2006年08月24日

おめでとうございます

どうも火曜と木曜の更新が少ないようなので意地になって更新。あと安い食い物と安酒に話が片寄ってるような気もするので、その印象を払拭するためにも知的な話題をカマしておきたい。いや、導入部だけだけどねー。

-----

第1回ガウス賞に伊藤清・京大名誉教授

この「確率微分方程式」が現在隆盛を誇る金融技術の全ての基礎を成している、というのは金融業界ではそれなりにプチトリビアっぽく知られていたかもしれないが、一般的にはまるで知られていないことだろう。これがオプション価格を割り出す「ブラック・ショールズ式」の根幹を成す理論なのだ、といった話を、経済学は文系だと思い込んだあげく回帰分析で早々に挫折した私は聞いたことがあります。伝聞かよ。

世界初の先物市場は江戸時代の大阪・堂島だし、オプションの基礎は「伊藤のレンマ」だしで日本はデリバティブの最先端を走っていてもなんの不思議もなかった。むしろ当然そうなるはずだった。しかし戦中戦後に長く続いた社会主義的統制経済がこれらのものを一切不用とした為に、海外で花開いちゃって今では後進国になったという、なんだかなーというお話。


世界で最も盛んな先物市場と、その商品は?
大阪の日経225ではないことはわかる。当然アメリカか。アメリカの先物といえばニューヨークじゃなくてシカゴだろ、と言いたい人もいようが違うのである。すごく意外な場所だ。韓国証券先物取引所がトップなのである。KOSPI(韓国株価指数)200先物というのがその中心だ。ただ、一枚当たりの約定金額が低い。確か日経225先物よりヒトケタ小さい位ではなかったか。だから証拠金も少ないし、出来高も多くなる。取引主体も個人が40〜50%を占めるといわれている。要はバクチ場として機能しているわけだ。

こちらのblogにKOSPI200のことが書かれていた。去年の記事だが参考にされたい。
先物オプション奮闘日誌〜実践編

で、日経225が上場している大阪証券取引所も「このまま一枚売買するのに約定代金が1600万円で証拠金が80万なんてねむたいことゆーてたら競争にならへんわ(インチキ関西弁)」と真っ当な危機感を持ったようで、7月18日から「日経225mini」を満を持して投入したのである!ドーン!

従来の「日経225」の10分の1のサイズの商品だ。つまり今みたいに日経平均が16000円の時に6万円ちょっとの証拠金を証券会社に入れて、上がると思って1枚買ったときに100円上がれば1万円儲かる。予想が外れて100円下がったら1万円損する。そういう商品だ。誰でもできるよね。

今の日本の状況はどうだろうか。競馬・競輪・競艇・オートレースの「三競オート」と呼ばれる公営ギャンブルは25%の控除率だ。つまり10000円馬券を買ったら7500円になって戻ってくる。次のレースでは7500×0.75で5625円になっている。平均すればこういうことだ。いや、配当金の端数は切り捨てられてJRA(Japan Red Army)に入ってしまうから実際の控除率は30%近くになるともいわれている。ムチャクチャだ。

パチンコ・パチスロはどうか。一発当たりでは5%以下の低い控除率なのだが、もの凄い勢いで玉は発射され、コインが投入される。1×0.95×0.95×0.95×0.95・・・・・アッという間にゼロに近づく。陶然と盤面を見つめる亡者達の金はパチンコ屋に吸い込まれ、日本海を越えてミサイル製造に貢献しているのだと言ったらある種の人達は怒るだろうか?

ギャンブルをやってドキドキワクワクするという楽しい経験をして、なおかつ金銭的にも儲けようというのはいくらなんでも図々しい。楽しい思いをしたら、レストランでも映画館でもちゃんとお金を払うではないか。ギャンブルをやって「損」として表れるのは「お楽しみ代」なのである。さんざん楽しんでおいて「金返せ」などと文句を言うとは何事だ。

しかしこの日経miniはどうだろう。手数料は一枚当りたったの105円。証拠金に対しては105÷62000=0.00169つまり0.169%だ。別にこれをやったからといって儲かるわけではない。しかし、損をするスピードがものすごくゆっくりなのだ。こんなに楽しんでこんなに「お楽しみ代」が少なくていいのかと思うほどだ。


結論である。

たまの日曜日にGTレースだけ馬券を買って「競馬は男のロマンさ」みたいなことを言ってる君、海物語につぎ込んでミサイル作りだけでなく朝鮮半島の裏金作りにも協力してる君、どうせギャンブルをやるなら日経miniをやりたまえ。そんな5、6万の小銭でも、海外に流出して日本の安全を脅かされるよりは、日本国内で廻した方がずっと君達のプラスになるのだ。

なによりこのギャンブルは自宅で楽しめる。ギャンブルをやるなと言ったところで無意味だ。説教好きのじいさんやお上品なおばさんの自己満足では社会は変わらない。パチンコ屋の駐車場で、パチンコ依存症で頭が狂った親に殺される乳幼児がいなくなるだけでも素晴らしいではないか。しかも日本の証券市場の流動性が高まり、その恩恵はこれら貧困層にも及ぶのだ。

だから同じ政府公認のギャンブルなら、三競オートでもパチンコ・パチスロでもなく、日経miniをやりなさい。

蛇足だが、ギャンブルを楽しんで「お楽しみ代」を払うのではなく本当に儲けたい人は、胴元である大阪証券取引所の株を買ってしばらく放置しておくことを薦める。日経miniも本家225も順調なようだ。PERは高いが、これは日本で唯一の上場証券取引所という独占的なポジションの為と解釈していいだろう。

-----

伊藤清先生の慶事から話を起こし、パチンコなんて質の悪いギャンブルはやめろというところに着地した。この展開は我ながら気に入った。

高貴な純粋数学から下劣なドブさらいまで。
おはようからおやすみまで。

なるべく幅広くやっていきたい。そんな心持ちである。
posted by kaoruww at 03:07| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック