2008年12月17日

相対的に日本はマシだったはずが…

本日明け方に、FRBは経済史に残る大きな発表をした。日米の政策金利が逆転するという環境に身を置くことになろうとは、実に隔世の感がある。で、なにか書こうかと思ったのだが、これを読んだら別に付け加えることなど何もないので書かずに済んだのだった。

リフレ政策ついに始まる(Economics Lovers Live )

 なお、日本経済は今後、FRBは無論のことイングランド銀行、ECBなどがこの国際リフレ競争を緩めないかぎり、次第に国際リフレ競争の敗者になるにちがいない。超短期的には為替レートの円高傾向といった不安定要因、株価不安定、短期的に業績悪化から雇用弱者の困窮、そしてさらにより深い不況と雇用の大崩壊を目にすることであろう。

 この責任は財政政策を小出しにしかしないのにもかかわらず政治的生命をなぜかかけてまで不況下での増税にコミットする現政権、そしてカルト団体か関東軍のように強固に不況なのに事実上の緩和政策の放棄を決め込んでいる日本銀行にすべて責任があることはいうを待たない。
私はもはや怒りも沸いてこず、本来なら喜ぶべき円高が「悪い円高」に転じるのを指をくわえて見ているしかないと諦めている。しかしタダでは転ばない。超長期的には高齢化で貯蓄率も下がり、財政破綻により円安になる可能性が極めて高い環境で、これからの数年が最後の大円高局面となるのだろう。為替のレンジはまったくわからないので腰だめの数字さえ書かないが、驚くほどの水準を示現するのではないか。そこで外貨にスイッチする。選挙には行くが、政府や日銀にほんの少しでも期待する気はない。あの連中が操縦する船には乗っていられない。体は日本にある場合でも、外に出すものは出す。今はしっかり円をかき集めるということかな。
posted by kaoruww at 17:19| 東京 ☔| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 すいません、今ひとつと言うか、ほとんど理解ができないのですが、なぜアメリカが0金利にして、日銀が傍観していると、将来超円安+破綻になってしまうのでしょうか。

 ただ個人的に感じるのは、今のおかれている状況は、世間が思っているより、よっぽどひどくて、行った事はありませんが、日本は実は1ヶ月もすれば北朝鮮並みの飢餓列島になるのではないかと感じます。

 私は名古屋に住んでいますが、名古屋港に行くと、出荷待ちの車で溢れています。もう停めておく所がありません。1面車ばかりで壮観です。いままでこんなに車置き場に、車が貯まった事は無いと思います。置く所は無いので、多分そのうちトヨタの工場が、緊急停止するか、車を海に沈めるしか無いと思われます。

 先日、ある愛知県の工場に打ち合わせに行ったら、隣の商談ルームの声が漏れ聞こえてきました。何とか仕事回してくれんかと、もう錯乱状態で、声が大きいと漏れ聞こえる事もわかるだろうに、それどころじゃないという状態で。こっちも仕事取りに行ったのですが、空振りに終わって返ってきました。

 その工場は特に車関係と言う事ではないのですが、ここいら近辺はもうどこもそんな状態です。派遣を切るとかそんなレベルじゃありません。

 日本はすぐに置き場に困るほどの製品をこれまでこうして海外に次々と輸出して、海外から食料品や衣料を買ってきたのだと思いますが、輸出できなくなれば、収入はないので、物を買うお金も、すぐになくなり、食料品も買えなくなる、のではないかと思うのです。

 もう破綻は目に見えているので、それで日銀は何もしないと言う事なんでしょうか。日銀が名古屋港の車買っても、それが食料品になるわけでは無いでしょうし。
Posted by Jamira at 2008年12月18日 19:20
>今ひとつと言うか、ほとんど理解ができないのですが、なぜアメリカが0金利にして、日銀が傍観していると、将来超円安+破綻になってしまうのでしょうか。

ここのところは直接つながっていません。大幅な円の減価は「超長期的には」の部分に係っています。人口構成から、財産を食いつぶしていく時代に向かうというのが最大の根拠です。そのこととは別に、FRBの量的緩和に日銀が傍観していると「今後数年でとんでもなく悪い円高になってしまうよ」ということも書きました。10年以上の超長期の問題と、ここ3〜4年のことが、区別のつきにくい書き方になっていたかもしれませんね。脳内メモそのままで飛躍を感じさせてしまい、失礼しました。

当面は、嫌でも金融を緩和しお金を市中に流し、どうにか立ち直ったらそれを回収、そのあとに財政もなんとか立て直して、というのがこれからやらなければいけないことだと思うのです。でも、どちらもやろうとしていないとしか思えないのが強い諦念につながっています。

名古屋港の話は興味深いです。クライスラーは一ヶ月以上すべての工場をストップさせるそうですし、トヨタの今後の生産調整も強烈なものになるのでしょう。ただ、すぐに飢餓がはじまるということはないと思います。なにしろ現時点での日本はたいへんなお金持ちなので。「どこにそんな金あんだ」と思いますが、統計で見るとあることになっているので、たぶんあるんでしょう。

こうなると輸出企業には最悪ですが、円高なのが救いになります。安く輸入ができるので。10月24日に「輸出主導型経済を改造するまでは輸入振興でつなぐしかないだろの件」というエントリーを書きましたが、いい面を生かして当面は耐える、ということでしょうか。本当にやっかいなのは、食いつぶす財産も無いのに円安、というやつです。こういう状態になると、本当に飢餓の可能性を考えなければいけなくなります。それは前述の通り、超長期の日本の課題としてぜひとも考えなければいけないことで、現在の日本の延長線上にある未来のひとつだと思います。

となると、日銀の量的緩和をやりたがらず、結果的に円高にもっていく姿勢は、「輸入振興のための深謀遠慮か?」などと妄想してしまいそうですが、もちろんそんなことはなく、単に「俺は政治家の言うことなんか聞かないですむだけの権力を持っているんだ、hahaha!」ということをアピールしたいだけだと思います。いまさら金利を少々下げても、元が低いのですからほとんど意味ないですし。自分のエゴのために国民生活を窮地に追い込むのですから、本当に最悪です。
Posted by かおる at 2008年12月19日 05:30
 相対的に日本は良いと言われてきました。そのフレーズは実は「名古屋 or 中部地区は良い」と言われてきた事とよく似ている感じがします。

 景気の悪さは底なしで、夜明け前が一番暗い、と言われて、それからさらに2年程度暗いままだった、ほんの4,5年前の話です。

 東京や大阪に打ち合わせに行くと、名古屋は良いんだってね、とよく言われたもんです。全く実感はありませんでしたが。中部地区は、トヨタがいて、悪いながらも何とか持っており、日本が不景気でも状況はあまり変わらなかった。東京、大阪は、日本と共に不景気だった、と言う事ではないかと思います。

 今の中部地区は、世の中の人が考えているより、かなり状況は悪いように思います。事実上トヨタが止まっているから、どこも操業停止にちかい状態です。知り合いの会社はすでに冬休みに入りました。

 中部地区の一番の問題は、トヨタに変わる何かが、見当たらないと言う事です。

 この事は、そのまま今の日本にも言えて、バカスカ車作って、輸出しまくって、何とか回していた状態が、一気にストップしてしまったのだから、すぐに苦境がくるのは当然ではないかと思います。

 2009/3にトヨタが赤字になるかもしれん、と大騒ぎですが、それよりもっと恐ろしいのは、2010/3の赤字はいったいどれだけになるか、誰にも解らないと言う事です。

 いくら日本に資産があると言っても、売上が無い(事実上輸出が止まった状態)状態が続けば、割と早い時期に金庫は空っぽになるのではないかと思います。
Posted by Jamira at 2008年12月22日 10:13
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