2008年09月09日

ATOKを安く買う・その他の雑感

はてブにインフォシーク 優待+配当利回りランキングなんてものが入っていた。こんなものは普段見る機会はまったくないので少し興味を覚え、チラッと見てみたのだが。

うう、なんというか、上位にある会社がいかにもズタボロで、ちょっと見るに堪えないランキングだ。特にマンション・デベロッパー(略してマンデベ。なんだか下品な響きがするが、実際経営者も下品なことが多い)がとんでもない利回りでランクインしている。マンデベはほんの半年前と比べて株価が10分の1になっている銘柄がゴロゴロあるので、そりゃ利回りだって上がるというものだ。どことは言わないが、今年いっぱいどころか今月いっぱいもたない会社が入っている。はてなには投資系ブログが少ない印象があるが、まさかこんなランキングを見て「うわ、おトク!」なんていって投資する人間はいるまいな。

追記 以下のカッコ内の記述は間違った情報を前提としています。間違いの記録として消しませんが、この情報をもとに行動しないで下さい。
と、いきなりケチをつけてみたが、スクロールしていったら、ちょっと興味を引かれるものがあった。一太郎でおなじみのジャストシステムである。

ジャストシステム株主優待

100株以上の株主に、ジャストシステムのショップで使える商品券を3000円出すのだという。昨日の終値が186円。100株買うと18600円。利回りは約16%だ。なるほど。ということは……

ATOK定額制サービス

ATOKを月額300円で使えるというサービスが9月2日から始まったのだが、これの1Year版(ダウンロード)が税込3360円である。あら。だったらコレ、常に最新バージョンのATOKが年に360円、1日1円で使い続けられるということじゃないですか奥さん。別にどこかに落とし穴があるというわけでもない。通常のリスクがあるだけだ。つまり

@株主優待制度が変更されるかもしれない
A株価がもっと下がるかもしれない
Bなんなら会社が潰れるかもしれない

ぐらいなものである。たいしたことじゃないNE!ジャストシステムはここのところ毎年赤字をタレ流していて順調に株主資本を減らしているわけだが、まだ何年かは持つだろう。ITバブルの頃には12000円以上もしたのに今では200円以下で買えるのだ。マンデベの10分の1どころではなく実に60分の1以下である。それでも潰れない立派な会社だ。「もうATOKは最高!IMEは死ね!氏ねじゃなくて死ね!」というぐらい一太郎を愛している人なら、最大損失でも18600円だし、利用してもいいかもね。というか、これなら最初から個人株主はATOKを使い放題ということにした方が話が早いんじゃないかという気もするが。
追記 ジャストシステムの株主優待対象製品一例を細かいところまで見てみたら、下のほうに小さく「ATOK定額制サービスは対象外」とある。見落としていた。失礼しました。ATOK通常版(ダウンロード版)が6615円なので、株主は3615円で買え、1日約10円で使えるが正解。これは定額制の1Year版より高い。ということは、定額制ユーザーはATOKに関しては株主よりも良いあつかいを受けるということになる。古いバージョンでもいいのなら、通常版で何年も粘るのもアリだが。ついでに書いておくと、「ジャストシステムの株主になんか危なっかしくてなりたくない」という人は、ヤフオクでこの優待券が1000円ほどで売られているので、利用すれば4615円ほどでATOKを購入することができる。あー、株主優待なんてしょうもないわりにごちゃごちゃしたことを書いたらこのありさまだ。かっくん。

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さて、ここから先が雑感である。むしろ雑感の方を主張したいんだけど。上記の文章を書いている最中にも思ったことだが、はっきり言ってこんなことは大のおとなが時間を割いて考えるようなことではない。細かすぎる話だし、第一これは経営陣が株主に施しをしてくれているわけではなく、もともと株主の金なのである。投資する際に株主優待制度の有無を考慮に入れる人がいるらしいが、優待バカとしか言いようがない。変な優待制度がある会社は株主を「この程度のアメ玉で釣れる連中」とナメているのは間違いない。株主の金を無駄遣いする会社なのだから、最初から投資対象として考える必要がないのだ。

以前はこんな悪習はなかった。古い会社四季報を処分してしまったのが残念だが、試しに今手元にある一番古い四季報を見てみる。96年春号だ。まだネット証券など影も形もない頃で、97年の金融恐慌以前だから山一證券も北海道拓殖銀行も掲載されている。株主優待一覧を見ると、

@食品会社が自社製品
A流通業(チェーン店)が自社店舗で使える優待券
B運輸業(鉄道・海運・航空)が無料パスや優待券

この3業種の優待で8割以上を占めている。株主に我が社の事業活動を知ってほしいというものばかりで、意味なく新米を送ってきたりするところなどほとんどない。現在優待制度で新米を送る会社は非常に多いが、最初にやったのはおそらく山種証券(現SMBCフレンド証券)だろう。これにはちゃんと意味があって、創業者の山崎種二が米問屋の小僧から身を起こし、米卸業に乗り出して米の流通を手がけたことから、「プロが見極めた今年おすすめの新米を食べてもらおう」と始まったものだ。今やっているところみたいに「米はどこのウチでも使うし、文句も出ないだろ」なんて志の低い会社とは違う。

持ち合いが崩れ、カゴメが個人株主作りに成功したあたりから優待制度が増えはじめ、ライブドアの活動が派手になった頃から猫も杓子もとなった気がするが、この頃の優待事情というのはまったく無視していたので、実際のところはよく知らない。

株主に利益を還元したいなら普通に配当するなり自社株買いをすればいいのだ。理想をいえばウォーレン・バフェットが経営するバークシャー・ハサウェイのように、ROEがものすごく高いために、配当する金を再投資にまわしたほうが株主資本が増える、だから無配にするというのがベストだ。バークシャーの株主もこのロジックを理解して無配であることを積極的に支持している。「なんかよこせ」などとは言わない。もともとが株主の、つまり自分の金だということがわかっていれば、そんなことは言わないのだ。経営者のレベルの違いのみならず、株主の知的水準も彼我の差は大きい。
posted by kaoruww at 01:30| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ATOK 購入してユーザ登録してから、
平均すると2日に一通くらいのペースで、
キャンペーンセールだののDMがしつこく送られてきて、うざいことこの上ないです。
(登録時にDMの要・不要の選択がなかったと思うんですが)

まともな会社のやることじゃない分量なので、もうスパムフィルタしてます(笑)
Posted by sheng at 2008年09月26日 21:29
うえー、そんなことしてるんですか。やな会社ですねえ。いちおう「日本ソフト業界の雄」なんていわれた時代もあったのに。

遅かれ早かれ潰れるんでしょうけど、他のソフトはともかくATOKだけはどこかに拾われるでしょうから、まともな会社に引き取られることをユーザーは祈ってるのかもしれません。
Posted by かおる at 2008年09月27日 02:22
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