すっかりテレビのニュースは見ることがなくなってしまったが、選挙速報に関しては今でもテレビが一番早いので、見るとはなしに見ていた。そこでこの発言にぶつかったのである。
【長崎市長選】「父の愛する長崎でこんな仕打ちを受けるとは思いませんでした」 …落選した横尾誠氏の妻、崩れ落ち号泣 (痛いニュース)
「本当にありがとうございました。父伊藤一長はこの程度の存在でしたか。父は浮かばれないと思います。残念です。父の愛する長崎でこんな仕打ちを受けるとは思いませんでした」これネタじゃなくて本当に言ってたからなあ。言い終わった途端に両隣にいた人が、娘の両脇を抱えてフェードアウトしたよ。司会が「疲れてるから」とかなんとか言っていた。すごい絵面だった。いや、もちろん同情すべき点はある。なにしろ父親が暗殺されたばかりなのだ(マスコミはなぜ頑なに「暗殺」という言葉を使わないのだろうか?いつの間にかマスコミのガイドラインで言っちゃいけない言葉に認定されているのか?)。混乱しているのはわかる。でも、応援してくれた人達の前でこの捨てゼリフはない。世襲できると思い込んでいたのはこれまでの弔い合戦の結果から見て当然だが、だからといってこれを言っちゃおしまいである。
まあそれは置いておくとしても、なんで負けたのか疑問は残る。いろいろ見てみると、どうもこの新聞記者を休職して立候補した娘婿の評判が非常に悪かったらしい。しかし弔い合戦というのは、被選挙権さえあればどんなバカだって当選する国ではないか。今回に限りなぜ失敗したのだろう?
私は立候補の会見を見ていなかったので知らなかったが、上記のリンクにその時の画像が載っている。どうやら笑っているように見えたらしい。緊張すると笑ってしまう人がいるのだが、どうもこの人は残念ながらそういう人だったみたいだ(画像)。ああ、これは笑ってるように見えるわ。これは周りの人間がなんとしてもカメラを止めて、会見をやり直させねばならなかったはずだ。これを見た長崎市民の中には、「首相官邸担当記者として政治家からハエを追っ払うみたいに扱われていたのに、急に市長になることが確実になったから嬉しさをこらえきれないんじゃないか」と思った人がいたかもしれない。もちろん私はそんなこと思っていませんよマジでマジで。いやーテレビって怖いですなあ。
結局900票ほどの僅差で落選したわけだが、無効票が15000票もあったという。前市長に入れていた期日前投票分はすべて無効。白票も5000票以上あったと。大平総理が総選挙の最中に死んだ時から、ずっと公職選挙法の不備が言われてきたにもかかわらず、結局そのままにしていてこうなったわけだ。改めて仕切り直しするしかないだろうに。
もっとも、仕切り直したら普通に世襲になるけどね。
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あとは小ネタ。まずは夕張市。投票者数9082人の内、当選した藤倉肇が3330票。そして羽柴秀吉が2988票で僅差の二位。なんだコレ。あの立候補マニアが本当に当選しかけている。宮崎県知事選の結果を見た時も、宮崎県民の閉塞感とリセット願望の強さに慄然としたものだったが、財政再建団体の夕張市はそれ以上らしい。めちゃくちゃだ。
そして熊本市議選。外山恒一540票でブービー賞。
外山はショボい市議選などに出ている場合ではない。これからも続々出てくるはずの財政再建団体になった自治体に首長候補として立候補するのだ。なにしろ外山は堂々と「ファシスト」を自称している。そしてファシズムとは、絶望した人々の強い指導者を求める気持ちに入り込むものだ。夕張市の選挙では、会社経営をしているという羽柴の「雇用を自社で引き受ける」という公約が効いたらしい。絶望した人間は、心強いことを言ってくれる人間に自ら騙されたがる生き物だ。選挙運動をプロパガンダに利用するという戦略は早々に変え、本気で首長を狙うがよかろう。
いやな展開だなあ……



