日本は選択的移民政策を採らざるを得ないはずだ。なにも外国人に日本国籍を与えて多民族国家にしろというわけではない。
外国人労働者の地位を法的にきちんと位置づけ、健康保険も整備し、一定期間日本で稼いだら母国に帰れる筋道をつくるかわりに、日本語を学び、法令を遵守し、日本人の納税者が負担するもろもろのコストができるだけ少なくて済むような優秀な労働力に限ってビザを出す、ということをしなければならなくなるはずだ。
でも、それを結局はしないのではないかという危惧が強い。
外国人労働者を導入する動機を持った政治家がいないし、またとりもなおさず外国人に入ってきて欲しくない多くの日本国民が、必要を感じつつも先送りをするだろう。その結果何が起きるか。
本来入ってくるべき優秀な労働者が入ってこられず、母国で食い詰めたような人間が高いリスクを背負って日本に入国し、手っ取り早く稼げる犯罪に走るという事になる可能性が高いのではないか。
ちょうど昨日起きた誘拐事件は中国人・韓国人・日本人の3人で行われたが、こういったニュースに触れてますます優秀な外国人労働者に限ってビザを出すというベターな方策は採られず、結果日本で働く事のハードルをむやみに上げ、更なる外国人犯罪を起こしやすい環境を作ってしまう気がして仕方がないのだ。
今回、少子化問題をきっかけに移民問題に至るまで様々なblogを読んだ。
このエントリーはメモにとどめ、特に印象に残ったblogを紹介しておきたい。
少子高齢化問題(Koukyo政策大学院生の蹇蹇録)
藻谷浩介氏の講演をまとめたもの。出生率ばかり話題になるが、実のところ一番大事なのは「生む母体」自体が減っている事で、これから出生率が上がったところで人口減は止まらない、という話。言われてみれば当然だが、なかなか気付きにくい事ではある。
若者孝行、したい時には若者はなし(404 Blog Not Found)
「たった一つの冴えたやり方」について。
女が働くと出生率が上がる(On Off and Beyond)
最後に冗談ぽく「プログラマ不足を「文系人材を教育してSEにしちゃう」という神をも恐れぬ方策で解決した日本のこと。ロボット開発とか、定年の85歳引き上げとか、いろんな方法で出生率低下も乗り越えていくから大丈夫なんじゃないでしょうか」と書かれているが、実際外国人労働者を入れるぐらいなら、とこういう方向に行く可能性は十分にある。その結果、優秀な外国人は入ってこられず、低賃金で立場も不安定という仕事に不法滞在者が流れ込み治安が悪化する、というのが私の持つ危惧だ。あと、コメント欄も興味深い。
外国人問題 在日日系人問題(ルールをまもって国際化 Asian Commission )
就学年齢の在日日系人は1万7千人、その内1万人が不就学児童。「これは、日本の中でももっともクリティカルなグループだといえるでしょう」
アジアンコミッションという組織で東南アジアから技術者を日本に連れてきているのだが、全寮制で3ヶ月に1000時間もの日本語研修を受けさせてから送り込むそうだ。このblogは考えさせられるところが多い。最近書かれた「治安の現実」なども含め、少子化の果てに必ず起こる外国人労働者問題に興味を持つ人はぜひ読んでほしい。
最後に、話題のこの本をさっそく読んだ。これから多くの書評が出てくるだろう。身の毛もよだつ話だが、外国人を入れるか入れないか、100か0かという話になりがちな我が国で、「選択的移民」という現実的な処方箋はますます採用されにくくなるのではなかろうか。
2006年06月27日
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