2006年09月02日

法事はほどほどに

礼服を着てウチを出る。けっこう暑い。これで寺が遠くにあったらたまらんな、と思う。都内なんで助かる。

私は法事などの家族のセレモニーを、しばしば「忙しいから」といういかにもな理由(むろん嘘)でしらばっくれることがあるのだが、今回はそういうわけにもいかない。数ヶ月前に会った親戚のおばちゃんに「じゃあ9月2日の法事でまた会えるわね!」と言われ、「え、うぁそうですねぇ」とあいまいにしたつもりが肯定になっているという返事をうっかりしてしまった。思いっきり釘を刺されている。まずい。

人通りの激しい場所に似つかわしくない重厚な門を潜り、お寺の人に挨拶して当家の部屋に行く。今日は母方の祖母の法事だ。

祖母の記憶はほとんど無い。私が幼児の時に亡くなったからだ。会話を交わした記憶が全く無いのだ。でも2つだけ覚えていることがある。音は無い。額縁に入ったような「絵」として覚えている。
ひとつは風呂あがりだろうか、裸の祖母だ。片方の胸がない。平らなのではなく、えぐれている。
もうひとつはウチのベッドで横たわっている祖母だ。今思うと衰弱していた時なのだと思う。おそらく末期だったのだろう。
乳がんで亡くなった祖母に関して覚えていることはそれだけだ。これらの「絵」は言葉もロクにしゃべれない幼児にも印象的だったらしい。


集まった親戚はおばさんばっかりだ。みんなやたらに元気である。11時からお経開始。まだ眠いのでうつらうつらする。お経が終わって住職と一緒にお墓に行き、線香をあげてつつがなく終了。このあたりで12時。

これから会食だ。これまでは神楽坂辺りでしていたのだが、今回は吉祥寺だという。確かにこの方が私にとってはありがたい。しかもこれまでずっと和食だったのに突然中華になった。どんな心境の変化なのか。中華といってもテーブルがぐるぐる廻ったりせず、最初大皿に料理を入れて持ってきてみんなに見せ、それをまた引っ込めて小皿に取り分けてから持ってくるというやつ。「取りすぎちゃいけない」とか気を使わなくて済むのはいいのだが、出される料理がえらく少ないような。エビチリのエビが5個とか。点心が蒸し餃子と焼売1個ずつとか。基本的に1皿につき2口で終了といった感じ。しかも皿と皿の間が微妙に空く。手持ちぶさたになり、やむを得ずビール。朝から全くなにも口に入れてないので、すきっ腹に中瓶1本呑んだだけで多少効いてくる。

会食中、祖母の娘である三姉妹おばちゃん達の軽快なトーク炸裂。この人達は本当に元気だ。

「ねえ覚えてる?昔カルピスって貴重品で」
「そうそう」
「濃くするとお母さんに怒られるから、みんなで少しずつ大事に飲んでたのよねー」
「そうそう」
「それでもう無くなるって時に、もったいないから最後の一滴まで出そうとしたら・・・」
「あ、それ・・・」
「そうよ、覚えてるでしょ?最後にポトッとゴキブリが落ちてきて」
「ギャー!なによ!変なこと思い出させないでよ!あんたそんなことよく覚えてるわね!」
「忘れっこないでしょ!あれは我が家の伝説なんだから!」

などという話をシメの高菜チャーハンを食べてる最中に延々される。マジで勘弁してほしい。このおばちゃん達の中の一人がやたら頭の回転が速く、次々に家族をテーマにしたおもしろトークをかますので私も何度か笑わせられた。くそう。別に口惜しがることではないが。


食事も終わり、さて解散という段になってもおばちゃん達は喋り足りないようで、喫茶店に流れるのだという。私は「用があるから」とか言って勘弁してもらい別行動に。

黒のネクタイをむしり取ってようやく少し楽になる。このまま帰るのもなんだし吉祥寺を少し歩きたいと思うが、あの元気な集団が喫茶店だけでおとなしくしているはずもなく、買い物などで街をうろうろするのは間違いない。用があると称して別れたのに後でばったり会ったりしたら非常に気まずい。しかもこのインチキレザボアドッグスみたいな格好でうろつく気にもなれない。もう帰らなきゃなあ、でもなあ、などと思っているうちにアンケートのおばさんに袖をつかまれ薄暗い階段を昇りCMを見て10分ほどアンケートに答えたら図書カードを1000円分くれた。あら。吉祥寺はヘンな街である。

それでもまだ帰る気になれず、今月取り壊しで長い歴史を閉じる「いせや本店」で昔を懐かしみつつ焼き鳥とレバ刺しでもいってみっかなどと思うが、この格好では行く気になれない。いつもラフな格好で行っていたから。

結局、何度か書いたことのある駅地下の某イタリアンに行く。カウンターでスプマンテを一杯とツマミを2種。だがサーモンがやたら生臭い。この気温で常温のケースに入れておくのはまずいんでないか。ディルがまぶされているが、ぜんぜん効いていない。茄子をトマトソースでマリネしたものはおいしい。ここは便利だしおいしいのだけれど、カウンターでつまむ時は野菜だけにした方がいいかもね、と思いつつ10分弱で退店。これでようやく帰る気になる。


ウチに着いて着替えたら凄まじい眠気が襲ってきてそのまま爆睡。で、起きて日記を書いているというわけである。たまにはこんな日があってもかまわないけれど、3年後に祖父の法事がありその翌年には今日の祖母の法事がまたあるのだという。多すぎだろう。理由をつけてしらばっくれる私の気持ちもわかってもらえるだろうか?
posted by kaoruww at 23:59| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます!
三姉妹トーク良いですねぇ、お話ししてみたいもんです。

いせや、今月迄ですか・・・。
ちょっち焦りモードです。
Posted by かぽぽ at 2006年09月03日 07:05
9月25日までだそうです。お早めに。
Posted by kaoru at 2006年09月03日 23:16
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