2010年01月07日

アバクロンビー&フィッチ銀座店

アバクロ銀座店がアジアのフラッグシップストアとして開店したのが12月15日のこと。そろそろ開店景気も静まったろうしということで、行ってきた。ここで私の印象批評を長々と読んでもあまりお役に立ちそうにないので、まずは3つの記事にリンクする。これを読むだけで銀座店のおおよそのイメージはつかめるはずだし、経営上の問題点も把握できるだろう。リンク先だけ読めば必要十分だと思う。私の文章は蛇足というか、おまけということで。

「本場よりイケメン」「高すぎる」…ファストファッションと一線画す“アバクロ”上陸、来店客の評判は?(日経トレンディ)
内部の様子や顧客層がわかる記事。

アバクロ銀座店に行ってきました
アバクロ日本上陸、気になる実際の日米内外価格差は?(ファッション流通ブログde業界関心事)
 
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銀座四丁目交差点から新橋方面に向かうと、爽やかなような甘いような香りが漂ってくる。「これが噂に聞く店内に充満するという香水かな」と思っていたら、真っ黒な建物のドアの前にイケメンがふたり。こちらの記事で見たようなはだけ方はせず、ちゃんとボタンをしめている。

中に入ってみる。暗っ!そんで音デカっ!さらに香水の香りが充満。目の前では「店内ならいいだろ」とばかりに、上半身裸の白人マッチョがほかの店員とハイテンションにハイタッチしている。なんじゃこれ。入った瞬間ツカミはOKである。 

1階には商品がない。ともかく上に上がらなければならないのだが、11階まである吹き抜けの階段を登るわけにもいかず、当然エレベーターへ。しかしエレベーターを動かす「ストアモデル(シャツのボタンはひとつも留めず、おもいっきりはだけている)」の説明によると、2階から6階がメンズ、7階から11階がウィメンズだが、7階にしか止まらないのだという。説明が終わると箱の中にまで響きわたる音楽にあわせ、自らの太腿を叩いてリズムを取っていた。どうも最初から最後までこのノリで押し切る覚悟らしい。そうか。

7階で客が全員降り、女性陣は階段を上がっていく。いちおう全部見るつもりではいたのだが、なにか早くももーえーわという気分になり、そのまま階下のメンズフロアを目指す。しかし入った瞬間から疑問だったのだが、なにかフロアがやたら狭くないだろうか。6階に降りた段階で、ようやく売り場の全貌がわかった。超狭い。1階では暗すぎてよくわからなかった、というか、目の前の壁で終りなはずがないと思っていたのだが、本当にそこが行き止まりだったのだ。これでは11階まであっても、総面積にしたらたいした広さではないのではないか。上記2番目のリンク先に「フィッティングは4階と10階、レジは3階と11階」とあるが、それぞれの階にこれらの設備を置けないぐらい狭いのだ。しかし試着ひとつするにも階段の昇り降りを強いられ、買う段になったらさらに別の階に行かねばならないとは……

重低音の大音響により持っている荷物がビリビリ震え続ける中、手すきのイケメン店員が踊っている。うむ。商品についてはダメージ加工されたおもしろい風合いのものが多いように思われたが、どうも手に取ってみている人は多くないようだ。お客はそれなりに入っているものの、全体に様子見という感じ。試着するのも前述の事情により面倒なので、仕方がないだろう。

結局、超美人ストアモデル(女性もいる)に「お手に取ってご覧下さい」と言われて「あっいやはい」と軽くへどもどしたり、香水を試しているうちに全身香水臭くなったりしつつ、ようやく外に出たときにはホッとした。ゲームセンターから出た瞬間街が静かに思えることがあるが、あれと同じだ。銀座の雑踏がずいぶん静かに感じられたものである。気に入ったものがあればシャツの一枚も買うかと思っていたが、なんだかそれどころではなかった。


おそらく、アバクロはここで大きな商売をしようとは思っていない。売り場の構造にしても値付けにしても、ガンガン売ろうという意欲は伝わってこなかった。「銀座にアバクロのショーウインドーを作った」という以上の意味はないのだろう。それならあの狭さもわかる。これから日本の大都市に10に満たない店舗を布陣したら、さっさと大消費地である中国に向かうのではないだろうか。銀座の街なかで写真を撮りまくる、中国語を話す女性たちを見た。彼女たちは帰国してからさまざまな中国未進出のブランドについて、知り合いに話すに違いない。アバクロが日本に進出する前に、日本人がそうしたように。アバクロで銀聯カードが使えるかどうか確認しなかったのは失敗だったと、今気づいた。
posted by kaoruww at 23:55| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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