アルトリア・グループ続伸 一株利益予想上回る、PMIスピンオフ発表(日経)
以前から計画されていたPMI(フィリップ・モリス・インターナショナル)のスピンオフが正式決定された。アルトリアという名前にはなじみがなくても、フィリップ・モリスは有名だろう。そのアメリカ以外での事業を統括するのがPMIだ。
フィリップ・モリス・インターナショナル 私たちのビジネス
当社の社員もさまざまな経歴を持った個人であり、その一人ひとりがそれぞれの地域社会の一員です。だからこそ、私たちは未成年者の喫煙などの問題を懸念し、喫煙が健康に及ぼす影響について話しています。ドメスティック・バイオレンスや飢餓などの社会問題に取り組んでいる組織を可能な限り支援し、また、私たちの企業活動が地球環境に及ぼす影響をできる限り低減する努力を続けているのもこのためです。そうですか。
アルトリアは昨年3月に、傘下にあった世界第二位の食品会社クラフト・フーズ(ナビスコなどのブランドを持つ)をスピンオフした。つまり今回のPMI同様、切り離して資本関係を解消した。
たばこ会社はキャッシュフローが非常に潤沢だ。その理由は、企業とお客の関係が一般的ではない特殊な関係にあるからなのはご存知の通り。しかし金はたんまり入ってくるにもかかわらず、アメリカ市場の成長性は極めて低い。そこでアルトリアは、市場を成長著しいアジアに求めた。もちろんそこには日本も含まれる。マールボロ・ラーク・パーラメント、女性向けにはバージニアスリムと、ライフスタイルや健康に興味を持ちにくい層の人たちをターゲットに、ファッション性を強調した大量の広告を投入し、かなりの成功をおさめた。それだけではない。ありあまる資金の有効活用を株主から要求され、多角化と称して食品会社の買収にも走った。その最大の案件がクラフト・フーズである。
ではなぜ、これまで力を注いできた国際部門や食品部門を切り離し、資本関係を解消するのか。160カ国にも展開する国際部門は、各国の規制に合わせるのに何かと手間(つまりコスト)がかかるし、食品はたばこと違ってライバルが多く利益率が低い。たばこの場合、ほかのどんな商品より、お客は企業に忠実である。どんなにシャネルが好きでも上から下まで全部シャネルという人はまずいないし、ナビスコのクラッカー以外は食べませんということもない。しかしたばこの場合、ふだんマルボロを吸っているのに売り切れだからマイルドセブンでいいやということにはならない。この、お客を絶対的にコントロールしている関係そのものが、たばこ会社の真の資産である。ならばその資産を最大に生かす仕事だけをすればもっとも資本効率がいいではないか、というわけで、アルトリアはアメリカのたばこ市場のみに回帰したわけだ。結局、資本の論理を貫徹するとこうなるのだろう。
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昨年11月22日の記事。
最大の冷凍食品会社誕生 JTと日清食品が加ト吉買収(iza!)
日本たばこ産業(JT)と即席めん最大手の日清食品は22日、冷凍食品大手の加ト吉を共同で買収することに3社が合意した、と発表した。来年4月をめどに3社の冷凍食品事業を統合する方針で、統合後の売上高は約2600億円(平成18年度、3社合計)と、ニチレイなどを上回る日本最大の冷凍食品会社が誕生することになる。遅れてきたアルトリア・グループといったところだが、始まる前から終わっているのだから世話はない。Wikipediaの日本たばこ産業の項はなかなか興味深い。普段から大切なお客さんに健康被害を与えている企業が食品をあつかうという時点でちょっとしたブラックジョークだが、気にしない人はたばこ同様気にしないのだろう。被害にあわれた方はお気の毒だった。今のところ死者が出ていないのは不幸中の幸いだ。
(略)
JTは主力の国内たばこ市場が縮小するなか、海外たばこ事業に加え、食品事業を新たな成長戦略の柱に据える。
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これだけではなんなので、私がいつも冷凍庫に常備しているぎょうざを紹介しよう。西武線沿線を中心に店舗展開している「ぎょうざの満州」という店があるのだが、ここのぎょうざはうまいし安い。安すぎて心配になるかもしれないが、粉モンを工場で大量生産すればこんなもんだろう。安全なのは食品として当然だ。あまりにHPのつくりがデタラメだわリンク切れがあるわで、商品のクオリティまで疑いたくなる気持ちはよーくわかるが、大丈夫。店舗で売るだけでなく通販もやってるので、ウチで思うぞんぶん焼きまくってほしい。昨日も食べたが、おいしかったです。