クルーグマン:『実に恐ろしい事態』(暗いニュースリンク)
LTCM事件の時は金融恐慌の崖っぷちで止まった。振り返ればほとんど偶然というか、たまたま止まっただけにも思える。
今回の件をヘッジファンドが関わっているためにLTCMになぞらえる向きもあるし、90年代初頭のS&L危機に匹敵するという人もいる。どこかのblogの孫引きみたいなことを書いても仕方がないのでそこらへんの見方なり解説は繰り返さないが、しかし直接比較するのなら、94年のクレジットクランチが妥当ではないだろうか。なにしろ今回とまったく同じ、モーゲージのデリバティブがきっかけだったからだ。
94年2月4日、FRBは3年以上続けた低金利政策を転換し、金利を引き上げた。4月には早くもバンカーストラスト株がデリバティブで大損しているという噂で暴落。そして10月にはモーゲージに傾斜していたキダー・ピーポディが破綻し、大混乱となった。ベア・スターンズが潰れるかどうかで市場が戦々恐々としていたところまで現在と同じだ。
注目に値するのは、初めてのモーゲージデリバティブである、キャッシュフローが細かく切り分けられたCMO(不動産ローン担保債務証書)がフレディマックにより発行されたのが82年だったということ。その12年後に前述のクレジットクランチが起きた。それから13年後の今、またモーゲージデリバティブにより大規模な信用収縮が始まっている。これをどう解釈したものか。
「やはり12年というのは干支が1周するわけで、なにもかも元に戻るのだ。真理は洋の東西を問わないのだよ」と言うとあからさまに胡散臭くなり、「アメリカにおける住宅ローンの借り換えは2年目から始まり6年目がピークとなる。それが2周する頃になると様々な無理に耐え切れなくなって市場が崩壊する」と言うともっともらしいが、本当かどうかは検証できない。なにしろモーゲージデリバティブが誕生してからまだ2度目の市場機能不全だから、定説というものがない。だから2019年頃に起きる(かもしれない)危機のためにここにメモを書き付けておくわけだが、その頃にこのログはネットの海のどこかに存在しているのだろうか?
2007年08月13日
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