く長く続いてほしいものである。関連リンクを2つ。

09年12月10日 ウェンディーズ撤退・日本人に愛されすぎるダリル・ホールなど
09年12月22日 ゼンショー、選択と集中と脱法
 
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あとついでだが、しばらく前にアカウントだけ取って放置していたフェイスブックを少しいじってみた。フェイスブック論的なものをぶちかましてもいいが、あまりニーズもなさそうだし第一めんどくさいのでやりません。アカウントを持っていなくても閲覧することができる「Facebookページ」なるものを開設してみた。qzmp blogの別館ということでqzmp blog ANNEXというタイトルを付けようとしたところ、頭文字に小文字は使えないだのアネックスは小文字にしろだのまーうるさい。しらねえよそんなこと。もーどーでもえーわとサジェストどおりにQzmp blog Annexにしておいた。特に更新予定もないので、これっきり放置ということも十分ありえるんだけど。とりあえず昨日歩いた日本橋から銀座までのスナップを上げた。下から上に向かって歩いてます。

しかしこのFacebookページというのも開設者本人のページとは関連が切れてるらしくて、どういう設計思想でこういう仕様になってるのかわからない。わからないままになりそうな予感がすごくする。どうも私はブログとツイッターの2本立てで落ち着きそうな気配だ。


そういうわけで、「べっ別に『いいね!ボタン』なんか押さなくてもかまわないんだからね!」とツンデレ風味に締めたいと思います。ブログも次回はこんなに間隔を空けずに更新する予定です。よろ。
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2011年01月17日

伊藤忠、ついに吉野家をあきらめる

吉野家、伊藤忠から自己株取得 経営の独立性高める(産経)
 牛丼チェーン「吉野家」を展開する吉野家ホールディングス(HD)は17日の取締役会で、伊藤忠商事が保有する吉野家HD株をすべて買い取ることを決めた。伊藤忠は吉野家HDに20・1%を出資する筆頭株主。伊藤忠側から株式売却の申し出があり、自己株の取得で対応することにした。吉野家HDの取得価格は約140億円になる見通しで、買い取り資金としてみずほ銀行など主要取引先から70〜80億円の融資を受ける。

 吉野家HDは17日の終値(10万5900円)で、18日午前8時45分の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引で買い付け注文する。伊藤忠は買い付けに応じる意向で、吉野家HD株を放出する理由について「人的交流や取引関係も確立しており、株式保有の目的は達成できたため」と指摘。取引関係は今後も継続することを強調している。

 伊藤忠は2000年に約230億円を投じ、それまで吉野家の経営を支援していたセゾングループから株式を取得。食材の取引拡大や店舗展開などで連携してきた。

 ただ、吉野家HDは、本業の牛丼チェーン事業でライバル各社との低価格競争が激化しており、業績の低迷が続いている。吉野家HDは、経営の独立性を高め、機動的な事業展開を進める方針。
 
端的に言うと「吉野家の筆頭株主である伊藤忠があきらめて手を切った」ということだ。230億で買ったものを10年経って140億で手放す。伊藤忠経由で食材を仕入れさせたりして口銭を取っていたわけだし配当もあったから丸々90億円損したわけではないが、やはり失敗には違いない。経営を立て直す算段でもあるのなら大口取引先でもあるし保有し続けたろうが、業績が向上する見通しが立たない以上手を引くしかないという判断だろう。失われたカネはすっぱり忘れるしかない。

<参考>吉野家10年チャート(対数) 

吉野家10年対数チャート

「08年から株価は下落の一途をたどり」と解説されると、「なるほどリーマンショック関連で」と勘違いしかねないが、実際は08年年初から下がり続けているわけだから、9月に起きたリーマンショックとは無関係である。

07年12月12日の当ブログで「吉野家はかつてのエクセレントカンパニーから、単に図体のでかい外食グループになりつつある。株主も頭が痛かろう」と書いた。総合商社のリソースをもってしても業績悪化を食い止められなかったわけだから、筆頭株主の伊藤忠が最大の損をしたのはやむを得ない。しかし少なからぬ株主が望んでいただろう「伊藤忠主導による経営改革」の目がなくなったのは残念なことだ。牛丼店単体からステーキ・寿司・うどん店等を擁するグループ経営へ、牛丼単品経営からBSE騒動を経てのメニュー拡充へ。会社更生法から経営を立て直したカリスマ経営者は、この大改革を立案したものの実現に失敗したことは明らかだ。経営戦略の大幅な変更に伴う経営陣の刷新が求められていたにもかかわらず、伊藤忠はそれをやらなかったのかできなかったのか、ともかく体制が変わらぬまま10年の時が過ぎ、結局放り出すことになった。

現在またしても牛丼の安値競争が繰りひろげられていて、競合の松屋は240円という過去最低価格を提示している。しかしこういったトピックに目を奪われがちだが、吉野家の経営に関しては(再三の指摘になるけれど)価格面での競争がうまくいかないことよりも、子会社が赤字を垂れ流している害の方が大きい。ステーキのどん(旧フォルクス)を買収するのに百数十億円を費やしたにもかかわらず赤字を止められないのが代表だが、子会社の出血を止めなければ牛鍋丼で多少客数が増えたところで焼け石に水なのだ。

終わりなき「企業買収→失敗」のくり返しを誰かが止めねばならないはずだが、吉野家は銀行から7、80億円借りて筆頭株主と別れ、「経営の独立性を高め」るのだという。これからも吉野家の漂流は続くということなのだろう。
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2010年12月31日

2010年qzmp blogをふりかえる

2010年の当ブログを振り返りたいのは山々なのだが、なにしろ更新が減ってしまったので振り返るほどの分量がない。このエントリーを含めて21回しかないのだ。だからこうして紅白歌合戦を見終わってから更新しても楽々間に合う。来年もブログを辞めはしないが、Twitterで書くには短すぎることを中心に、月数回の更新となろう。

ではまた。よいお年をお迎えください。
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2010年12月17日

FX税制一本化のニュースに寄せて

店頭FXに20%の申告分離課税適用、証券優遇税制は2年延長 - 税制改正大綱(マイコミジャーナル)
政府は16日、2011年度税制改正大綱を閣議決定した。これによると、現在、総合課税としている店頭FX取引に係る所得について、「くりっく365」など取引所FX取引に係る所得と同様に、20%の申告分離課税とした上で、両者の通算及び損失額の3年間の繰越控除を可能とするとしている。

というわけで2012年1月から、商品・FX・CFDが損益通算・損失の繰越ができるようになる。商品市場は事実上死んだも同然なのでどうでもいいが、FXは現在大きなバクチ場になっているので大きなニュースだろう。特に重要なのはこれまで「取引所で取引すると20%の分離課税だが、店頭取引だと雑所得になり総合課税になる」という不可解な2本立ての税率が、20%で統一されるようになることだ。

FXの利益を含む課税所得が195万円までなら15%、330万円までなら取引所取引と同じ20%だが、これを超えると30・33・43と所得に応じて税率は高くなり、1800万円を超えると最高税率50%を取られるという過酷なものである。これがどちらで取引しても20%に一本化されるというニュースは、レバレッジ規制により賭場に来るお客が減ってしまったFX業界にとって、神風が吹いたようなものだろう。

気になるのは、これまで税率は低いわ損益通算はできるわで制度的に大きなアドバンテージを持っていた取引所取引(くりっく365・大証FX)がどうなるかだ。大証は09年7月からの開始で日も浅いし、日経225先物という人気商品があるからダメージも少なかろう。だが、くりっく365をやっている東京金融取引所(TFX)はどうするのか。05年7月にスタートし、大証FXが参入するまで丸4年にわたって「税率20%・損益通算可能・損失を3年間繰越可能な唯一の市場」という異常なまでの優遇をされていた理由について、以前触れたことがある。

FX取引に関する二重税制の理由

「10年に1人の大物次官」についてのお話だが、その冷遇されていた「大物次官」が民主党政権樹立・小沢一郎復権により、09年10月TFX社長から日本郵政社長に転じたとたん税制一本化の話が動き出し、あっさり実現である。もはやTFXは用済みか。わかりやすい。

取引所HPを見ても特に大型商品も無く、11月22日から始めた株式CFDもパッとせず、くりっく365の競争力がなくなる今後の先行きは暗い。総合取引所構想が進む中で東京工業品取引所と適当に合併させられて終了なのではないかと思わせるに十分だ。グローバル化が進行する中、アジアでは中国で取引量急増、シンガポールで新取引所設立と、価格決定権を巡って激しい競争が繰り広げられている。しかるに日本は誰がどうしたの、商品取引所が解散だの、戦略性のかけらもない。競争に負ける以前に競争に参加すらしていないのだ。

税率の一本化や損益通算が実現したのだから大いに歓迎すべきニュースであるはずなのに、FX業者と違って諸手を上げて喜んだりできないのは、こういう理由である。
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2010年11月05日

尖閣諸島衝突ビデオ流出に関して記録

Twitterの入力欄に書いたものだが、Twitterだとそのまま流れて消える。当ブログ本来の目的は、個人的な備忘であり、「あとから読み返すその時々の想念」なので、こちらに記録しておくことにした。長文に直さず、140字以内という制限で書いたものをそのまま書き置く。138字。
国境で他国から攻撃を受けた場面を、日本人が初めて見た日。従来の漁船の拿捕とは相手国の反応も含め、まったく意味が違う。敗戦国民としてお花畑で生きてこられた65年が完全に終わったという意味で、今日は日本近代史の転換点となった。のちに「あの日以前・以後」と語られることになるだろう。
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2010年10月31日

サイゼリヤ、ファストフード業態開発を事実上断念

今日のデイリーポータルZでヨシダプロ氏が、多摩のショッピングセンターにあるサイゼリヤEXPRESSのことを記事にしている。レジは無人でお客がタッチパネルで注文、代金はATMのような機械に入れる。会計が終わった頃には商品受け渡し口で店員に呼ばれパスタを受け取るというスピード仕様。店員がせいぜい2人もいれば運営できるという超省力型システムである。

デイリーポータルZ:日本に数軒しかない驚異のサイゼリヤ

ところがこの記事、実に間が悪かった。10月26日にサイゼリヤはこのファストフード型店舗からの事実上の撤退を発表しているのだ。

サイゼリヤ、ファストフード縮小、バーガー店閉鎖、低価格パスタ1店に(日経流通新聞)
 サイゼリヤはファストフード事業を大幅に見直す。2011年8月期中にハンバーガー店からは撤退。低価格のパスタ店も1店まで縮小する。05年から主力の「サイゼリヤ」に次ぐ事業としてファストフード事業に参入していたが、現状では多店化が難しいと判断。大幅に事業を縮小した上で、再度メニューの開発や効率的な運営に向けた実験を進める。

 ハンバーガー店の「イート・ラン」と低価格パスタ店の「サイゼリヤEXPRESS」を見直し対象とする。
 同社の堀埜一成社長は「新業態はいったんリセットして、担当社員も入れ替える」と表明。競合が厳しいハンバーガー事業は当面あきらめ、パスタ店に絞って収益が見込めるモデル店づくりを再び進める。
 パスタ店も複数店運営してはモデル店づくりが難しいため、現在の5店を1店まで減らし、メニューの再選定、調理法の研究、効率的な運営方法などを探っていく。
 イート・ランはハンバーガーやタコスを主体とするファストフード店として2005年に1号店を東京都北区に出店。3店まで店舗を広げたものの、想定の売上高を確保できなかったため、2008年に1店まで縮小していた。
 一方、サイゼリヤEXPRESS は2007年に東京都八王子市内のショッピングセンター内に1号店をオープン。客がレジでタッチパネルでメニューを選び、会計も済ます独特のセルフレジを導入して運営を効率化し、価格は100円台からと低く設定した。しかし、想定通りの売上が得られていなかった。

創業者である正垣泰彦氏はテーブルサービス業態であるサイゼリヤだけでなく、ファストフード業態へ進出することを繰り返し表明していた。「フォーマットが固まったら10000店の出店を目指す」と気持ちいいぐらい大風呂敷を広げてもいた。それがイート・ランはあきらめ、サイゼリヤEXPRESSは申し訳程度に1店舗残すということだから、これは新社長・堀埜一成氏による事実上のファストフード業態開発断念と解釈すべきだろう。

BNPパリバ証券と契約したあまりにも馬鹿げたデリバティブ取引により140億円もの損失を出し、正垣氏は社長を退任。09年2月に味の素出身の堀埜氏が社長に就任した。就任から1年半が経ち、本格的に新社長色を出しはじめたというところか。この発表を受け、野村證券はサイゼリヤのレーティングを2から1に引き上げた。

サイゼリヤ(7581) 野村証券で2→1。海外は成長への布石が着々(日本証券新聞)
 野村証券は10月27日に低価格のイタリア料理チェーンのサイゼリヤ(7581)のレーティングを「2」→「1」に格上げし、目標株価も1,840円→2,000円に高めた。
 中期1株利益成長率は年率12%と外食セクターの7%より高い。
 新規出店による規模の拡大、生産物流体制の見直しや店舗の生産性向上策を進めることで持続的な成長ができると予想。
 2011年8月期は65店舗を出店し、2012年8月期以降も毎期60店の新規出店を見込む。17県で未進出であり、新規出店余地は大きい。
 中国を中心とする海外事業(2010年8月期期末で65店舗)、2011年8月期に50店を出店予定。現地で店長クラスの人材育成が進んでおり、現地スタッフによる店舗開発力が強化されたことで出店数が増える見込み。
 2011年8月期は海外関係会社への増資やカミッサリー(食品加工・流通工場)の建設など今後の出店加速へ向けた基盤作りが進むだろうと予想。

いつまでも利益が出る見込みの立たない新規事業への投資よりも、現在の経営基盤をより拡大する施策が評価されるのは、アナリスト的視点からは当然のことである。「外食産業」というくくりでテーブルサービスもファストフードも似たようなものだと思われるかもしれないが、実際の運営はまるで違う。店舗開発・コスト構造・プロモーション等々なにもかもだ。共通点は扱う商品が食べ物だということぐらいだろう。結局、海のものとも山のものとも知れない新業態にいつまでも拘泥してはいられないが、創業者の顔を立てて1店舗だけ残して開発継続の形は取っておきましょうということだと思う。イート・ランのハンバーガーはけっこうおいしかったし、なによりタコス不毛の地・日本でタコスを普及させようと意欲を燃やしていた正垣氏を私は応援していた。残念である。

企業というのは、個性的な創業者が退任し、こんなふうに成熟していくものなのかもしれないな、と思う。それが決して悪いことではないということも。08年11月21日にデリバティブによる大損が発覚した折、私は「もしかしたらこの出来事はサイゼリヤにとって重要な転換点になるかもしれない」と書いたが、実際そういうことになるのだろう。少しずつマトモな、少しづつつまらない、そんな存在になっていくことが「大人になる」ということなのかもしれず、それは人間も企業も同じなのかもしれない。

<関連>イート・ランに行ってきた
posted by kaoruww at 19:31| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月16日

目隠しをされたまま導かれる人たち

ドクターシーラボの粗利益率って81.6%もあるのだそうで。すさまじい。

ためす、たのしむ、たしかめる(cpainvestor.com)

化粧品に匹敵するボロい商売といったら香水だろう。次にかなり離れてラグジュアリーブランドのアパレルといったところか。ファッションブランドがちょっと名が売れると、すぐに香水を出したがるのはそういう理由だ。原価はタダ同然で単価は何千円もする物が、売り場の片隅に置いておくだけで売れていくのだから笑いが止まらない。ジル・スチュアートなどはもっと気合いが入っていて、アパレルだけでは飽きたらず2005年から化粧品に進出、香水のついで買いなんて片手間ではなくガッツリ稼いでいる。余談だが今ジル・スチュワートがコスメでメインに使っているモデルは、あれキレイなんだろうか。すきっ歯でもOKなのか。売れっ子モデルがかなり個性的な顔面をしていてももう慣れたつもりだったが、最近デパートの一階を通るたびに「私の方がズレてるのかなあ…」と不安になる。女ウケの世界はわからぬことだらけだ。

商売の話に戻すと、化粧品の方が毎日使うぶんだけお客が使う金は多いが、香水も買ってすぐ飽き次のを買っての繰り返しで、瓶を並べてうっとりしている者も多い。まあ自分の稼いだ金で買う分にはありがたい話である。実際には基礎化粧品だろうがパルファムだろうが、多くは男の金だけども。肌には吸収器官が無いから高い化粧品なんて無駄ですと医者が言っても聞きはしない。男がじっと目を見つめて「君は元がこんなに美しいんだから、ちふれで十分だよ…」と言っても目論見はすぐバレてしまう。日本マクドナルド創業者藤田田(デンと発音してください)は、ユダヤ人から教わった商売の秘訣として「女と口を狙え」と言った。女性と女性にプレゼントする男性向け商品は、見栄の要素が入るから単価も利益率も高い。そして食べ物関係の仕事は、利益率は低いが人がいる限りなくならない、と。その言葉通りに藤田は海外ブランド輸入代理店の先駆的存在となりダイヤモンドでも大儲け。その輸入商での利益を元手にマクドナルドを展開し大成功をおさめた。この「秘訣」は今の時代にも通用するから、不滅の法則といっていいのだろう。

大きな声では言えないが、ブランドビジネスとファストフードには隠された共通点がある。徹底的なイメージコントロールと、宣伝による洗脳だ。それぞれ信者体質が多い女性や、批判的に物事に接する能力のない子どもがターゲットになっていることはご存知の通り。こういった商売のやり方を見て、ビジネスパーソンとしてなにかの参考にするか、お客として身構えるか、どちらの立場でもあるから状況によって切り替えるかはあなた次第というわけだ。
posted by kaoruww at 23:22| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月14日

さあ!更新の減った今こそRSSリーダーを使おう!

7月13日を最後に丸2ヶ月更新していない。6年半のあいだ一度もなかったことだが、Web環境の変化が私にも影響しているようだ。ネットまわりで最近印象的だったのは、Bloglinesが10月1日にサービスを停止する(メディア・パブ)というニュース。数年前にログインできなくなってから使っていないが、初めて使ったRSSリーダーがなくなってしまうとは感慨深い。とはいえRSSリーダーがなくなったら困るという人はまだまだ多いし、私も困る。「Twitterを見ていれば知りたいニュースは流れてくるから」なんてアホくさい言説も出ているようだが、どこかの誰かがつぶやくかもしれないことを前提に情報収集をタイムラインに依存するなんてできるわけがない。あとVoxも同じく10月1日にサービス停止(チームVox)とのこと。後発とはいえ4年しかもたなかった。使ってる人ほとんど見たことないものな。これは仕方がない。

しかし当ブログが利用しているSeesaaはどうなるのだろうか。Seesaaは(FC2の次くらいに)スパムブログをまき散らしてるとか言われているようだが、経営は大丈夫なのか。私がRSSリーダーに登録しているSeesaaのブログなんて、それこそ冒頭にリンクしたメディア・パブぐらいしかない。いったいなんで6年半前にここを選んでしまったんだろう。「なんとなくメジャーなところはイヤなんだよねー」ぐらいの子どもっぽい理由しか思い浮かばない。あの頃なら、当時のブログの女王眞鍋かをり(事務所とのゴタゴタですっかり見なくなった)が使っていたココログとか、飛ぶ鳥を叩き殺す勢いだったLivedoor(その後のことはご存知の通り)といったブログサービスを選ぶのが自然だったと思う。今から始めるのならどこを選ぶだろうか。ブロバイダ系か、GoogleのBloggerか、いずれにせよ撤退しなさそうなところにするだろう。Yahoo!ブログは撤退しなくても論外だけど。

もっとも今から初めてネットでなにかをしようというなら、Twitter一択だろうな。よっぽど「論」を展開する動機がある人以外は。私にしても、初めてネットでなにか書くという時にTwitterから始めたら、それでそこそこ「吐き出し欲」(表現欲なんてほどのもんではない)が満たされて、ブログを始める方向にはいかなかったかもしれない。テキストサイト世代→ブログ世代→(短いmixi世代を経て)Twitterを中心としたSNS世代と、人は初めてネットでなにかを書く時に一番とっつきやすいシステムで始め、さらにそのシステムの敷居は低くなり続けている。そして最初に触れたシステムが一番なじみ深く、思い入れを持ちやすい。なにしろテキストサイト世代の人たちはいまだにHTMLのタグ手打ちじゃなきゃ落ち着かないのである。三つ子の魂百までとはこのことだ。私の場合、なんとなくブログがホームみたいな感覚がある。なのに更新間隔があくのはいかに人間易きに流れやすいかということであり、と一般論にしてしまうが、まあブログとTwitterを両方ガンガン書きまくってる人はすんごいですねえと正直思う。表現欲と時間とタイピング技術の高度な融合といったところでしょうか。あまりネット活動活発な人を刺激したくないので婉曲表現を採用してみました。ともあれこれからもまだ当ブログは(Seesaaが撤退しないうちは)更新したりしなかったりではあっても、続くのでしょう。これも三つ子の魂百まで。ちょくちょく見に来てもたいてい更新されていないだろうから、「もう終わった」とか言われているRSSリーダーを今こそ使って、思い出したように更新された時に来ていただければ幸いである。
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2010年07月13日

参院選補遺

7月11日に参議院議員選挙が行われた。民主党政権は弱体化し、本気で安定政権を作ろうと思うなら大連立ぐらいしか選択肢がなくなった。だがポピュリズムが身上の民主党に、有権者からの批判を甘んじて受けてでも安定政権を作ろうという気はなさそうだ。過去に大連立を仕掛けた小沢一郎は検察との戦いが続き、派手に動きそうもない。2013年7月のダブル選挙以前に国会運営が行き詰まり、総選挙になる目も出てきたようだ。

といったよくある床屋政談をここで繰り返す意味などないだろう。個人のブログであるから、マスコミがわざわざ取り上げないマイナーネタでも軽く触れておこう。


◆カルト宗教vsマルチ化粧品屋

「カルト宗教政党ったってどっちのことだよ」と言われるだろうが、ここで取り上げるのは幸福実現党のことである。唐突に東京都議会議員選挙に登場して以降、総選挙・参院選と3度目の選挙となった。公称信者数一千万人とか北朝鮮に宣戦布告とか、風呂敷を広げるだけ広げておいてあっさり惨敗するという、フリ→フリ→オチのお笑いの基本形をきちんと踏襲するその姿勢に一定の支持があるようだ。しかし勢力不明の団体でいればそれなりに影響力を行使できたかもしれないのに、比例代表でほぼ信者の実数がバレてしまった。その結果、今はなき自由連合のあとを継ぐ「選挙戦のにぎやかし政党」と見られることも多い。

さて、その対戦相手はというと女性党(Wikipedia)である。アイレディース化粧品を展開するアイスター(Wikipedia)を母体とする政党だ。ついでに自前の宗教団体も持っている。幸福の科学は今年4月から全寮制の中学・高校を開校したが、アイスターは91年から西山学院高等学校という全寮制高校を始めており、この点では先輩といえる。トップの個人崇拝を強めると、どこも似たりよったりの活動になってしまうようだ。Wikipediaを見てもわかる通り、選挙という公的な活動をしているわりにはひどく秘密主義なので不明なことが多い政党だが、とりあえず読売新聞の選挙結果にリンクしておこう。女性党のサイトはいつ消えるかわからないから。えー、なんというか、私は女性のルックスに口を出すのは気がひけるのだが、うーん、なんだこれは。顔が似てるとか雰囲気が似てるとかを超えたなにか。メイクが似てるのは同じ化粧品を使っていることと関係あるのだろうが、髪を伸ばすと立候補できないとか、なにか門外漢にはわからない基準があるのだろう。今回の参院選で選挙に出るのは6回目だが、これまでに当選者はもちろんゼロだ。どうも外部に向けた宣伝活動というより、3年に1度組織の引き締めに選挙を活用しているように見える。 


この似てるといえば似ている2つの政党は、わざわざ信者や関係者以外の有権者が選挙で政党名を書かないだろうという点でも似ている。では、比例代表で彼らもしくは彼女らはどれだけの票を取ったのだろうか。

幸福実現党 229,026票 
女性党    414,963票  

なんと幸福の科学がマルチ化粧品屋にダブルスコアに近い票差をつけられて完敗である。あれだけ大騒ぎしておいて、たいして当選させる気もなくこっそり活動している政党にこれだけ差をつけられるとは。キリストも釈迦もマホメットも呆れているに違いない。そしてこの結果を見て思うのは、「同じ洗脳でも金がからんだ方が強い」ということだ。幸福の科学も、本を買わせるぐらいではいつまでも信者を繋ぎとめられると思わない方がいい。入会すると本が安く買え、下部の信者にたくさん売るとシルバー→ゴールド→ダイヤモンドとランクが上がっていくシステムにするべきだ。もちろんトンデモ本などそうそう売れるものではないから信者の家には本が山積みになるわけだが、それは今だって同じことだ。違うのは「この在庫がハケればカネになる」と信者が思えるようになること。夢いっぱいである。こうすれば相変わらず当選はしないが、40万票ぐらいは取れるようになるかもしれない。


しかしなんだかんだいっても、日本人は選挙に信頼感を持っているなあと思う。アフリカの独裁国家には武装した選挙監視団が入ったり、アメリカですらブッシュの出た大統領選で票数が怪しいと裁判になっていた。日本人は自分たちがこういう事に異様に厳密で細かいことを実感しているから、誰かがごまかしでもしたらバレないわけがないと確信している。民主主義国家として、この同胞に対する信頼感の大きさは誇っていいと思うよ。
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2010年06月23日

大証が東工取に経営統合打診へ<追記あり>

記事自体が割とあっさり消えてしまうのでメモ。

大証が東工取に経営統合打診へ(産経)
 大証はすでに水面下で、東工取を所管する経済産業省や金融庁とも協議をしている。東工取にも大証側の意向は伝わっているもようで、近く大証の米田道生社長と東工取の江崎格社長の会談が行われる見通しだ。
 しかし、政府の総合取引所構想は、東京証券取引所を中心とすることを前提にしている可能性があり、大証関係者は「規制監督官庁も複数にまたがっており、交渉はかなりハードだ」と指摘する。
 中部大阪商取ははすでに解散が確実な状況で、東穀取も来年1月には東工取とシステム統合することが決まっているが、商品先物会社から解散を求める声が上がっている。商品取引所は経営基盤の強化が急務になっており、大証は関西商取も傘下に入れる構想を描いている。

政府が閣議決定した新成長戦略には、総合取引所を平成25年度までに創設するとある。ずいぶん気の長い話で、まだまだ曲折があるのだろう。ちょっと意外だったのが記事の終りの「大証が関西商取を傘下に入れる構想を描いている」という部分。すでにゾンビ状態の取引所をわざわざ組み込む経済的メリットはなさそうだが、地元の政治的なあれやこれやがあるのだろうか。
  
もっとも総合取引所構想自体が政治との関わりを避けられない。今後は個々の取引所の経営が立ちいくかどうかという話から、政府の方針をどう具体化していくかという部分に焦点が移る。要は東証中心の総合取引所ひとつだけか、総合取引所+デリバティブ中心の大証にするかだ。これはまだ明確に方針が固まっていないように見える。


<追記>
市場統合検討へ=証券も巻き込み再編加速−東工取と東穀取(時事)
 東京工業品取引所と東京穀物商品取引所は23日、早ければ来春の市場統合を目指して検討に入る方針を固めた。商品先物業界の強い要望を受け、東穀取の農産物市場を東工取が継承する案を軸に、議論を進める見通し。貴金属や石油などの工業品と、トウモロコシ、大豆などの穀物を一体的にそろえた先物市場が誕生することになる。
 政府は「新成長戦略」で2013年度までに証券や金融先物、商品を一体的に扱う総合取引所を創設する方針を盛り込んだ。両取引所の市場統合の検討が進めば、東京、大阪両証券取引所なども巻き込んで国内取引所再編の動きを加速させることになりそうだ。
 商品取引会社で構成する日本商品先物振興協会は同日、会員懇談会を開催。各社から「東穀取は市場を東工取に譲渡し、解散すべきだ」との意見が相次いだ。同協会は近く、市場統合に向けた要望書を提出する。関西商品取引所(大阪市)や既に休止の方針を決めている中部大阪商品取引所(名古屋市)に対しても解散を求める。(2010/06/23-18:24)
商取会社は商品取引所を東工取に一本化するために、東穀取その他の商品取引所の解散を要求。事態はかなり煮詰まってきているので、早く総合取引所構想の具体案を提示してほしい。
posted by kaoruww at 13:22| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月23日

レナウン、潰れる前に中国企業に買われる

昨年9月11日にレナウンについて書いた。一部引用。
1990年のバブル最末期に英王室御用達ブランドのアクアスキュータムを197億円で買収したはいいが、その後赤字を垂れ流し続け、結局40億円ほどで売却した。アクアスキュータム関連の赤字は100億にのぼると見られ、トータルでは260億円ほどの損を出したようだ。株価が3年前と比べて10分の1になっていること以上に、今後の展望が一切ないというのが厳しい。風説の流布とかなんとか言われるのかもしれないが、今回のデフレから脱する前に潰れると確信している。ここ何代かの経営陣は過去の遺産を食い潰すだけだった。
相変わらずよけいなことを書いているが、そのレナウンが、苦しまぎれに中国企業に第三者割当増資を行って子会社化されることになった。

レナウン 中国企業傘下に 山東如意が4割出資へ(サンケイBiz)

別に日本企業が中国企業に買収されることで民族意識を刺激されるタイプでもないので「こんな昔の名前しか残ってない会社にカネ突っこんでご苦労さまです」ぐらいな感想しか出てこない。ホコリをかぶった洋服をヤフオクに出したら買っていく物好きがいただけのことだ。だがレナウンだダーバンだというと名前だけは知られているから、GDPが中国に抜かれて第三位に落ちることと相まって、妙な言説が出てくるのであろう。「こんなガラクタを買うとは目が利かねえなあ」と思っておれば十分なのに。ロックフェラーセンターを買った三菱地所に文句をつけたアメリカ人が間違っていたように(本当に間違っていたのは高値でトロフィービルを買った方だ)、こんな案件に危機感を覚える必要はない。

心配なのは、儲からないわ、コングロマリット・ディスカウントで株価が安値に放置されてるわの総合電機を丸ごとパクっと食べられることだ。今のところは日本人技術者を一本釣りする方が低コストだからTOBをかけていないだけで、属人的な技術流出では手に入らない技術が必要になった時には、仕掛けてくるに違いない。安値で買い叩かれるのはつまらない話だ。かといって軍事技術でもなければ国が資本制限をするような話でもない。総合電機業界が統合をすすめて買いにくくするべきなのだが、これは10年以上前から言われているものの、まるで話が進まない。どこかの会社が実際にTOBをかけられるなり、レナウンやラオックスのように第三者割当で子会社化されるなりしなければ動かないのであろう。とりあえず万年低空飛行の三菱電機あたりに中国企業が仕掛けてくれれば、大三菱のグループ会社ということもあり、総合電機業界のみならず産業界全体に衝撃を与えるに違いない。プレイヤーが多すぎる自動車業界も含め、再編の機運が高まるのではなかろうか。

21世紀の黒船は太平洋からでなく、東シナ海や日本海からやってくる。外国からの衝撃がなければなかなか重い腰が上がらないのが日本の伝統というもののようだ。三菱財閥の始祖も「日本企業が目覚めるためなら儲からん会社のひとつぐらい買われてもええわい」と言ってくれるかもしれないし。どうですかね。
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2010年05月18日

中部大阪商品取引所が解散へ

時事通信は、中部大阪商品取引所(名古屋市)が来年1月末をもって解散することを伝えた。「板寄せ金取引」は廃止、石油は東京工業品取引所に移管ということで、上場商品がなくなる。近年の取引は極めて低調で、運営は不動産収入に依存している状態だった。「本日一部報道機関により、弊所が「来年1月末で解散する方針を固めた」という報道がなされましたが、そのような内容を決定した事実はありません」と公式HPにはあるが、近く発表されるのだろう。

平成22年1月27日開催の理事会で、鶏卵・アルミニウム・ゴム(RSS3号、TSR20)、天然ゴム指数の4銘柄が取引休止、つまり上場廃止になることが決定した。それまでもどうにか取引量を増やそうと「鶏卵市場取引推進キャンペーン」なる、価格を当てるとたまご券1000円分プレゼントなんて泣ける企画もやったりしたが、応募者が77人だったりするからもっと泣ける。

07年1月1日に中部商品取引所と大阪商品取引所が合併して始まった同取引所だが、上場商品は減るわ、苦しまぎれに「板寄せ金取引」なんてどこにもニーズのない商品を上場させるわ、なんというか箸にも棒にもかからない状態であった。とっくに商売になっていなかったこともあり、正式発表があってもほとんど話題にならないに違いない。

残る東京以外の商品取引所は、関西商品取引所だけになった。ここも開店休業状態で風前の灯火だが、解散のニュースがあった時にでも改めて触れよう。はっきり言って大阪証券取引所にも吸収してもらえないレベルなので解散するほかない。すると残る商取は東京工業品取引所・東京穀物商品取引所のふたつとなるが、東穀取の追い詰められ方も先の短さを想像させるに十分だし、商取の雄・東工取が満を持して3月23日に送り出した期待の新商品「TOCOM NEXT」が、ほとんど死産と言ってもいい低調ぶりとあっては、前向きな統合を検討できる時間もそう長くはない。大証が11年始めから稼働させる取引システムは東工取が09年5月に導入したOMXテクノロジー製で、統合を視野にいれたものだ。新取引システムが稼働する来年以降、大証・東工取の統合話が具体化してくるだろう。これにより大証は日経225先物と主要な商品(金・原油)を持つ先物中心の取引所となる。東京証券取引所と十分差別化することにより生き残る戦略で、商品取引所経営陣の度し難い経営能力の低さとは一線を画している。

しかしこうして斜陽著しい国内商品取引所のことを書いていると、新興国の勃興による資源の奪いあいや、先進国の金融危機による信用膨張→過剰流動性の発生→資源価格の上昇といった、世界の趨勢とのあまりの隔絶にいまさらながら呆然とする。ガラパゴスジャパンとはよく言ったものだが、今後進行する取引所再編が日本の競争力強化につながることを祈るばかりだ。
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2010年05月12日

4月の牛丼値下げキャンペーンの結果発表

3つ前のエントリーで牛丼の値下げ競争について書いたが、その結果が出たので記録しておく。


gyuudon.jpg 10年4月度 

 すき家 売上高123.2%、客数137.9%、客単価89.4%
 松屋  売上高105.9%、客数123.2%、客単価86.0%
 吉野家 売上高 97.8%、客数101.5%、客単価96.4%

 価格競争自体が話題になったためか、すき家と松屋が大幅に客数を伸ばした。特にすき家は、ライバル店が近接する店舗のみの限定的なキャンペーンだったため、客数を伸ばしながらも客単価の下げは松屋より少なく、大きく売上を伸ばした。

 そして吉野家は客数こそ維持できたものの、売上げは減少した。3月度は前年比83.9%だったわけだから、かなりマシになったとはいえるが……

 問題はキャンペーン終了後の5月度で、反動減が見込まれる。しかし私の家の近所の吉野家では、終わったはずの値引きをまだやっている。値下げはやめたくてもやめられない麻薬だ。もう定価を下げて上記2社と横並びにする他なかろうけれど、その決心はつかないらしい。引き続き生あたたかく見守るのみである。
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2010年05月06日

村さ来買収・ちゃんこ屋破産

英会話のNOVA、ジオスを手に入れたジー・コミュニケーションが、居酒屋の村さ来買収を発表していた。直営15店舗・フランチャイズ205店舗で売上高は34億円。買収額は非公開。

村さ来は73年に東京・経堂に一号店を開店し、94年に加ト吉の傘下入り。その後加ト吉が循環取引による信用失墜を契機にJT(旧日本たばこ産業)に買収されたことにより、JTの孫会社となっていた。

しかしJTは外食産業のような手間ばかりかかってあまり儲からない事業には興味がないようで、同じくダイエー→加ト吉子会社となっていたイギリス風パブHUBも、先頃ロイヤルホストを展開するロイヤルホールディングスに売却している。酒とたばこは依存性のある薬物という意味では同じだが、かたや熾烈な競争を強いられ付加価値を付けるのに四苦八苦させられる居酒屋業態、かたやあらゆるドラッグの中でもトップレベルの依存性を持つ商品を独占的に供給し値上げもし放題の製造会社。効率を考えれば、たとえ公務員上がりで商売のセンスなどなくても迷いようがないだろう。


<関連>村さ来(Wikipedia)
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ちゃんこダイニング若の運営会社が自己破産。07年7月21日になにか書いていたような気がするがそれはともかく、報道によると「札幌店に勤務していた元従業員の20代〜40代の男女5人が、2009年11月18日に残業代が支払われていないとして、約1550万円の支払いを求め、札幌地裁に労働審判を申し立てるなど、厳しい資金繰りが表面化していた」とのこと。押しも押されぬブラック企業であった。しかもブラックはブラックでも(以下略)。若乃花がちゃんこ屋のプロデュースをするという話題が出た時に、運営会社をチェックしたことがある。副会長の名前が個性的だなーとか、ぼんやりとマウスをいじってるうちにあれあれなにこの不動産屋さんみたいな。

貴乃花部屋の部屋開きだかなんだかの時にも、「黒い服を着た男たちが参加し」云々と書いていた記事があったが、これがマスコミの常套句というか婉曲表現なのはご存知の通り。こんな筋の悪い取り巻きしかいないのに日本相撲協会の改革などと言われても、真面目に聞く気にはなれないのが普通ではなかろうか。
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2010年04月30日

1年半前の推奨についてのまとめ

誰も覚えていないだろうし覚えてなくていいのだが、08年10月にある株を推奨した。当ブログは投資ブログではないし、万一真に受けて実行する人がいてもそれはそれで面倒だしで、具体的な社名を挙げて株を推奨したことはなかった。なのになぜ一度だけと決めてそんなことをしたのかといえば、リーマンショックの大騒動の渦中で「100年に1度の出来事」「資本主義の終わり」などとさんざん言われていたからだ。「いくらなんでも大袈裟すぎるだろ」という気持ちがあった。その頃、毎日伝えられる金融機関への資本注入の話をブログに記録していたのだが、辛気くさい話ばかりでうんざりしていたということもあった。「いい会社が安く買えるすばらしい時期だよ」と、明るい話をしてみたかったのだ。


当該エントリーはこちら
銘柄選択で最も重視したのは、時期が時期だけに資金繰りが詰まって倒産するリスクが低い会社であることだ。金融システム不安が解消されていない段階では、健全な企業ですら黒字倒産する可能性がある。それはあまりにもバカバカしいので避けたかった。

そして「12ヶ月から18ヶ月使う予定のない金がある場合に限り」と釘を刺したのは、金融システムが安定するまでは一時的にもっと下がる可能性があることと、これだけ時間を置けばさすがに正常化するだろうとの考えによる。そして推奨した08年10月から18ヶ月後の、10年4月の最終日に、総括を行うことにした。まったく、私も律儀だ。


08年10月8日に銘柄コード3395のサンマルクホールディングスを2250円で推奨した。今日の終値は3615円。1365円のプラスなので、値上り率は60.66%。年間配当が78円だから、当時の株価で利回り計算をすると3.47%。税金・手数料・年換算利益率などを勘案した数字に興味のある人はお好みでどうぞ。

SAINT MARC

この日の日経平均終値は9157円だった。その後一瞬7000円を割れたりしつつ、きょうの終値は11057円。ちょうど1900円のプラスで、値上り率20.74%。市場平均をアウトパフォームできたかどうかは機関投資家ではないのでどうでもよろしいが、買った人は報われたといっていいかと思う。


当該エントリーに日産自動車とジャストシステムの名も挙げている。しかしこちらは推奨していない。サンマルクよりはるかにリスクが高いからだ。結果、日産は当時400円がらみが現在823円、潰れかけていたジャストシステムはキーエンスに救済され創業者の浮川夫妻退任という経緯を経て、104円が415円となっている。信用収縮時の危機を乗り越えれば、よりリスクの高い方が儲かるという妥当な結果となっている。あえてハイリスクな会社を分散して買い、半分は潰れても残った会社の株価が4倍になれば投資額は2倍になる、というやり方もある。私はやらないが、そういう戦略が好きな人もいるだろう。


最後に確認しておくが、今回総括したのは事前に明記した期限が来たからであって、「もう売るべき」と言いたいからではない。いつ売るかについての推奨はしない。私は売却目標を、株価ではなくPER15倍としたが、現在は12.82倍とまだ目標に達していない。目標まで配当を受け取りながら気長に持ち続けるもよし、市況の雲行きも怪しくなってきたことだしここらで売るもよし、そこらへんは好きにしてほしい。


「儲かっても礼はいらんが損しても文句は聞かない」と断っておこなった最初で最後の推奨であったが、プラスに終わってホッとしている。誰か真に受けた人はいるのかな。結局、パニックが起きている時に逆のことをすれば、多かれ少なかれ報われるということなのであろう。今後の皆さんの投資がうまくいくことを祈念しつつ、この稿を終える。
posted by kaoruww at 23:59| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月06日

不毛すぎる牛丼価格競争について

2月19日のエントリーで「牛丼チェーンは「デフレ戦線死の行軍」といった感じで、どこまで市場が収縮するのか、下げ止まり感がないだけにざっくりした予想も立てられない」と書いたけれども、ますますシャレにならない状況に陥っている。

すき家と松屋、最安値250円に 吉野家つぶし“仁義なき牛丼戦争”(サンケイBiz)
 牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーは5日、全国の繁華街や都市部の店舗百数十店で、牛丼並盛りを通常の280円から250円に値引きするキャンペーンを4月9日〜21日まで実施することを明らかにした。

 松屋フーズも同日、牛めし並を通常の320円から250円に値引きするなどのキャンペーンを12日〜23日まで実施すると発表。吉野家が7日〜13日まで通常380円を270円に値引きするキャンペーンに対抗するのが狙いとみられ、“仁義なき牛丼戦争”が幕を開けた。

外食業を中心としたチェーンストアについて触れることの多い当ブログだが、牛丼業界についてはもはや真面目に分析する気力を失った。2ちゃんねるまとめサイトからレスをいくつか抜き出し、それにコメントを付けるにとどめる。
125 : ゴボ天(埼玉県):2010/04/05(月) 15:46:24.14 ID:sRdDLW4x
まとめ

吉野家 7〜13日 270円
すき家 9〜21日 250円
松屋  12〜23日 250円
苦しまぎれに吉野家が繰り出した「一週間期間限定最安値」が、2社の後出しじゃんけんによりほぼ無意味と化した。この戦略が失敗した理由は明らかだ。「期間限定」などという中途半端な施策を打てば、その期間にかぶせてこられるのは当然である。
64 : レンチ(アラバマ州):2010/04/05(月) 15:38:58.53 ID:25MFIMhS
ここが攻め時だもんなー
すき家の方が一枚上手だったな
さらに吉野家にとって悪いことに、ファミリー客狙いのすき家は郊外店の値段は変えず、繁華街中心の吉野家との競合店舗だけを値下げするという見方がある。BSE騒動では単品経営というメニューの集中が裏目に出、今回は出店地域の集中が裏目に出るのかもしれない。
307 : オープナー(関西):2010/04/05(月) 16:12:05.59 ID:1lJBeNU8
吉野家がこれだけトンチンカンな経営判断を続けてきて
まだ続いてるのが不思議だわ
よっぽど財務が強いのか?
その通り。こちらが連結決算推移。2期前に70%だった自己資本比率が前期60%に下がっているし、今期さらに下がるだろうが、4年や5年で潰れはしない。迷走前まではいかに優良企業だったかということだ。
26 : 木炭(高知県):2010/04/05(月) 15:32:32.70 ID:5iSdLSTd
もう消費者置いてけぼりで意地の張り合いだなw
たしかに誰もここまでやれとはゆーとらん。


これまでにも吉野家の戦略ミスについては繰り返し指摘してきたが、もう「貧すれば鈍する」「泣きっ面に蜂」という言葉ぐらいしか出てこない。事ここに至ってやらねばならないことは明らかだ。競合他社もこれ以上の価格競争を望んでいるわけではないのだから、(消極的戦略であっても)価格を他社と横並びにして顧客の流出を止めること。既存店売上高が前年比15%以上減っている非常事態なのだから、まずは出血を止めるのが最優先だ。同時に失敗続きの買収戦略をストップし、赤字を垂れ流している関連会社を売却すること。特に後者を先送りしていると、今のところは健全な財務がみるみる痛んで、本当に首が締りかねない。

しかしこれまで繰り返してきた迷走ぶりを見ると、残念ながら社長をはじめ吉野家首脳陣は既に当事者能力を失っていて、まともな対応策を採用できないのではないだろうか。自ら身を引かないのであれば、株主サイドからの強制的な働きかけも必要だろう。


ともあれ、当面吉野家の財務が強いためにこの不毛な競争が長引く可能性は十分にある。デフレ環境のみならず、個別の会社事情も相まって、市場参加者全員が敗者になるのかもしれない。


<追記>
本日吉野家は業績の修正を行った。

通期連結業績予想の修正に関するお知らせ(PDF注意)

10年2月期の連結最終損益が89億円の赤字(前期は2億円の黒字)と、予想の13億円の赤字から大幅に下方修正した。本業の損益を表す営業損益でも約9億円の赤字だが、連結子会社の持ち帰り寿司「京樽」で約24億円、ステーキチェーン「どん」で約17億円の特別損失をそれぞれ計上、その他もろもろの減損もたっぷりである。

これにより総資産を現在のままとして計算すると、自己資本比率は52.3%に低下する。3期前の70.1%から、69.0%→60.3%→52.3%と比率が下がっているだけでなく、自己資本の絶対額も減り続けている。来季の明るい展望もまるで見えない。速やかにグループ企業の売却を進め、収支を均衡させることを当面の目標にするほかないだろう。


<追記>キャンペーンの結果が出た。5月12日のエントリーで。
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2010年03月25日

ユニマットライフMBO・渋谷爆発スパ在宅起訴

前エントリーをアップした翌日、東証一部上場のユニマットライフがMBOを発表したので記録しておく。

ユニマットライフがMBO実施、1株1350円で公開買付け(ロイター)
 [東京 19日 ロイター] ユニマットライフは19日、取締役会長である高橋洋二氏などによる経営陣による自社買収(MBO)の一環として、高橋氏が代表取締役を務めるユニマットレインボーによる普通株式に対する公開買い付けに賛同すると発表した。

 株式公開買い付け(TOB)価格は普通株式1株1350円で、買い付け期間は3月23日─5月11日。同社株は上場廃止となる予定であることを前提として行われる。

 買い付け価格の1株1350円は、3月18日の東京証券取引所市場第一部における普通株式の終値938円に対して43.92%のプレミアムが付いている。

 ユニマットレインボー株はユニマットホールディングが100%保有している。ユニマットライフが短期的な業績変動に左右されることなく、機動的かつ柔軟な経営戦略の実現が可能となるMBOによりユニマットホールディングスの完全子会社とすることが、企業価値の更なる向上につながると判断したという。
週明けから株価は暴騰し、今日の終値は1345円とMBO価格にほぼ並んだ。今日、もう一つユニマットがらみのニュースが出たのでそれも記録しておく。

東京・渋谷のスパ爆発:大成建設社員を在宅起訴へ 安全対策指示せず(毎日)
 東京都渋谷区の女性専用温泉施設「シエスパ」で07年6月、従業員ら8人が死傷した爆発事故で、東京地検は、施設を設計・施工した大手ゼネコン「大成建設」(新宿区)の社員を業務上過失致死傷罪で近く在宅起訴する方針を固め、死亡した従業員の遺族に伝えた。施設を所有していた「ユニマット不動産」(港区)の担当者についても刑事処分を検討している模様だ。

 事故は、営業中の07年6月19日午後2時半ごろ発生。施設別館の地下にある温泉くみ上げ施設が爆発し、1階更衣室にいた従業員3人が死亡、通行人ら5人が重軽傷を負った。警視庁は08年12月、大成社員とユニマット担当者ら計3人を書類送検していた。

 地検は事故原因について、温泉くみ上げで発生するメタンガスを外部に排出するU字形配管に結露で大量の水が詰まり、ガスが逆流して施設内に充満し引火したと特定。大成社員が配管設計時、水抜きをしないと配管が詰まりガスが逆流する危険性を認識していたのに、ユニマット側に水抜き作業を指示していなかった過失があると判断したとみられる。施設では水抜き作業が行われていなかった。

 ユニマット担当者に関しては、ガス検知器を設置するなどの安全対策を怠った疑いがあるとして詰めの捜査を進めている模様だ。

 ガス排出用配管は設計当初、水がたまらない直線状だったが、付近住民から「家の近くにガスを排出しないで」と苦情があり、開業前にU字形に変更された。ユニマット側は住民説明会でガス検知器設置を約束したが、実行していなかった。
事業再編により公の場から姿を消し、次に話題になるのは、沖縄でのトラブルなり創業者の青山での行状なりということになるのだろう。
posted by kaoruww at 17:06| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月18日

ドトールコーヒーがカフェラミル・オーバカナルを買収

ドトールコーヒーは、ユニマットキャラバンとユニマットクリエイティブから、高級カフェの「カフェラミル」、ティーサロンの「ニナス」、カフェ・レストラン・ブーランジェリーの「オーバカナル」の3事業を買収する。取得するのは「カフェラミル」23店舗、「ニナス」11店舗、「オーバカナル」8店舗の計42店舗で、業績は売上高42億7400万円、経常利益3億1900万円。買収価格は22億6000万円。ドトールコーヒーは「高級喫茶のカフェラミルを持つことで、低価格から高価格の業態が揃う。これまで出店できなかった立地にも高級業態で出店できる」と強調している。

オーバカナルのグループ化により、ドトールが有楽町と霞が関で2店舗のみ展開しているイタリアンバール「バリッシモ」にも何らかの影響があるのだろう。バリッシモは07年10月に初出店したが、「ドトールコーヒーショップ・エクセルシオールカフェに続く第3の柱にする」と意気込んだわりには店が増えず、ドトールのHPに行っても店舗検索で出てこないという残念な状態にある。

ユニマットキャラバンは98年にカフェラミルを、03年にオーバカナルを買収したが、店舗営業による事業拡大をあきらめ、コーヒーの焙煎と卸売事業に特化する。オーバカナルはオライアン→ユニマット→ドトールと経営母体を変え、ようやく安住の地を得たわけだ。07年11月に買収したフレッシュネスバーガーは、既に09年9月に親会社のユニマットライフに譲渡している。

哀れなのはそのフレッシュネスバーガーで、06年に新光証券系投資会社に10億円の第三者割当増資をして44%の株を持たれ(時価総額22億7千万円)、その後ユニマットキャラバンが73%を取得。そして09年11月現在、ユニマット創業者の高橋洋二氏が41%、高橋氏の親族が経営する資産管理会社・マラルンガが31%、フレッシュネス創業者の栗原幹雄氏が15%所有している。マラルンガは31%の株を1億6千万円で買収しているので、時価総額は5億円強ということになる。平成21年3月期決算では売上高45億5400万円・純利益1億6500万・純資産5億2500万円なので、非上場会社だとこんなものだろうか。

たった4年で時価総額が4分の1以下になってしまったあげく、いまだにユニマットグループから手離してもらえない。無駄にイメージだけ良くすると経営者のアクセサリーになってしまうという典型的な例だ。ちなみにイタリア製オサレ家具屋・カッシーナも赤字を垂れ流しているがユニマットは手放さない。

外食の店舗展開をあきらめること自体は事業家として機を見るに敏ということだろうし、とりたてて悪いことではない。ただ高橋氏がどういう経営スタイルの持ち主なのかは、本業のサラ金(ユニマットレディス)を、法改正を見越してスパッとシティグループに売り払ったことからも読み取ることができただろう。もしそれができなかったというなら、もはや高橋氏の問題ではなく、読み取れずにユニマットの外食部門に入社した側の問題ということになる。


ともあれ、外食が本業のドトール・日レスホールディングスが買い取ったことは幸いだった。よいニュースである。
posted by kaoruww at 13:43| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月02日

Twitterで流行する自己言及系サービスについて

「××占い」「××ったー」といった、自己診断系サービスがTwitterで大人気だ。自分のアカウントを入力すると「あなたは××に例えると○○です」といった答えが出てきて(根拠はない)、それをTwitterでつぶやき、その答えについて自分で感想を述べたりもする。使われ方からいえば「自己言及系サービス」と言ったほうが適切だろう。あまりに人気があるために、Twitterで現在どんな話題が多く言及されているかを表示するばずったーというサービスでは、上位がこの「自己言及系サービス」のセリフで占められてしまい、本来の目的である「今、何が語られているか」がわかりにくくなっているほどだ。ツイットメーカーなるジェネレーターまであって、簡単に設問を作ることもできる。

私もものは試しとアカウントを入力してみたことがある。思いがけない答えが出てくればちょっとおかしいものだ。でも根拠が無いことは知っているわけだし、暇つぶしのたぐいに過ぎない。答えはすぐに表示されるのだから、暇つぶしにすらならないかもしれない。そんなテキトーな答えをTwitterに書き込み、自らツッコむことがなぜ流行っているのだろうか。

結局のところ「自分について語りたいし自分を知ってほしいけれど、語るほどの自分がない」という身も蓋もない理由に行き着いてしまう。商業利用ではない、個人がやっているブログやTwitterには、多かれ少なかれ自己表現・自己顕示が含まれるが、語るに足るほどの「自分」や「自分の意見」を持っている人は多くない。仮に「語るに足る自分」があったとしても、それを文章なり絵なり写真で表現するスキルを持つ人はさらに少ない。このサービスは自分の名前を入力してポチっとするだけで、短いながらも自己言及ができる。いや、むしろ短い方がいい。なにしろ語るほどのことがないのだから。

勘違いしてもらいたくないが、「語るに足る自分が無いなどとは情けない」と言いたいわけではない。「わたしはデュシャンとマルキ・ド・サドが好きでわたしはマイナーだけどどっかの王室御用達のショコラが好きでわたしは最近好きなデザイナーが死んだので大泣きしたのでわたしは」みたいな病的な文章をまき散らすより100万倍マシだと思っている。

ここから「社会は分断され、人と人との絆は弱まり、ああ、だからこそ人は自分のことを誰かに知ってほしいのだ」みたいな取ってつけたようなまとめ方をする趣味はない。そういうことははてなあたりの誰かが書けばいいことだ。辛気くさい長文は書きたくない、というか長文を書く意欲がないんだけども。


いきなりTwitterのタイムラインにこういうつぶやきが出てきたらテロみたいなものなので、こちらに書いた。私も意外と気を使っているのである、と自己言及しておく。以上、山手線の駅に例えると目黒駅のkaoruwwがお送りしました。
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2010年02月19日

ファストフード1月月次

2月になって初めての更新が19日。当ブログは2月末で丸6年になるのだが、こういうことになるとは思わなかった。特にこのままフェードアウトするという予定はないが、当面はこんな感じで。寒いし。今回はデフレの最先端をゆくファストフード業界1月月次について記録。

すき家 客数12.6%増 客単価13.1%減 売上高2.2%減
松屋      4.5%増     8.5%減    4.4%減
吉野家    9.0%減     4.4%減    13.1%減 

・12月に値下げしたすき家だが、早くも値下げ効果剥落。売上げ減に。
・吉野家の危機的状況に変わりなし。現在50円引きセールをやっているが、焼け石に水だろう。しかも12日に発表したグループ企業・京樽の業績予想を、2億2千万円の黒字から一気に26億1800万円の赤字に修正した。ステーキのどんは「継続企業の前提に重大な疑義」がある状態だし、あっちからもこっちからも火の手が上がっている。

マクドナルド 客数11.0%増 客単価0.9%減 売上高10.0%増
モスバーガー    1.7%減    4.8%減     6.4%減
KFC         3.0%増    3.3%減     0.4%減

・マクドナルドが好調すぎるぐらい好調。
・モスは前年同月の売上げが2ケタ台の増加率だった反動も。
・サントリー子会社で非上場だが、ファーストキッチンは売上高が2.8%増と好調。


ともかく牛丼チェーンは「デフレ戦線死の行軍」といった感じで、どこまで市場が収縮するのか、下げ止まり感がないだけにざっくりした予想も立てられない。
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2010年01月28日

牛丼市場収縮・ボッタクリコナもん屋など、外食関連ニュース4件

11月26日の松屋・12月3日のすき家の値下げを受けて、値下げしなかった吉野家がえらいことになっている。12月の前年比月次売上高は以下のとおり。

すき家 101.6%
松屋  96.7%
吉野家 77.8%

危機的状況だ。最安値で唯一売上げを伸ばしたすき家にしても、客数は115.9%と伸びたが客単価が87.7%で、売り上げ自体はほぼ横ばい。松屋も似たような状態で、吉野家の一人負けとはいえ他社が楽になっているわけでもない。限られたパイを奪い合ったあげくに市場自体が縮小している。デフレ経済の未来が牛丼屋に露骨な形で現れているわけだ。

吉野家の業績改善策については、年末に週刊現代で「あなたが「吉野家」社長なら、どう対抗する?!」とネタにされていたが、思いつきの価格政策でどうにかなるようなものではない。とにかく吉野家は野放図な買収戦略で図体が大きくなりすぎている。価格については他社と横並びにして出血を押さえる程度のことしかできないはずだが、今は牛丼を何杯売るといった話よりも、不採算事業を切り離すことが最優先だろう。

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そうはいっても過去の遺産のおかげでまだしばらくはなんとかなる吉野家に比べ、もはや待ったなしなのがペッパーランチを展開するペッパーフードサービスだ。お客を監禁レイプ・広告会社の営業マンに店長が暴行・食中毒の発生と、もはや存在自体が社会に害をなしていると言わざるをえない企業であるが、当然ながら業績は悪い。09年12月期の業績修正予想によると、5億6400万円の純損失(前回予想時は1億4300万円の純損失)を見込んでいる。

07年12月期  -3億8100万円
08年12月期  -4億7600万円
09年12月期  -5億6400万円 ←new!

08年12月期の段階で残された自己資本が6億2800万円だったわけで、ここから5億6400万円もの赤字を出したら、もう債務超過は目の前だ。無くなってもこんなに惜しまれない外食チェーンもめったにあるまい。

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ロッテリア、リヴァンプ提携解消(サンケイBiz)

ロッテがリヴァンプの出資分33%を買い戻し、お役御免に。ロッテ側は「ロッテリアが次のステップに進む足がかりができた」、「ファストフードとして目指すべき形が固まった」などと言うものの、提携の成果や提携解消の条件に関する具体的な数字の発表は一切無し。武士の情けでツッコんでくれるなというところか。ロッテとリヴァンプが組んで経営しているバーガーキングやクリスピー・クリーム・ドーナツがどうなるかは不明。どちらもいい話は聞かない。ウェンディーズも消えてしまったし、マクドナルドばかりが好調のハンバーガー業界である。

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「ドミノ・ピザ」、米投資会社が60億円で買収(日経)
 米投資ファンドのベインキャピタルは25日、宅配ピザ店チェーン3位の「ドミノ・ピザ」を日本で運営するヒガ・インダストリーズ(東京・千代田、ヒガ・アーネスト・マツオ社長)を買収すると発表した。筆頭株主で44%出資するダスキンや、12%保有する創業者のヒガ社長らから全株を2月1日付で取得する。買収金額は60億円。ダスキンは他の事業との相乗効果がないと判断、保有株を売却する。

 ベインキャピタルは米国のドミノ・ピザの全株式を1998年に取得。経営陣を送り込み、2004年に同社をニューヨーク証券取引所に上場した実績がある。今回は保有株の受け皿を探していたヒガ社長がベインに買収を持ちかけたのがきっかけという。

 ヒガ氏は2月1日付で社長を退任する予定で、その後はベイン側が社長を含めた新経営陣を派遣する。ベインはドミノ・ピザが店舗を展開していない中京地区などに出店していく計画で、同ファンドが現在約30%を保有する米ドミノ社との連携も検討する。
というわけで、ミスタードーナツを展開するダスキンとの不思議な提携関係も成果なく終了。ここのところ、

日本の宅配ピザの値段に驚愕した外国人たちのコメント(誤訳御免!!)
ピザMサイズは201円で作れる(デイリーポータルZ)

などピザについての話題を見かけるが、要は日本の宅配ピザ会社はアメリカのPEファンドが100%買収したくなるようなおいしいビジネスということだ。外食関係者には「昔に戻ってビジネスを立ち上げるられるなら宅配ピザチェーンをやる」という人がけっこういると聞いたことがある。うまい商売なのだ。このご時勢にテレビCMをバンバン打てる外食業態など他にない。うどん屋・お好み焼き屋とイメージは違うが、ここもコナもん屋であり、原価率の低さはめくるめく程である。「ピザ」という昔からあった商材を「宅配」と組み合わせることで新しい価格体系を受け入れさせ、広告によって洗脳状態を維持するという、マーケティング的に非常に面白いビジネスだ。

「中華そば」が「ラーメン」へ移行したことにより価格帯が大きく上昇したことは有名だが、宅配ピザも言及されることはほとんどないものの、売り方を変えることで大幅な値上げに成功した例である。デフレ経済下においても、大いに研究するに値するビジネスであろう。  
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2010年01月15日

安西記者八海山麓へ、そして谷川氏の黒魔術は衰える気配がない

きっかけはK-1イベントプロデューサー谷川貞治氏のTwitterでの発言だった。送られてきた年賀状のベスト5を発表するという。

K1_Tanyでは、僕に届いた年賀状インパクト編ベスト5を発表します。第5位は正道会館中本館長代行!…素敵です! http://twitpic.com/y0xwx

K1_Tany続いて第4位、朝青龍!…誘ってほしいのかな? http://twitpic.com/y0y9m

K1_Tany第3位、さくらまやちゃん!…かわいい〜! http://twitpic.com/y0ysc
そして2位は飛ばして第1位。
K1_Tany第1位は、DEEPの佐伯さん!…ぶぁっはぁっはぁ! よくこれで送れるな〜! http://twitpic.com/y0z16
この2位の年賀状が、昨晩たいへんなセンセーションを巻き起こしたのである。これだ。
K1_Tany第2位、元格通・安西さん!…「ひどい人生になってきました」のコメントが泣ける! http://twitpic.com/y0yy4

安西inひまわり畑


この「元格通・安西さん」とは、ベースボール・マガジン社記者の安西伸一氏のこと。彼は週刊プロレスから格闘技通信に転じ、当時の格通編集長・谷川氏の部下として働いていた。日本における総合格闘技勃興期にグレイシー柔術を詳しく紹介した人物として知られる。と、公式的にはこういう紹介の仕方になるのだろう。しかし実際のところは「安西グレイシー」と呼ばれるほど客観性なしにグレイシー一族にのめり込むような個性の強い記者で、キャッチーすぎるルックスと相まって、読者からは「変わりもんの記者」と認識されていた。

そのちょっと強烈すぎる個性は、ヒクソン・グレイシーに恋愛相談をした顛末をテレビ出演時に嬉々として話すほどである。私もこの番組を見ていたが、今田耕司とケンドー・コバヤシの「うわ、コイツマジでヤバいって!」という表情は忘れられない。その時の模様はこちらのサイトに詳しい。

安西グレイシーの恋(てれびのスキマ)

その名物記者が、どういうわけだか新潟は八海山の麓で倉庫番をしているのだという。これはいやが上にも盛り上がらざるをえない。

K1_Tanyそのとおり! RT @ObeyTrack: これって一般的に左遷ですよね? RT @K1_Tany 第2位、元格通・安西さん!…「ひどい人生になってきました」のコメントが泣ける! http://twitpic.com/y0yy4

K1_Tanyスーザンボイルにも似てるよね。 RT @oogiewoo: このひまわり畑行ったことある。この絵を撮るのは実は大変。その点も 泣ける。 RT @K1_Tany: 第2位、元格通・安西さん!…「ひどい人生になってきました」のコメント

K1_Tanyそうなんだよ。 RT @GxAxCxK: BBMなんでそんな所に倉庫を…ター山の左遷はまだ甘い方だったんですねRT @K1_Tany: 第2位、元格通・安西さん!…「ひどい人生になってきました」のコメントが泣ける! http://twitpic.com/y0yy4

この「ター山の左遷はまだ甘い方だったんですね」というのは、週刊プロレスの部数を伸ばし一世を風靡したものの、新日本プロレスから取材拒否されて週プロ編集長を辞任したターザン山本氏のことである。その後まったく畑違いのヨーロッパ文学編纂担当に異動させられ、さらにベースボール・マガジン社サイドから大幅な減給の提示を受けて退社。今では不遇と貧窮を呪う文章をウェブ上で書き散らすばかりとなっている人物だ。これより安西氏の方がキツいと言われているわけである。

K1_Tanyあるけど、東京から飛ばされた人は知らない RT @snakedoctorK: 新潟に倉庫はたしかに多いが,ベーマガに倉庫ってあるのかしらん QT @jazzylordこれホントかなぁ?べーマガの新潟の倉庫って・

K1_Tanyまだ知らせてないや RT @sencha_man: @K1_Tany 元上司へぶつけた本音をweb上で公開されるなんて思ってなかっただろうなぁ…安西さんカワイソw

K1_Tany安西さん1位昇格! RT @1fuji: @K1_Tany 佐伯さんも、「安西さんなら1位でいいですよ」と言いそうです。

K1_Tany誰も引き取らなかったんだろうな… RT @Robirobita: 去年秋には番組でボクシングマガジン配属だって言ってたのにRT @K1_Tany ああ、無情なり。 RT @Yoshinobi: @K1_Tany 安西さん、大好きなグレイシーと共に凋落したんですね…

K1_Tany筋金入りの変な人なんだよね RT @cyborg_isamu: @K1_Tany 安西さんNHKの「熱中夜話/ウルトラマン」の回に一般人マニアとして出席してるのを見ました、、。

K1_Tanyなんだよ〜と言うと思います。 RT @kaoruww: 確かに爆笑したけど、谷川氏のキラー天然ぶりは恐ろしすぎる RT @K1_Tany: まだ知らせてないや RT @sencha_man: @K1_Tany 元上司へぶつけた本音をweb上で公開されるな

K1_Tany本人驚くだろうな RT @hide65: @K1_Tany: 安西さんの件、突っ込むと悪いのかなと思ってましたけど、しるこサンド並に拡散してますね。しかも本人の了解取ってないとは.… 格闘界は非情ですね

K1_Tany断言します、何も余程のことはないです RT @cozyzo: @K1_Tany じゃあ、倉庫に飛ばされたって余程のことなんですね。何したんでしょ?

K1_Tanyきみぃ、吹き矢! RT @snakedoctorK: ということは辞めろってことじゃん 空気読まないと安西さん QT @K1_Tany あるけど、東京から飛ばされた人は知らない RT @snakedoctorK: 新潟に倉庫はたしかに多いが,ベーマガに倉庫ってあるのかしらん

K1_Tanyその突っ込み、ありがとう! RT @harataco: いえ、安西さんこそ宝です(笑)RT @K1_Tany: 宝の山だよ RT @katu2000: @K1_Tany 倉庫番を付けるほど膨大なモノが収められているベーマガ社の倉庫の中身が気になります

と、格闘技ファンは衝撃の事態に驚きの声をあげ、谷川氏は相変わらずの天然ぶりで呑気にコメントを返すという、混沌とした深夜であった。そして今日の昼、谷川氏からこんなつぶやきが。

K1_Tanyおはようございます。昨日はたくさんの返信ありがとう!あれから、何年ぶりに安西さんの声が聞きたくなり、電話しました。『ツィッターって知ってる?』と聞いたら、人の名前?だって。それ以上言えませんでした。

いやそれは言わないと!!

K1_Tanyあの人、驚くと声を出して『がーん!』と言うんだよね。 RT @JUJITSU_LION: @K1_Tany 早く教えてあげて下さい!もっとスゴイ所にとばされちゃいますよ!笑

K1_Tanyこんな新情報が… RT @sbmoriya: 去年、腰の持病が悪化した状態で取材に来て真っ青な顔で吐息をもらしてた安西さん。最後は心臓が苦しいといってズリズリとヘタリこんで介抱されてましたが最近は元気なのでしょうか RT @K1_Tany

K1_Tanyベースは本当にいい会社です! RT @sencha_man: 谷川さんのつぶやき、BBMの人が見ていないことを祈りますw RT @K1_Tany: 安西さんの人生に光を! RT @Hitoshiii: @K1_Tany 倉庫番なら、つぶやく時間たくさんあ

この心のないフォローが素晴らしい。
金曜夜に片道三千円の高速バスに乗るという安西氏は今ごろ車中の人かもしれないが、まあ彼のことはどうでもいい(キッパリ)。見てのとおり、谷川氏の無防備すぎるというか、無意識丸出しの受け答えは一見の価値がある。谷川氏がTwitterをはじめたのは、大晦日に行われる紅白裏番組Dynamite!!のプロモーションのためだと思われた。しかし年が明けたらやめるのでは、やめずともペースは落ちるのではとの声をよそに、Twilogによると11月11日からTwitterをはじめたにもかかわらず既につぶやき回数が2800を超えていて、一日平均つぶやき回数は43.7件とのこと。

K1_Tanyちょっと腱鞘炎ぽくって。 RT @Jigoroh: @K1_Tany 谷川さんには珍しく、長時間ツイートしてないですね。 今日はOFFかな?

どう考えてもやりすぎだよ!

有名人が多くの@をつけたメッセージ(Mention)を受け、それに次々に返事をしている様子を見ていると「極真空手の百人組手みたいだなあ」と思うのだが、谷川氏ほど激しく行っている人も滅多にいないだろう。さすが元格闘技雑誌編集長である、と、ネタにさせてもらったお礼に最後ぐらいは持ち上げておきたい。タニー!これからもがんばってね!(←いつの間にか取り込まれている…これが谷川黒魔術か……)
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2010年01月07日

アバクロンビー&フィッチ銀座店

アバクロ銀座店がアジアのフラッグシップストアとして開店したのが12月15日のこと。そろそろ開店景気も静まったろうしということで、行ってきた。ここで私の印象批評を長々と読んでもあまりお役に立ちそうにないので、まずは3つの記事にリンクする。これを読むだけで銀座店のおおよそのイメージはつかめるはずだし、経営上の問題点も把握できるだろう。リンク先だけ読めば必要十分だと思う。私の文章は蛇足というか、おまけということで。

「本場よりイケメン」「高すぎる」…ファストファッションと一線画す“アバクロ”上陸、来店客の評判は?(日経トレンディ)
内部の様子や顧客層がわかる記事。

アバクロ銀座店に行ってきました
アバクロ日本上陸、気になる実際の日米内外価格差は?(ファッション流通ブログde業界関心事)
 
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銀座四丁目交差点から新橋方面に向かうと、爽やかなような甘いような香りが漂ってくる。「これが噂に聞く店内に充満するという香水かな」と思っていたら、真っ黒な建物のドアの前にイケメンがふたり。こちらの記事で見たようなはだけ方はせず、ちゃんとボタンをしめている。

中に入ってみる。暗っ!そんで音デカっ!さらに香水の香りが充満。目の前では「店内ならいいだろ」とばかりに、上半身裸の白人マッチョがほかの店員とハイテンションにハイタッチしている。なんじゃこれ。入った瞬間ツカミはOKである。 

1階には商品がない。ともかく上に上がらなければならないのだが、11階まである吹き抜けの階段を登るわけにもいかず、当然エレベーターへ。しかしエレベーターを動かす「ストアモデル(シャツのボタンはひとつも留めず、おもいっきりはだけている)」の説明によると、2階から6階がメンズ、7階から11階がウィメンズだが、7階にしか止まらないのだという。説明が終わると箱の中にまで響きわたる音楽にあわせ、自らの太腿を叩いてリズムを取っていた。どうも最初から最後までこのノリで押し切る覚悟らしい。そうか。

7階で客が全員降り、女性陣は階段を上がっていく。いちおう全部見るつもりではいたのだが、なにか早くももーえーわという気分になり、そのまま階下のメンズフロアを目指す。しかし入った瞬間から疑問だったのだが、なにかフロアがやたら狭くないだろうか。6階に降りた段階で、ようやく売り場の全貌がわかった。超狭い。1階では暗すぎてよくわからなかった、というか、目の前の壁で終りなはずがないと思っていたのだが、本当にそこが行き止まりだったのだ。これでは11階まであっても、総面積にしたらたいした広さではないのではないか。上記2番目のリンク先に「フィッティングは4階と10階、レジは3階と11階」とあるが、それぞれの階にこれらの設備を置けないぐらい狭いのだ。しかし試着ひとつするにも階段の昇り降りを強いられ、買う段になったらさらに別の階に行かねばならないとは……

重低音の大音響により持っている荷物がビリビリ震え続ける中、手すきのイケメン店員が踊っている。うむ。商品についてはダメージ加工されたおもしろい風合いのものが多いように思われたが、どうも手に取ってみている人は多くないようだ。お客はそれなりに入っているものの、全体に様子見という感じ。試着するのも前述の事情により面倒なので、仕方がないだろう。

結局、超美人ストアモデル(女性もいる)に「お手に取ってご覧下さい」と言われて「あっいやはい」と軽くへどもどしたり、香水を試しているうちに全身香水臭くなったりしつつ、ようやく外に出たときにはホッとした。ゲームセンターから出た瞬間街が静かに思えることがあるが、あれと同じだ。銀座の雑踏がずいぶん静かに感じられたものである。気に入ったものがあればシャツの一枚も買うかと思っていたが、なんだかそれどころではなかった。


おそらく、アバクロはここで大きな商売をしようとは思っていない。売り場の構造にしても値付けにしても、ガンガン売ろうという意欲は伝わってこなかった。「銀座にアバクロのショーウインドーを作った」という以上の意味はないのだろう。それならあの狭さもわかる。これから日本の大都市に10に満たない店舗を布陣したら、さっさと大消費地である中国に向かうのではないだろうか。銀座の街なかで写真を撮りまくる、中国語を話す女性たちを見た。彼女たちは帰国してからさまざまな中国未進出のブランドについて、知り合いに話すに違いない。アバクロが日本に進出する前に、日本人がそうしたように。アバクロで銀聯カードが使えるかどうか確認しなかったのは失敗だったと、今気づいた。
posted by kaoruww at 23:55| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月31日

2009年qzmp blogをふりかえる

1月 
初更新からいきなりGIRL NEXT DOORについて書いていて驚いた。

20日 1984年以降にオリンピックを開催した国がどうなったかを書いている。まだリーマンショックの衝撃覚めやらぬ頃だ。「ギリシャは5年前にアテネオリンピック(04年)をやったばかりだが、おそらくは来年、下手すると今年中にデフォルトしてしまいそうで、なんだかびっくり」とある。この予想は2年越しのものなので、変更する必要はない。いちおう「デフォルト」の定義の中にはリスケジュールも含まれる、と言っておきます。国際金融的にはそういうことなんで。あと韓国は為替が暴落したために輸出競争力が急激に上がって息を吹き返した。ここまでよくなるとは意外。中国はやっぱりなんだかわからない。無理してるなあとは思う。

その他、音楽専門チャンネルM-ON!で流された「アイドル百科事典」の感想など。


2月 
12日 いち早く増田悦佐がジパングに転職したことを伝える。ジパングには今年もいろいろ笑わせてもらった。サンキューと言いたい。

23日 当ブログが04年の初期から伝え続けてきた、日本最悪のブラック企業・SFCG(旧商工ファンド)がついに破綻。これがあっただけでも、今年はそう悪い年ではなかったような気もする。


3月
8日 ジパング信者襲来のお知らせ。結局この時の裏口上場は、相手企業の資金繰りのために金を使っただけで失敗に終わった。あれまあ。

18日 ユニクロ、ジル・サンダーと契約について。ここでリンクしたYouTubeの動画がいまだに削除されていない。だからはやく削除依頼を出せというのに。


4月
3日 倉科カナがまさかのNHK朝ドラ主役抜擢。現在放送中だが、そこそこ視聴率がいいらしい。理由を聞いて呆れたが。みんなそんなにおっぱいに飢えているのだろうか。言っとくが私は見てないですよ。

6日 倒産寸前のジャストシステムが生きながらえた件。どうもこれが今年一番読まれたエントリーのようだ。「ジャストシステム 倒産」でぐぐると上位にくるため。各方面に心配されているようだが、Googleが無料でけっこう使える日本語入力システムをリリースしたため、ますます心配の種が増えたかもしれない。少なくともキーエンスは困ってるだろう。このあと創業者の浮川夫妻は退任した。


5月
1日 再びのデフレについて。「金融のクラッシュが実体経済に現れるのに2年かかるとされる。今度の秋で2年。経済の収縮が進行し、現実に苦しみを感じるのはまだこれからということになる」と書いたが、日本については実際年後半になってからの方が厳しかった気がする。欧米はまだまだ麻酔が効いてるみたいだ。来年は切れそうだけど。


6月
6日からTwitterをはじめた。個人的にはこれがネット関連では今年最大の変化だった。この後てきめんに更新ペースが落ち始める。

9日 幸福実現党いじり。麻原彰晃マーチMIDIデータへのリンクあり。年末年始に君も歌ってみないか。

13日 立川でのストアコンパリゾン報告。松屋の新業態・松八に関して。

19日 吉野家がびっくりラーメンを放り出したことにからめて、子会社運営の失敗について。不治の病いだ。

27日 丸亀製麺ストアコンパリゾン報告。


8月
15日 終戦記念日に、植民地経営丸出しの日本マクドナルドの宣伝について。藤田も遠くなりにけりの感が強い。

29日 政権交代が成った総選挙前日、機械的加算効果について。


9月
17日 女性閣僚は記念写真を撮るとき、なぜこうなってしまうのかについて。

24日 みんなの党の可能性について。


10月 
9日 吉野家が本格的に業績悪化フェーズに突入の件。

22日 大連商品取引所の顧問にジム・ロジャース就任の件。

24日 消えた野菜先物について。


11月
11日 森繁久弥・ブレイク以前。終りの「と最後の部分を書きたかっただけなのに、長くなってしまった。これからは最後の段落だけをTwitterに書いて済ませようと思う」がポイントである。

21日 スタバがヤバいでござるの件。


12月
12日 さよなら日本電波塔の件。



今年はTwitterを使い始めたことにより、更新回数が大きく減った。リアルタイムウェブとブログの使い分けについてはまだ模索中といったところ。では、よいお年を。
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2009年12月25日

外食チェーンストア11月売上高などデータ備忘

外食チェーンストア11月売上高は1999年6月に調査公表以来最大の落ち込みの前年同月比5.8%減だった。客数は0.2%減だが、客単価5.5%減が効いた。10月は売上高0.4%増で、内訳は客数2.2%増、客単価1.8%減だった。客単価が下がっていることはくり返しここで書いてきているが、これだけ急激な落ち方を数字で見せられると、さすがにちょっと驚く。

業態別の売上高は、「和風ファミレス」12.9%減、「ディナーレストラン」が10.9%減と派手に下落、飲み屋の「パブ・ビアホール」も11.7%減。一方好調なのは丸亀製麺など「麺類ファーストフード」で、客数は11.4%増、売上高が同8.4%増。横ばいなのが餃子の王将など「中華ファミレス」で売上高0.9%増。

特にファミレス各社の売上高前年同月比を個別に見てみると、その厳しさがわかりやすい。

すかいらーく(ガスト、バーミヤン、夢庵ほか)94.5%
セブン&アイ・フードシステムズ(デニーズほか)87.5%
ロイヤルホスト88.5%
ゼンショー(ココス)88.4%
ジョイフル94.2%
サイゼリヤ113.0%

前年同月よりも土曜日が1日少ないため2、3ポイントの減少要因はあるものの、それをはるかに上回る落ち込みだ。

避けられない日常の外食需要は底堅いが、不要不急のハレの外食に関しては回数も単価も下がっているという感じかな。まだまだキツい状況から浮上する材料は見当たらない。

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でまあ関係あるような無いような話だが、「松屋のトマトカレーが夏限定でなくてレギュラーメニューとは知らなかった」とかこのあいだ書いたばかりにもかかわらず、今月初めにサクっと終了していた。これも先日指摘したことだが、低価格による客引き効果が薄れたので引っ込め、牛めしの値下げプロモーションに集中させたということだろう。期間をあらかじめ明示せず引っぱれるだけ引っぱってフェードアウトさせるという機動的なやり方は賢いかもしれんね。
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2009年12月22日

ゼンショー、選択と集中と脱法

ここにきて「すき家」「ココス」等を展開するゼンショーの動きが急である。12月1日にアートコーヒーを3億円で買収、10日にウェンディーズとのフランチャイズ契約を終了することを書いたばかりだが、今日は子会社である「なか卯」と「大和フーヅ」を完全子会社化するというニュースがあった。

なか卯と大和フーヅを完全子会社化へ ゼンショー(産経)

どちらもすでに過半数を持ち子会社化していた会社だが、今回の株式交換により非上場となる。

なか卯はモスバーガー子会社→総合商社双日子会社→ゼンショー子会社と、なんだか親がコロコロ変わる不憫な子のようなチェーンだが、これで落ち着くのだろうか。なか卯株1株に対しゼンショー株を2株割り当てる。本日の終値は、なか卯1029円・ゼンショー645円。なか卯株は1290円に評価されたということで、プレミアムは25.3%。

大和フーヅは埼玉県を地盤に、うどん屋やミスタードーナツ・モスバーガーのフランチャイジーをしている。元々は三洋電機の孫会社だが、三洋の経営不振により本業と関係のない会社は切り離すことになりゼンショーに拾われたという、これまたかわいそうな境遇である。なぜ三洋電機が外食に手を出そうと思ったのかは不明。大和フーヅ1株に対しゼンショー株を1.52株割り当てる。本日の終値は大和フーヅ880円だが980円で評価されたことになり、プレミアムは11.3%。こちらはずいぶん低い評価だ。

なか卯と大和フーヅはどちらもJASDAQ上場銘柄であるが、今日の出来高は300株づつしかない。時価総額はなか卯48億円・大和フーヅ33億円と小型。店舗を積極的に拡大する局面でもなく資金調達需要もほとんどないわけだから、上場維持コストがなくなるだけでも悪くはないということか。また配当利回り3%弱のキャッシュアウトがゼロになるのも、外食市場縮小環境においてはそこそこ良い投資ということになるのかもしれない。店舗の拡大よりも、事業ポートフォリオの見直しによって確実に利益を出していこうということのようだ。

 
と、ここまで読んで褒めているように見えるかもしれない。確かにこの局面での行動としては筋の通ったものであることは認める。会社を高値で買い、子会社化した後も赤字を垂れ流し続ける吉野家とはえらい違いだ。だが、ゼンショーの従業員に対する姿勢はブラック企業のそれである。まともな労働慣行を守らずに競争をするのは、マラソンで一人だけ10キロ地点からスタートするようなものだ。従業員を苦しめることで他社に対して優位に立つことを認めることは、結果として市場そのものを歪ませ、そのツケを最終的に「荒廃した外食環境」という形で消費者が支払うことにつながる。労働法を守らせることは社会正義の観点から重要であることはもちろん、健全な競争環境を作ることによって結果的にお客が得をするということでもある。

ゼンショーが起こした労働関連のトラブルは、「雇用者ではなく委託契約」と主張し脱法・残業代の未払い・残業代未払いを告発した従業員を言いがかりとしか思えない理由で告訴、などなどあげていったらキリがない。今年のものを2つだけリンクしておく。

「すき家」のゼンショーに団交応じるよう命令 都労働委
(11月9日・朝日)
すき家ゼンショー、残業代不払いを告発した店員を逆に告訴 「飯5杯盗んだ」(痛いニュース)

2chのまとめにリンクしたのは、オーラルヒストリーとしての価値があると思うからだ。表題のニュース以外にも様々なトラブルが書かれている。

学生時代に「社会を良くしよう」などと説教を垂れていた、全共闘崩れの創業社長の精神的荒廃があらわになるような話ばかりだが、こういった確信犯的脱法企業に対して行政が取れる手立ては限られている。遠回りなようでも一番効くのは、ブラック企業には金を払わないことだ。法に則って仕事をしているまともな会社を利用し、ロクでもない会社は使わないことに尽きる。消費の場においては主権は消費者にあることを、改めて確認しようではないか。こんな主張をすると「自分ひとりでなにができる」とシニカルに振る舞うのがクールみたいな態度を取る人もいるが、現実に行政よりもひとりひとりのお客の力の方が強い。「そういう店でも、行かなければ結局困るのは働いている人たちだ」などと屁理屈を言う人もいる。馬鹿げた話だ。ブラック企業が淘汰されてまともな労働環境を提供する企業が増えることのなにが心配なのだろうか。

私がゼンショーとモンテローザの店を利用しないのはこういう理由だ。ダイエー時代を最後にウェンディーズに行く機会のないまま日本から撤退することになり、それは淋しいことだが、なに、海外に行った時にまた会う日も来るだろう。それまではしばしの別れである。
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2009年12月21日

東京タワーが取った人質

東京タワーは関東地方にテレビの電波を飛ばすことを目的として建てられた、本来は地味な施設だ。が、高度成長期のシンボルというか、特に最近は「失われた古き良き時代」の象徴として扱われることが増えたように思う。その代表がリリー・フランキーの小説だろうが、これ以外にもノスタルジーを喚起するアイコンとして利用されることがしばしばだ。

そのような「古き良き時代」なるものが本当にあったかどうかは藪の中だが、その東京タワーにまたひとつノスタルジー(もしくはうらぶれ感)を呼び起こすだろうニュースがある。1958年(昭和33年)のタワー開業以来営業を続けてきた「タワー大食堂」が12月31日に閉店するのだ。

紹介ページ魚拓)に店内画像があるのだが、今どきこんな横長のテーブルにパイプ椅子なんて学食でしか見ないだろう。メニュー魚拓)を見るといきなり出てくるのが「修学旅行・一般団体用メニュー」であることからわかる通り、ここは団体用、言い換えればお上りさん専用食堂なのだ。「タワーご膳 3150円」とか、こんなところに押し込められて喜んで食べる人も滅多にいるまい。いくら東京タワーに来るお上りさんたちだって、さすがにもう少し気の利いたところに行きたがるだろう。下にスクロールすると個人向けメニューも出てくるが、ナポリタンだカツレツだポークソテェー(原文ママ)だと、なんとも古色蒼然としている。このまま高度成長期の遺産として蝋人形のように永遠に封じ込めておいたらどうかと思うような代物だ。ついでに3Fにある蝋人形館の経営の心配まで藤田田(デンと発音してください)に成りかわってしたくなるではないか。丸に田の字がまぶしい。


東京タワーは、テレビ電波塔、前述のような高度成長期のシンボル、またゴジラに代表される怪獣を呼び寄せる施設といった役割も含め、半ば公的な存在として扱わてれいる。しかしここは純然たる民間企業である日本電波塔株式会社が経営していて、しかもバブル期に創業者の息子がゴルフ場開発に手を出し、経営危機に陥っている。

東京タワー、借金100億円のカタ 元社長が事業に失敗(朝日)

テレビ局からの電波料収入により返済は進んでいるようだが、00年から06年までに53億円返済したということは、今だに数十億の借金が残っているということだろう。そして悪いことに2012年春には墨田区押上に634mの東京スカイツリー(Wikipedia)が開業する。

Wikipediaの東京タワー・地上デジタル放送完全移行に、日本電波塔株式会社が
「放送局の電波料収入が途絶えた場合、観光収入だけでは経営は難しく取り壊しもあり得る」と発言している。
とある。いってみれば脅しだ。今ですら団体客向け食堂を閉めねばならないのに、スカイツリーが開業したらどうなるか。観光収入が先細りの中、これからもなんらかの形で放送設備としての利用料が欲しい、それが無理なら財政支援が欲しい、どっちも無理ならアンタらの青春のシンボルは取り壊すしかないね、と言っているわけだ。


この「昭和のノスタルジー」を人質にしたチキンレースがどういう決着を見るかはわからない。スカイツリーの運用に関してはまだ未定なことが多く、事態が動くのはさらに何年もして、もろもろが煮詰まってからということになるのだろう。ただ、老人の発言権がむやみに大きいこの国では「ワシらの思い出を守れ」みたいな話があっさり通り、税金で鉄塔を維持するという冗談みたいな展開になっても、まったく驚くにはあたらない。


<参考>日本電波塔株式会社の有価証券報告書(有報リーダー)
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2009年12月10日

ウェンディーズ撤退・日本人に愛されすぎるダリル・ホールなど

ゼンショー、「ウェンディーズ」事業撤退(日経)
 外食大手のゼンショーは10日、ハンバーガー店「ウェンディーズ」事業から31日付で撤退すると発表した。米ウェンディーズ・アービーズ・グループ(ジョージア州)とのフランチャイジー契約を終了する。日本マクドナルドが強いハンバーガー業界では成長が見込めないため、経営資源を牛丼やファミリーレストランに集中する。

 月末に任期満了を迎える米社との契約を更新しない。ウェンディーズは現在、国内で約70店舗を展開しているが、1月以降の営業は「米社との協議次第」(ゼンショー)としている。

 米社が日本での新たなフランチャイジー企業を見つけてきた場合は、店舗を譲渡する。ただ米社が日本で営業しないと決定した場合は、ゼンショーが現在の店を牛丼の「すき家」やファミレスの「ココス」といったほかのブランドに転換する可能性があるという。
現在の外食市場の環境でハンバーガーチェーンのフランチャイジーをやりたいと思う会社はたぶんないだろう。フレッシュネスバーガーを買収したユニマットキャラバンもおそらく手を出さないのではないか。リヴァンプがロッテリアとバーガーキングの他に、さらにウェンディーズを加えるか。それもちょっとなさそうだなあ。

そう考えるとゼンショーの子会社である日本ウェンディーズは売るものがなくなってしまうわけだが、記事にあるように基本的にはすき家などに転換するとしても、ウェンディーズが展開している軽食向けの立地にはうまくハマらないケースもあるだろう。そこで12月1日のエントリーで触れた、ゼンショー初の喫茶業態であるアートコーヒー買収が意味を持ってくるのかもしれない。

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ホール&オーツの懐かしのPVを見ていた流れでダリル・ホールのソロを聴いていたわけである。「Dream Time」(86年)。いやあいいですね。



で、有名な話だがこの曲はZARDの「負けないで」(93年)の元ネタである(Wikipedia)。織田哲郎はいい仕事しやがるZE…検証動画があった。こちら。



まあねえ。で、この動画のコメント欄で知ったのだが、89年に出た大江千里のアルバムに同じく「Dream Time」をまるっきりパクパクした曲があるという。  



大江千里にはいちおうごまかそうという意欲が感じられる。しかし曲がどうとかいう以前にバブル期特有のファッションがおもしろい。振り付けもエエなあ。メガネの形を変えたらナイツの土屋っぽいかもしれんね。他にももう一つぐらいこの曲をパクったケースがあったと思うが、忘れてしまった。ダリル・ホール大人気である。いや、別に今さら20年も前のパクリを糾弾しようとか、そんな意図はまーったくないのだ。私が指摘したいのはこの次の話である。

「Dream Time」の、曲ではなくPVのイメージをそのままいただいたものがある。女がなにかに追いかけられて英国式の迷路庭園をさまよい、ゴージャスな洋館で黒いドレスを着ている。大量の洋楽PVが流れ込んできたバブル期にこれを見ていた少年が、ディレクターを任される歳になったということなのであろう。ヒット曲もないのに2度目の紅白出場を決めた、エイベックスゴリ推しでおなじみGIRL NEXT DOORの「情熱の代償」(08年)である。わかりやすく途中から。



まー今は「インスパイア」とか便利な言葉があっていいよねーというお話。一週間あいだを空けてしまった、というわけで、小ネタをふたつお送りしました。
posted by kaoruww at 22:53| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月03日

ジャストシステムを買ったキーエンス涙目

Google日本語入力がリリースされた。Webで日々使われている言葉がアップデートされるということで、非常に高い変換能力を持っているとたいへん評判がいいようだ。特に、いくつか文字を入れただけで予測される言葉が出てくるのだが、これが素早い上に適切。当ブログで使われそうな言葉をいくつか入れてみよう。

みすた→ミスタードーナツ
さんまる→サンマルクカフェ
おうしょ→王将フードサービス
すたーば→スターバックスコーヒー
よしのや→吉野家ディー・アンド・シー

うむ。これは楽だ。人名はどうか。

あべしゅ→安部修仁 
はらだえ→原田泳幸
ふじたで→藤田田
これは後ろに(デンと発音してください)まで入れてほしいな。
たきざ→滝沢ハム
これは肉関連ということで間違ってない。


というわけで、なかなかいいですね。
posted by kaoruww at 21:43| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月01日

アートコーヒー、ゼンショーに3億円で買収される

ゼンショー、「アートコーヒー」を買収(日経)
 外食大手のゼンショーは30日、コーヒー店「アートコーヒー」などを運営するアートカフェ(東京・港、若林悟社長)の事業を買収すると発表した。コーヒー店全35店と従業員45人を引き継ぐ。買収額は非公表だが、3億円程度とみられる。アートカフェは低価格のコーヒー店チェーンにおされ不振が続いてた。ゼンショーはメニュー改善などで立て直しを図る。 

 買収後も「アートコーヒー」の店名で運営を続ける。ゼンショーは牛丼やハンバーガー、ファミリーレストランなど幅広い飲食店を運営するノウハウを生かし、コーヒー以外の商品を見直すことで既存店をてこ入れ。一部食材はグループで共同調達を進め、利益改善につなげる。

 アートカフェは都内中心に店舗を運営し、コーヒー店事業の年間売上高は20億円強。利益は非公表だが、赤字だったもよう。業績低迷で2008年にコーヒー豆の焙煎(ばいせん)・販売事業を三菱商事に売却した後は、コーヒー店の運営に特化していた。
アートコーヒーという喫茶店はこうして記事を読んでみると、全国的にはあまり知られていない会社なのだろう。非上場ということであまり情報もなかったが、焙煎・販売事業を売却したというニュースはなんとなく記憶している。それで従業員が減っていたにしても、45人しかいないとは意外だ。

むかしJR新宿駅西口改札から丸ノ内線新宿駅に向かう通路の左側に、長いことアートコーヒーの店舗があって、子供のころの盛り場といえば新宿だった私にはなじみ深い店だった。その店舗もずいぶん前に撤退し、今ではサンマルクカフェになっている。その丸ノ内線きっぷ売り場があり、いくつかの商店がある空間を紹介したいと思ったのだが、いざ検索してもなかなか見つからない。小田急デパートと関係あるのかと思ったらそっち方面からでは見つからないし。ようやく見つけたが、メトロ食堂街というのだな。そこのB2。あまりになじんでいる場所というのは逆にいちいち名前など覚えていないものだ。「言われてみればそんな名前だったな」と思うぐらいで。

豆関連部門は三菱商事に、店舗部門はたった3億円でゼンショーに売却されてしまった。会社沿革を読んで、どうも創業者から次世代への継承がうまくいかなかったのではないかと想像するが、なにしろ大きな会社ではないから情報も少なく、なぜ会社がバラバラになるようなことになったのかは知るよしもない。店名は残すとのことだが、記事では35、HPによると32店舗しかないようだ。札幌や山梨にポツンポツンとあったりするのがおもしろい。ブラックだらけの外食業界の中でも特にブラックとして知られる会社に買われてしまったことは、従業員の皆さんにはたいへんお気の毒なことであるが、なんとかがんばっていただきたいと思う。


アートカフェ(公式)
posted by kaoruww at 00:25| 東京 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする