雨宮まみさんがサイン会を行なったそうで、それがらみの検索で人が来ていた。だから、というわけでもないが今日はエロ関係のお話。といってもビジネス寄りなんだけどね。
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テレビを見ていたらDMMのCMが流れたので驚いた。テレビ局はまた後になっていろいろ言い訳をするつもりなのだろうか。最近は一般向けコンテンツを増やしているし、今は「PRIDEグランプリ2006 決勝戦」のストリーミングを大々的に売り出している。Alexaの人気日本語サイトランキングを見ると、モールを除く独立したショッピングサイトとしてはamazonの11位に次ぐ17位に入っている。商売繁盛でご同慶の至りだが、ここはなにを隠そう(隠してもいないが)アダルトサイトだ。一般向けコンテンツを大量に追加することでアダルト色を希釈しようとしているようだが、なにしろ資本がコテコテのアダルトなのだから色が変わることなどあり得ない。
メジャーECサイトの正体(投資.org)
公認会計士を名乗る人が去年の5月に書いたエントリーで、いろいろなサイトをぐるぐる回るよりも、こちらを読んだ方が話が早い。
北都(Wikipedia)というアダルトDVDの卸をしている会社が金を出してS1・ムーディーズ・その他合わせて20社近いと言われるアウトビジョングループを形成し、アダルトセルビデオの世界で寡占状態を作り上げた。これ自体は川上(ビデオ制作)から川下(委託販売による販売店の事実上の系列化)まで、外に利益を逃がさない優れたビジネスモデルと言えるのかもしれない。しかし、ここが地上波でCMを流すとか、上場を狙っているなんて話を聞くと首をかしげることになる。
長いこと証券取引所、はっきり言えば大蔵省(現・財務省)が上場を許さないと言われた業種が4つあった。消費者金融業・商品取引業・パチンコ屋・アダルト関係である。ご存知の通り、前の2つは既に上場企業が生まれている。そしてパチンコ屋は換金の透明性が高まれば、という議論もある。だがアダルト関係は噂にすらなっていない。
狙うとすれば、事業の一番きれいな部分(この場合はコンテンツ流通)を化粧して上場を目指すか。それがこのDMMということなのかもしれない。本当に上場計画があるのかどうかは知るよしもないが、結論から言うと、アダルト以外の売上げが半分を大きく超えたとしても上場は不可能である。
以前、スパゲティのDONAを展開している東和フードサービスのことを書いたことがあった。ここはパチンコ屋の東和産業のフード部門が分社・独立したのだが、その審査は極めて厳しいものだったという。「裏口上場を狙っているのではないか」という疑いを前提に、資本関係や人的関係、さらには社長がフルタイムでこの事業に関わっているかに至るまで徹底的に調査された。マザースにはかなり怪しげなIT系の会社も上場したけれど、パチンコとアダルトがらみになると今でも極めて厳しいのが現実である。リンクした投資.orgというサイトのコメントに、「本当の社長」がどうとか書かれているが、そういうのは全く通用しない。人的交流があるだけでもダメなのだ。片道切符でもう戻らないというなら話は別だが。「本当の社長」が実際に表に出て指揮をとることを求められる。まあ、そんなことはしないだろう。
仮にそうしたところで事業内容で引っかかり上場はいずれにせよ無理なのでそれはともかく、疑問なのは地上波でここのCMを流すのはアリなのかどうかだ。CMの審査には公序良俗云々の規定があるが、流す内容自体がアダルトでなければ資本がそっち系でもかまわない、という新しい基準でもできたのだろうか?そんな話は寡聞にして聞かないのだが。
私はPTAのおばさんじゃないから別にこの会社を指弾する気はない。法を守ってビジネスする分には問題ない。だが、独占的に国民の共有財産である電波を利用しているテレビ局が、広告のガイドラインから逸脱しているはずの会社のCMを流しておいてお咎め無しというのは妙な話である。
さらには今後、撮影に関わる諸々のトラブルが発生して、その製作会社の事実上の親会社のCMを流すことで広告費を稼いでいたということが露見した時、一体どう報道するつもりなのか。その時になって「返却します」などと言ってとぼければ済むのものなのか(もっとも「返却」なんて殊勝なことは決して言わないのだが)。
DVDなどのパッケージメディアはこれから先細りになってゆくだろう。冒頭に書いた雨宮さんと安田理央さんの新著はまさにそのパッケージメディアが消えてゆく危機感について書かれた本のようだ。まだ未読でここの章立てを見ただけなんだけど。自分のところから買って読みます。アダルトコンテンツの流通というのはまさにweb向きのビジネスだろうし、DMMの事業環境は順風満帆なんだと思う。だが、ビジネスの世界を大手を振って歩ける会社でもない。日本の資本市場や家庭に入り込むテレビはそこまで寛容ではない。だからこそ、地上波で流れたDMMのCMに強い違和感を覚えたのだ。
テレビ局は一体どこまでいくつもりだろうか。
2006年09月30日
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