平成22年1月27日開催の理事会で、鶏卵・アルミニウム・ゴム(RSS3号、TSR20)、天然ゴム指数の4銘柄が取引休止、つまり上場廃止になることが決定した。それまでもどうにか取引量を増やそうと「鶏卵市場取引推進キャンペーン」なる、価格を当てるとたまご券1000円分プレゼントなんて泣ける企画もやったりしたが、応募者が77人だったりするからもっと泣ける。
07年1月1日に中部商品取引所と大阪商品取引所が合併して始まった同取引所だが、上場商品は減るわ、苦しまぎれに「板寄せ金取引」なんてどこにもニーズのない商品を上場させるわ、なんというか箸にも棒にもかからない状態であった。とっくに商売になっていなかったこともあり、正式発表があってもほとんど話題にならないに違いない。
残る東京以外の商品取引所は、関西商品取引所だけになった。ここも開店休業状態で風前の灯火だが、解散のニュースがあった時にでも改めて触れよう。はっきり言って大阪証券取引所にも吸収してもらえないレベルなので解散するほかない。すると残る商取は東京工業品取引所・東京穀物商品取引所のふたつとなるが、東穀取の追い詰められ方も先の短さを想像させるに十分だし、商取の雄・東工取が満を持して3月23日に送り出した期待の新商品「TOCOM NEXT」が、ほとんど死産と言ってもいい低調ぶりとあっては、前向きな統合を検討できる時間もそう長くはない。大証が11年始めから稼働させる取引システムは東工取が09年5月に導入したOMXテクノロジー製で、統合を視野にいれたものだ。新取引システムが稼働する来年以降、大証・東工取の統合話が具体化してくるだろう。これにより大証は日経225先物と主要な商品(金・原油)を持つ先物中心の取引所となる。東京証券取引所と十分差別化することにより生き残る戦略で、商品取引所経営陣の度し難い経営能力の低さとは一線を画している。
しかしこうして斜陽著しい国内商品取引所のことを書いていると、新興国の勃興による資源の奪いあいや、先進国の金融危機による信用膨張→過剰流動性の発生→資源価格の上昇といった、世界の趨勢とのあまりの隔絶にいまさらながら呆然とする。ガラパゴスジャパンとはよく言ったものだが、今後進行する取引所再編が日本の競争力強化につながることを祈るばかりだ。