強制的な債権回収に必要な公正証書を違法な手続きで入手していたとして業務停止命令を出したと発表した。(略)金融庁によるとSFCGは連帯保証人から保証限度額を明記しない白紙委任状を取り公正証書を作成。限度額を超す債務保証を求められる証書作成例も75件あったという。ってこれ事実上根こそぎ財産奪われても抵抗できない状態ではないか。
「金が無いのは首が無いのと同じや」と言うが、金に困っている事業主はこんな書類にサインしてるわけで、人間切羽詰まると正気を失うんだなあ、という感慨はともかく、サインさせる方もさせる方である。いくらなんでもここまでしないだろ普通。
2004年12月07日に商工ファンドにまつわるちょっとした思い出とHPの面白さについて書いたのだが、このニュースを見て久々にHPを読んでみた。「投資家のみなさまへ」である。あっ、簡単にコピペできない形式に変わっている。くそー。考えたな。手入力するのめんどくせー。
訴訟件数を前々期比50.3%減少させました。(略)この訴訟件数の大幅削減は、途上与信管理の徹底と公正証書の事前作成によるものと考えております。
そらまあそうでしょうけど。
「SFCG型トムソーヤーのペンキ塗りゲームへの進化」についてご報告いたします。
なにそれ。
お母さんに壁のペンキ塗りを言いつけられたトムソーヤーがペンキ塗りをイヤイヤ一人でやるのではなく、あたかも楽しいゲームのように最も効率的に集団でやりとげてしまったというあの一節です。
はあ。
債権回収という必要条件を間違いなく充足して、その上で、各営業社員・店長が悪戯描きをするかの如く、楽しく営業成績を上げ
いたずら書きをするノリで財産を奪い、一家離散・自殺まで追い込むわけですね。
成績優秀者には会社所有のハワイの別荘を使えるという特典付きの「ハワイ旅行」にも行かせる事としました。今期第1ヶ月目の8月には、既に7名の優秀社員と店長がこのハワイ旅行の権利を獲得致しました。こうなると、ハワイの別荘は一つでは足りないので、追加取得しなくてはならないかもしれないという、嬉しい悲鳴を上げているところであります。
零細企業の社長達が線路に飛び込む時の悲鳴は聞かない、と。
なお、余談ではありますが、SFCGグループが入居している「室町センタービル」の真向かいに、この8月、日本橋のランドマークとしてゴージャスな「三井日本橋タワービル」が完成いたしました。
そういやこの人三井物産出身なんだよな。
この「三井日本橋タワービル」の真向かいにあるというだけで、誰でも我々の入居しているビルが分かります。我々は正に、漁夫の利を得た訳であります。然しながら、今後とも、我々はこのゴージャスなビルには決して入居致しません。株主様のための働き蜂として、経費を無駄にせず質素なビルの中で、質実剛健を旨として、スパルタンの様に働いておりますことを、ここに株主様に改めて再確認をする次第であります。
なんか相変わらずスゴイ感じだ。ちなみに48.48%の株を持つ圧倒的な筆頭株主であるケン・エンタープライズは大島健伸社長の資産管理会社です。
確かに日銀の低金利政策で事業環境はいいし、今後の金利高騰局面への備えも万全だ。買収戦略もうまくいっている。
yahooファイナンスによるとPERは22.69倍、PBRは1.16倍と割安と言っていい水準で、おそらくこれからもガンガン稼ぐんだろうけど、どうにもこの株で儲けても寝覚めが悪そうな気がするのだ。そんなこと気にしない、という人にとってはそれこそもってこいの会社かもしれないが。
プライムレートで大企業に貸したい銀行、これらの「事業系金融会社」と称する高利貸し、右往左往する国民生活金融公庫を筆頭とする政府系金融機関。この三者しかプレイヤーがいないのだから「男はつらいよ」に出てくるタコ社長がいつも資金繰りに苦しんでいたのもむべなるかな。