・アキバはツクモ電機が潰れてあちこちの店が閉まっているもんだから、なんだか街がしょぼくれているというか、パッとしない。シャッターに貼ってある紙には「ネットで送料・代引き無料セールをやってるのでよろしく」みたいなことが書いてあったが、今ここに振り込むのはなかなかのチャレンジャーであろう。一回行って気が済んだインディーズ牛丼屋サンボも理由不明の休業中。なきゃないで寂しいような。
・淡路町交差点で唯一神マタヨシの宣伝カーに遭遇してしまう。これが吉兆なのか凶兆なのか判断がつかなくて困る。
・初めてH&M銀座店へインチキストアコンパリゾンに行く。並びにあるZARAに比べると店内人口密度は5、6倍。ただレジに行列ができるユニクロとは違い、どんなもんか覗いてみたという人が多いようで、特に地下1階の男性フロアのレジは閑散としていた。お手本としてコーディネイトされているものを見ても、日本人が着ると安ホストになりかねない微妙感があり、ユニクロ柳井氏が「H&Mとはバッティングしない」と断言するのもうなずける。同じファストファッションでもZARAの方がシックで受け入れられやすいだろう。
生産国は中国・トルコが各4割、バングラディシュが2割といったところ。シャツは5000円のものが多く、2500円のものも少量ある。だから価格帯だけ見れば他の量販店とバッティングする。が、「このまま洗濯機に放り込んだら壊れるんじゃないか」と躊躇させるペナペナ感で、ジャケットにしても6500円なんてえらい安いものもあるが、デザイン・品質ともに「今だけ」に対応した割り切った作り。この「ワンシーズン使い捨て」というコンセプトを受け入れるマーケットが日本にどれだけあるのかが興味深い。ユニクロの既存店売り上げが前年同月比で30%以上伸びたというのもそれはそれで驚きだが、こういう「世界のトレンド」とは無縁の市場では、都市部の、さらにごく一部にしかお客がいないのではないだろうか。今は銀座・原宿といった繁華街に出店してブランド認知を高めている段階だからいいが、ショッピングモールに多店舗展開をはじめた段階で不調が明らかになると思われる。ファッションビジネス業界では、5年以内に日本から撤退するかどうかという賭けがそこここで行われているに違いない。
・もうひとつ書くことがあったがとりあえずということで。