2007年05月17日

ここまでタガがはずれていると、そう簡単に自分の中で処理できない

いらだちが治まらないのは、やはり昨日伝えられた事件によるものらしい。考えがまとまらないが、まとまらないまま書いてみる。

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怒りがあるのはもちろんだが、それがなぜいらだつことになるのか。たった一つの事件で、企業活動全体が駄目になってしまう理不尽へのいらだちなのだろうか?他の従業員・その家族・ついでに株主と、この件で大きなダメージを受けたろう。「日本の治安が」といった一般化をしていいのかどうかすらわからないような事件だが、これらの人々(特に社員)が人生設計を台無しにされるぐらいの出来事が、たった一つの店舗のせいで起きたのは事実だ。こんなものどう避ければいいのだ。全店に及ぶリスクとして、トレーサビリティの不備やその風評被害などを考えてはいたが、こんなリスクまで考えていなかった。エンドユーザーと直接関わる企業の決定的なウイークポイントを突きつけられたような気がする。

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吉祥寺の三鷹駅寄りガード近くにあるペッパーランチの前は、何十回か何百回かわからないが通っている。それなのになぜ、フィールドワークと称して上場企業のみならず、将来公開しそうな未上場チェーンまで食べに行くのに、ここには一度も行かなかったのか。もちろん前述の通りこんなことがあると予想していたからではない。この手の業態があまり好きではないからだ。これに関しては外食市場の分析とは全く無関係な、完全に私の好みの話だから、一般化するつもりはないことをお断りしておく。


280度の超高温に熱した鉄皿に生肉や野菜を盛って、カウンターの客に出す。客は電磁調理器で焼いて口に放り込む。そういう店だ。もう公式はトップページにしかつながらないので、船井総研のページにリンクしておく。ここには店舗数が約60店とあるが、現在200店強なので少し前のものだ。おそらくすぐに消えるだろうから魚拓にした上で引用する。

■ペッパーランチの業態の魅力
@競合に強い 
ステーキのファーストフード店は、他には存在しない全くの新業態です。当社が開発した独創的なビジネスで、他店との明確な差別化ができ、競合がなく、先行企業として新しいマーケットで事業を展開することが可能です。
Aオリジナルメニュー
熱せられた鉄板により、お客様の目の前でジュージューと焼けていくステーキはシズル感抜群です。主力メニューのビーフペッパーライスなど、他店では味わえないオリジナルメニューをラインアップしています。
Bシンプルオペレーション
調理方法は、高出力電磁調理器で鉄板を1分間加熱し、肉などの素材を盛り付けるだけ。オーダーから提供まではわずか2分というクイックサービスが特徴です。ファーストフードとしての完成度の高さで、メニューの標準化、店舗運営コストの低減を実現しています。 
■ペッパーランチの加盟メリット
@高収益ビジネス
客単価830円で、粗利益は約500円。平均滞在時間は20分前後。つまり1時間に500円の粗利益が3回転することになります。こうした高収益のビジネスモデルにより、投下した資金を早期に回収することを可能にしています。
Aスピード展開
ファーストフードの小型店舗を展開モデルとしているため、少額の投資で開業することができます。店舗の収益性の高さと相まって、早い店舗展開を可能にします。
B高い出店余地
現在の店舗数は約60店舗。都心繁華街、駅前、住宅地など多様な立地に出店することが可能で、新業態として新しいマーケットを開拓する出店余地は無限に広がります。
おおよそのイメージが湧いただろうか?「ステーキ屋」ということになってはいるが、実態は客が自分で勝手に焼いて勝手に食べる、いわば焼肉屋である。

投資する立場としては流通、特に外食が軸の一つになっているので、これまで何度となくメモ的にその時思った事をここに書きつけてきた。つい4月14日にも「客に調理させて人件費を減らそうなんて業態を選ぶ時点でお里が知れるとか言ってはいけません」という露骨なタイトルのエントリーを書いたばかりだ。結局嫌いなのだ。「お客様の好みに合わせて焼いていただけます」なんて言いながら、実のところ客に調理をさせて人件費を抑えるような業態が。そのエントリーにも書いたが、牛角の詐欺的MBO・焼肉屋さかいの市場価格の2割でのTOBと、焼肉屋がらみで資本市場の常識から大きく逸脱した出来事が続いた。断っておくが、すべての焼肉屋がどうとかそこに勤めるすべての従業員がどうとか、そういうことを言いたいわけではない。あくまでもある店で異常な犯罪が起きた、という話だ。その上でこの吐き気を催す事件が、ここのところ続いた焼肉店経営者の、あまりにもモラルの低い経営行動を連想させたというだけである。

全く個人的な好き嫌いの話のついでにもう一つ。ステーキを鉄皿に乗せて出す店が珍しくないが、あれも嫌いだ。経営者はいろんな理屈を言う。曰く肉が冷めないように。曰くワイルドさの演出。曰くソースが熱せられてジュージューと音を立てシズル感を強調できるなどと。本気でそう思っている人間もいるのかもしれないが、実のところあれを使う理由は単純だ。絶対割れないからだ。使う気さえあれば何十年でも使える。ある程度の客単価を見込む肉料理で、学食のようなメラミン樹脂の皿を使うわけにはいかない。ほんの少しでも陶器の皿が欠けてしまえば客商売には使えない。だから鉄皿を使っているだけのことなのだ。では保温と称してあんなに高温に熱した鉄皿に乗せるのはなぜか。調理時間を短くして早く出せば、多少客の滞店時間が短くなるからだ。上記の引用部分にも明記されている。一石二鳥なのだ。第一お客が食べている最中にどんどん焼けすぎる皿など、まともな食べ物を出す気がある店なら使わない。

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まとまらないまま書いているうちに、外食業界や外食株云々なんてことが私のいらだちの原因ではないと思うようになった。株がどうとかいうことなら、触らなければいいだけのことなのだし。

結局のところ、あまりにも場当たり的な犯罪が大阪のみならず、いつか日本のどこで起きてもおかしくなくなるのかもしれないという暗い想像が、私をいらだたせているのかもしれない。
posted by かおる at 23:59| 東京 霧| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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