米IBM、東証に上場廃止申請・5月6日廃止へ
東証の地盤沈下が、というような一般的な論評は他に任せて個人的なことを記録しておく。
おそらく高一の時にこの株を買ったはずだ。その頃は日本の会社はほとんどが50円額面で最低売買単位は1000株だった。
私が初めて株を買ったのは中3の時だったのだが、その時は化学ポストの超低位株を買うしかなかった。小遣いとお年玉を貯めたぐらいでは200円台前半の株しか買えなかったからだ。子供にとっては20数万は大金である。しかもプラザ合意前だ。
そのときはビギナーズラックでそこそこ儲かったのだが。
しばらくして東京証券取引所に外国部というのがあるのを知った。世界的な企業がたくさん上場しているのだという。そこで目をつけたのがIBMだった、というわけだ。
なにしろ一株が1万円以上し(今の株式市場しか知らない人には意味がわからないと思う。持田製薬が1万円を越えた時はびっくりしたものだ)、最低売買単位が10株だったはずだ。
まさに東証外国部は、私にとってそこだけ世界最先端の経済の匂いがする場所だった。
驚いたのは株主に送られてくる決算報告書だった。
当時の株の本には「決算報告書にカネをかけている会社はダメだ」なんて書いてあった。ムダなコストをかけているという理由だ。本当である。
株式評論家が、株で財産を作った事が無いどころかろくに売買した事すら無い詐欺師だという事は今では常識になっているが、そのころはそれなりに投資家からも敬意を払われこんな意見でも拝聴してもらえていたのだ。
しかしIBMのカラー写真満載の、事業内容と業績を株主に理解して欲しいという熱意と工夫溢れる報告書を手に取ったら、超低位化学会社の薄くてペナペナの報告書などゴミに思えた。
ほんの数十株しか持っていないガキにこんな立派なものを送っていたら足が出てしまうんじゃないかと本気で心配した。
思えばあの報告書を手にした時の驚きが、私が本物の資本主義と出逢った瞬間だったのかもしれない。
IBMは二度売買して二度ともうまくいった。いい思い出である。
世界的に取引所の統合が進み、複数の外国証券取引所に上場している事が多国籍企業のステータスであった時代もとっくに終わったのだろう。
パソコン部門を中国企業に売っ払ってしまうぐらいだものな。何もかもが変わってゆく。
なんか全面的にノスタルジーに浸っているなあ。いかんな。もう寝る。
2005年03月29日
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