2010年05月23日

レナウン、潰れる前に中国企業に買われる

昨年9月11日にレナウンについて書いた。一部引用。
1990年のバブル最末期に英王室御用達ブランドのアクアスキュータムを197億円で買収したはいいが、その後赤字を垂れ流し続け、結局40億円ほどで売却した。アクアスキュータム関連の赤字は100億にのぼると見られ、トータルでは260億円ほどの損を出したようだ。株価が3年前と比べて10分の1になっていること以上に、今後の展望が一切ないというのが厳しい。風説の流布とかなんとか言われるのかもしれないが、今回のデフレから脱する前に潰れると確信している。ここ何代かの経営陣は過去の遺産を食い潰すだけだった。
相変わらずよけいなことを書いているが、そのレナウンが、苦しまぎれに中国企業に第三者割当増資を行って子会社化されることになった。

レナウン 中国企業傘下に 山東如意が4割出資へ(サンケイBiz)

別に日本企業が中国企業に買収されることで民族意識を刺激されるタイプでもないので「こんな昔の名前しか残ってない会社にカネ突っこんでご苦労さまです」ぐらいな感想しか出てこない。ホコリをかぶった洋服をヤフオクに出したら買っていく物好きがいただけのことだ。だがレナウンだダーバンだというと名前だけは知られているから、GDPが中国に抜かれて第三位に落ちることと相まって、妙な言説が出てくるのであろう。「こんなガラクタを買うとは目が利かねえなあ」と思っておれば十分なのに。ロックフェラーセンターを買った三菱地所に文句をつけたアメリカ人が間違っていたように(本当に間違っていたのは高値でトロフィービルを買った方だ)、こんな案件に危機感を覚える必要はない。

心配なのは、儲からないわ、コングロマリット・ディスカウントで株価が安値に放置されてるわの総合電機を丸ごとパクっと食べられることだ。今のところは日本人技術者を一本釣りする方が低コストだからTOBをかけていないだけで、属人的な技術流出では手に入らない技術が必要になった時には、仕掛けてくるに違いない。安値で買い叩かれるのはつまらない話だ。かといって軍事技術でもなければ国が資本制限をするような話でもない。総合電機業界が統合をすすめて買いにくくするべきなのだが、これは10年以上前から言われているものの、まるで話が進まない。どこかの会社が実際にTOBをかけられるなり、レナウンやラオックスのように第三者割当で子会社化されるなりしなければ動かないのであろう。とりあえず万年低空飛行の三菱電機あたりに中国企業が仕掛けてくれれば、大三菱のグループ会社ということもあり、総合電機業界のみならず産業界全体に衝撃を与えるに違いない。プレイヤーが多すぎる自動車業界も含め、再編の機運が高まるのではなかろうか。

21世紀の黒船は太平洋からでなく、東シナ海や日本海からやってくる。外国からの衝撃がなければなかなか重い腰が上がらないのが日本の伝統というもののようだ。三菱財閥の始祖も「日本企業が目覚めるためなら儲からん会社のひとつぐらい買われてもええわい」と言ってくれるかもしれないし。どうですかね。
posted by kaoruww at 10:16| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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