2010年04月06日

不毛すぎる牛丼価格競争について

2月19日のエントリーで「牛丼チェーンは「デフレ戦線死の行軍」といった感じで、どこまで市場が収縮するのか、下げ止まり感がないだけにざっくりした予想も立てられない」と書いたけれども、ますますシャレにならない状況に陥っている。

すき家と松屋、最安値250円に 吉野家つぶし“仁義なき牛丼戦争”(サンケイBiz)
 牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーは5日、全国の繁華街や都市部の店舗百数十店で、牛丼並盛りを通常の280円から250円に値引きするキャンペーンを4月9日〜21日まで実施することを明らかにした。

 松屋フーズも同日、牛めし並を通常の320円から250円に値引きするなどのキャンペーンを12日〜23日まで実施すると発表。吉野家が7日〜13日まで通常380円を270円に値引きするキャンペーンに対抗するのが狙いとみられ、“仁義なき牛丼戦争”が幕を開けた。

外食業を中心としたチェーンストアについて触れることの多い当ブログだが、牛丼業界についてはもはや真面目に分析する気力を失った。2ちゃんねるまとめサイトからレスをいくつか抜き出し、それにコメントを付けるにとどめる。
125 : ゴボ天(埼玉県):2010/04/05(月) 15:46:24.14 ID:sRdDLW4x
まとめ

吉野家 7〜13日 270円
すき家 9〜21日 250円
松屋  12〜23日 250円
苦しまぎれに吉野家が繰り出した「一週間期間限定最安値」が、2社の後出しじゃんけんによりほぼ無意味と化した。この戦略が失敗した理由は明らかだ。「期間限定」などという中途半端な施策を打てば、その期間にかぶせてこられるのは当然である。
64 : レンチ(アラバマ州):2010/04/05(月) 15:38:58.53 ID:25MFIMhS
ここが攻め時だもんなー
すき家の方が一枚上手だったな
さらに吉野家にとって悪いことに、ファミリー客狙いのすき家は郊外店の値段は変えず、繁華街中心の吉野家との競合店舗だけを値下げするという見方がある。BSE騒動では単品経営というメニューの集中が裏目に出、今回は出店地域の集中が裏目に出るのかもしれない。
307 : オープナー(関西):2010/04/05(月) 16:12:05.59 ID:1lJBeNU8
吉野家がこれだけトンチンカンな経営判断を続けてきて
まだ続いてるのが不思議だわ
よっぽど財務が強いのか?
その通り。こちらが連結決算推移。2期前に70%だった自己資本比率が前期60%に下がっているし、今期さらに下がるだろうが、4年や5年で潰れはしない。迷走前まではいかに優良企業だったかということだ。
26 : 木炭(高知県):2010/04/05(月) 15:32:32.70 ID:5iSdLSTd
もう消費者置いてけぼりで意地の張り合いだなw
たしかに誰もここまでやれとはゆーとらん。


これまでにも吉野家の戦略ミスについては繰り返し指摘してきたが、もう「貧すれば鈍する」「泣きっ面に蜂」という言葉ぐらいしか出てこない。事ここに至ってやらねばならないことは明らかだ。競合他社もこれ以上の価格競争を望んでいるわけではないのだから、(消極的戦略であっても)価格を他社と横並びにして顧客の流出を止めること。既存店売上高が前年比15%以上減っている非常事態なのだから、まずは出血を止めるのが最優先だ。同時に失敗続きの買収戦略をストップし、赤字を垂れ流している関連会社を売却すること。特に後者を先送りしていると、今のところは健全な財務がみるみる痛んで、本当に首が締りかねない。

しかしこれまで繰り返してきた迷走ぶりを見ると、残念ながら社長をはじめ吉野家首脳陣は既に当事者能力を失っていて、まともな対応策を採用できないのではないだろうか。自ら身を引かないのであれば、株主サイドからの強制的な働きかけも必要だろう。


ともあれ、当面吉野家の財務が強いためにこの不毛な競争が長引く可能性は十分にある。デフレ環境のみならず、個別の会社事情も相まって、市場参加者全員が敗者になるのかもしれない。


<追記>
本日吉野家は業績の修正を行った。

通期連結業績予想の修正に関するお知らせ(PDF注意)

10年2月期の連結最終損益が89億円の赤字(前期は2億円の黒字)と、予想の13億円の赤字から大幅に下方修正した。本業の損益を表す営業損益でも約9億円の赤字だが、連結子会社の持ち帰り寿司「京樽」で約24億円、ステーキチェーン「どん」で約17億円の特別損失をそれぞれ計上、その他もろもろの減損もたっぷりである。

これにより総資産を現在のままとして計算すると、自己資本比率は52.3%に低下する。3期前の70.1%から、69.0%→60.3%→52.3%と比率が下がっているだけでなく、自己資本の絶対額も減り続けている。来季の明るい展望もまるで見えない。速やかにグループ企業の売却を進め、収支を均衡させることを当面の目標にするほかないだろう。


<追記>キャンペーンの結果が出た。5月12日のエントリーで。
posted by kaoruww at 08:01| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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