2009年10月09日

吉野家が本業の競争力低下により、本格的な業績悪化フェーズに突入

吉野家が業績予想を下方修正した。その内容がひどい。記事を抜粋する。

吉野家HD8月中間、赤字3億円 子会社の食中毒問題、直撃(フジサンケイビジネスアイ)

 吉野家ホールディングスが8日発表した2009年8月中間連結決算は、最終損益が3億円の赤字(前年同期は5億円の赤字)となった。吉野家の既存店売上高が低迷したほか、同社が51%超を出資するステーキのどんが食中毒問題などで約8億円の営業赤字に陥ったのが響いた。

 売上高は、ステーキのどんの連結子会社化により同16・6%増の928億円。ただ、どんの営業赤字に加え、吉野家の既存店売上高が4%減少したため、本業のもうけを示す営業利益は88・4%減の2億円、経常利益は83・7%減の4億円と大幅な減益だった。
ステーキのどん(旧ダイエー系フォルクスが主体)はもともと業績が悪いので、食中毒云々とアクシデントを強調するのははっきり言ってミスリードだ。これが中間決算に関する部分。次の部分が本決算に関する予想。
 中間業績の低調を受けて、同社は8日、10年2月期の連結業績予想を下方修正した。売上高は1870億円(4月公表時点は2000億円)、営業利益は5億円(同42億円)、最終損益を13億円の赤字(2億円の黒字)にそれぞれ減額した。吉野家の既存店売上高が通期で5%減少する
既存店売上げが5%減とは…これは大きい。ちなみにこちらが吉野家の月次報告。ここにきて既存店の客数がさらに落ち込んでいる。直近の9月は前年同月比93.2%だ。再度の下方修正の可能性は少なくない。


これまでの業績悪化は、吉野家の業病ともいえる「多角化の失敗」によるところが大きかったのだが、今回は様子が違う。圧倒的な主力業態である「吉野家」自体が競争力を失いつつある。デフレへの機動的な対応によりどうにか踏みとどまっている松屋とは好対照だ。最近のストアコンパリゾンでは、吉野家の店舗オペレーションが非常に悪くなっているのを確認した。ここでは控えるが、本社へのクレームレベルのひどさだった。これまでにないことである。

グループ経営が下手というだけなら、切り離すなりなんなりのリストラクチャリングによる大幅な業績改善もありえるが、本業の劣化による競争力低下は根が深い。吉野家経営陣の現在の経営環境への対応は、当事者能力を失っているようにすら見える。この期に及んでの、
「商品やサービス向上に向けた取り組みを強化したい」
との安部社長の言葉もむなしいばかりだ。業績回復の糸口がまるで見えないのだから。

多角化を志向して買収を繰り返し、中途半端に大きな儲からない企業グループを作ってしまった。手足に重りをつけて泳ぐようなものである。なにより中心事業に浮上の目が見えないとあっては、それこそお先真っ暗だ。外食の低価格カテゴリにもかかわらずデフレ環境で競争力を失っているようではどうにもならない。財務はまだまだ頑丈とはいえ、このまま手をこまねいていては大きな傷を残すだろう。現経営陣は同じことを繰り返すことしかできないということは、とうに証明済みだと思うのだが……ずいぶん寛容な株主に恵まれているというほかない。

<関連エントリー>2008年10月06日 吉野家は潰れはしないが今のままではダメかもわからんねの件
posted by kaoruww at 10:41| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック