2007年03月18日

Q.円キャリーって永遠に続くの? A.違うよ。全然違うよ。

どうやら野茂の続報もしばらくは無いようだから、滝沢乃南のことでも書こうかしら。なにこの二者択一。

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オフィシャルサイトに滝沢がblogを始めたとの告知。ずいぶん遅ればせながらのblogスタートである。しかし遅いの早いのといったことは実際にblogを見たらどうでもよくなる。私は思わず突っ伏し、ノートパソコンのキーボードにヘッドバッドするところだった。

nttb-乃南の株ライフ

なななんじゃこりゃー。
ようやくblogを始めたと思ったら、思いっきりGMOインターネット証券のヒモ付きである。先の見えない株ドル路線に堂々の参入だ。誰が得するんだよこのblog。

どうにも微妙な気持ちのまま内容をチェック。証券業に参入してから日の浅いGMO証券の宣伝blogなのに、ネット証券大手の楽天証券の親会社・楽天の株を買って翌日手離したりしている。なにをやっていますか。そして正社員として働くべきかどうか労働問題について語る滝沢乃南。シュールだ。

行間やら一人称がオイラやら、全体的に「どこの眞鍋かをりですか」といった風情ではあるが、定期的な露出が増えてたいへん結構なことである。Livedoor Readerに登録一番乗りになってしまった事実は秘密にしておきたい。

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で、ここからは少し真面目な話で申し訳ないのだが。多少私も関係なくはない話なので。

同じGMO証券のFX部門も宣伝blogを始めた。書くのは滝沢と同じ事務所のゴールデン小雪である。

ごる姫の為替でございます!

誰もがツッコみたくなる芸名についてはあえてスルーしてもかまわないが、このblogについてはツッコんでおきたい。ネットで相場の注文を出せるようになり、このような芸能人が実際に取引するテイの宣伝を見かけるようになったけれども、レバレッジを掛けるような取引をこういう手法で宣伝することが適切なのかどうか。株の現物だったらどうってことはない。100万円の現金で100万円の株を買うということなら損をしたって知れている。だがFXや商品は違う。もちろんレバレッジはお客が自分の意志で低くコントロールすることもできるけれど、タレントの「気軽に口座を作ってね」みたいなblogを読んで取引を始める客が、フルレバレッジを掛けない自制心を持っていたら逆に驚く。

内容を見ると案の定というか、ちょっとひどすぎる。「もしも年4%のスワップがつくとすると、レバレッジ10倍なら年40%もの超高利回りになる??」とか書いてある。「地政学的リスク」とかそれっぽい言葉を紛れ込ませればいいというものではない。

現在日本の個人投資家のFX取引は日米の金利差を背景にしたドル買い一本やりだ。ここ何年か金利差が大きく、しかもボラティリティが小さいから「ドルを買ってほっときゃ儲かる」みたいな雰囲気になっている。つまり個人がヘッジファンドと同じ円キャリー取引をやっているわけだが、残念ながら個人はヘッジファンドと違ってそう簡単に損切りしない。というかできない。

いくら商売とはいえ、ろくに知識もない個人にレバレッジを強調して「スワップで年40%」なんてことをアピールしたらどうなるか。その先は死屍累々だ。本当にそれでいいのか?訴えられても大丈夫な書き方をしていると会社側は言うだろうし実際そうなのかもしれないが、その商売に先はあるのか?タレントは別にいい。お座敷がかかれば行かなければいけないわけだし、ただの広告塔なのだからマーク・パンサー副社長とは立場が違う。道義的に云々という話にはなっても、それ以上責任を追及されることはないだろう。しかし金融に関わる企業として、素人にレバレッジを掛ける取引を勧めるなど論外ではないのか。

以前私は「パチンコをするぐらいなら日経miniでもやれ」と書いたことがある。完全に娯楽として、ギャンブルとして、損をすることを承知の上で楽しむのならパチンコよりはマシだ、ということを書いた。だが全くの素人がFXや商品相場の取引を始める時に、そんな心構えで始めるだろうか?そんなわけない。しかもタレントの勧誘blogには「為替でお金をためてエステ行くのだぁ!」とか書いてあるのだ。

これはGMO証券に限った話ではない。改正商品取引所法により、先物業界も勧誘にかなり厳しい規制がかけられ、当blogでもしつこく扱ってきたグローバリーも廃業に追い込まれた。しかしそのかわりにこういった勧誘手法が増えてきている。強引な電話勧誘に比べればかなりマシにはなったろう。しかしお客の資産を増やすことで自分たちも利益を得ようという姿勢はまるでない。これまで同様、目先の手数料欲しさに焼畑農業的に、つまり損をして消えていくお客を補充するために新しいお客を勧誘するという姿勢になんの変わりもない。

円キャリーの巻き戻しがいつになるかは誰にもわからない。ただ、それが必ず起きることだけはわかっている。その時の阿鼻叫喚の矢面にタレント達を立たせるつもりなのだろうか?


<関連>消費者金融CM一覧(qzmp blog 金融業の広告とその起用タレントについて)
posted by kaoruww at 23:59| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 樽ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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