2008年08月02日

すかいらーく、その転落の軌跡

すかいらーく横川家が大失敗したマレーシアのエビ養殖事業の話をいまさらながら詳しく知りたくてぐぐってみたらこんなのが出てきた。平成15年2月に発表された「関係会社等に対する投資損失等の計上ならびに業績予想の修正に関するお知らせ」である。PDFはウザいのでHTMLバージョンにリンクしておく。

2ページ目
投資損失等の内訳

 この度、不採算事業および投資回収効率の低い事業について整理または売却を前提に引当を行い、また、継続会社についても、前述のとおり引当基準を厳格化した結果、単体投資等損失として約 413億円を計上致しました。
 損失計上の主な内訳は、マレーシア養殖事業への引当額(約211億円)、グアム・リゾート事業関連事業への引当額(約39億円)、その他関係会社の損失への引当額(約40億円)、その他毀損債権への引当額(約34億円)、有価証券等の評価損(約24億円)であります。
そうだグアムのリゾート案件なんてふざけたものもあったんだった。ぐぐってみるもんである。しかしなんといってもエビだなエビ。いくら自分のとこで大量に使うったって、こんなリスク背負ってまで自分でやるようなことではない。なんで普通に仕入れないんだ?

そんなことを思いつつ2ちゃんのすかいらーく関連スレッドを見てみたら、やたら簡潔なまとめがあったのでここに記録しておく。以前ほっかほっか亭の内紛についてうまいまとめをコピペしたことがあったが、これもよい出来だ。まとめ職人でもいるのか。

海老を商社から普通に買い付けていた
      ↓
ドケチな会社なので海老をもっと安く買いたい
      ↓
東南アジアで海老の養殖事業に投資
      ↓
創業家が投資資金をみずほ銀行に借金
      ↓
海老の養殖事業に失敗
      ↓
金融庁が創業家の借金を問題視
      ↓
セブン&アイHDへの買収話を経営権喪失を嫌う創業家が断る
      ↓
商社に創業家保有株売却打診するも断られる
      ↓
創業家が野村に株を買わせる作戦を遂行する
      ↓
ついでに馬鹿な社員にも株を買わせる
      ↓
世間には改革のためのMBOと嘘を付く
      ↓
創業家の予想通り業績急落
      ↓
野村とんでもない会社に投資したと気付く
      ↓
食材高・原油高・人件費高で赤字転落
      ↓
野村焦って副社長派遣
      ↓
野村インサイダー事件業績急落で野村の尻に火が着く
      ↓
臨時取締役会で副社長らが社長解任要求
      ↓
社長権力延命のためにサントリーに買収を打診←【今ここ】
      ↓
   【今後の予想】
      ↓
臨時株主総会で社長解任
      ↓
サントリーに買収話を断られる


    ∧_∧
    ( ・∀・) ワクワク
  oノ∧つ⊂)
  ( ( ・∀・) ドキドキ
  ∪( ∪ ∪
    と__)__)
うーんナイス。

で、5ページ目
 なお、創業者である以下の取締役4名は、この厳しい経営環境にあっても、前述のとおり、確固たる経営方針が確立され、当社の更なる成長が確信されるに至ったことから、3月28日を以って、当社取締役を退任することを決意し、会社としても了承いたしました。

取締役会長    横川紀夫
取締役最高顧問 横川 端
取締役最高顧問 茅野 亮
取締役最高顧問 横川 竟


株式会社すかいらーく 取締役最高顧問 茅野亮 コメント

 「私たち創業者は自分たちが青春をかけてこの会社を成長発展させたように、伊東社長に交代した時から、できるだけ早い時期に次代を担う人達に経営を任せ、一線から退くことを考えておりました。新体制に移行して二年が経ち、私たちが引く準備が整ったと判断し、兄弟4人がほぼ65歳を越えた今年こそ、引退する時期であると決めました。この度、将来に向けた財務リスクを先取りし、特別損失を計上することで赤字決算となりましたが、新経営陣に託し、私たちは引退させて頂くことに致しました。」
さらなる成長を確信しちゃったのでそろって退任と。仲いいっすね。いやあお疲れ様でしたと言いたいところだが、横川四兄弟はそんな大団円を見せてはくれない。


2006年1月16日付 読売新聞
すかいらーく創業者 会長復帰
これで元会長の横川竟(きわむ)最高顧問が会長に復帰。

2006年9月、総費用が2718億円という日本最大のMBOにより上場廃止。さらには、

2006年12月04日付 外食日報
すかいらーく、横川会長が社長兼務、伊東社長は代取副会長
冒頭のリリースを発表した伊東社長が、事実上棚上げされた。
この人はバーミヤンを手塩にかけて育てた人である。思えば伸びざかりだったバーミヤンを時価にちょっとプレミアムをつけただけですかいらーく本体にむりやり吸収合併した時、私は怒りとともにすかいらーくを見限ったのだった。それ以降は生あたたかくウォッチするのみである。

その後、横川家がみずほ銀行からの300億円の借金を返すために、
300億÷横川家持ち株数=MBO公開買付け価格
ということにして、野村プリンシパルに持ち株を売り飛ばしたという週刊ダイヤモンドのスクープが出たり、いろいろ呆れたことはあったけれど、さすがにこれはないわと思ったのが次のニュース。
 
2007年08月23日付 外食日報
すかいらーく、バーミヤン活性できず伊東副会長が退任
 すかいらーくは伊東康孝副会長が31日付で退任する人事異動を決めた。バーミヤンカンパニーCOOとして業績の回復に当たっていたが、業績回復に結びつかなかった責任を取るものとみられる。今月中旬に本人からの申し出があり、これを受けた形となる。1日付で特別顧問に就任する予定。副会長職の後任はなく、代表者は横川竟会長兼社長の一人体制となった。
ついに功労者である生え抜き社長までも放逐である。伊東氏本人もいいかげん嫌になっちゃったのかもしれないが。ともかくスゲエぜ横川、いろんな意味で。


ふつう今回のようにファンド側が社長の退任を要求などということになると「ハゲタカはけしからん」と非難の大合唱になるのだが、今回はよほど経緯を知らない人以外はそういうことは言ってないみたいだ。むしろ「野村はマヌケだけどかわいそう」みたいに妙な同情モードになっている。エグいはずの金融屋が食堂の老人たちに丸め込まれたとあっては、恥ずかしくて兜町を歩けないだろう。横川家はたいしたもんだと言えば言える。

まだしばらくモメそうだが、株はガッチリファンドに持たれているわけだから、もう無駄な抵抗である。うまく株を売りつけて借金消してもらったんだから、とっとと辞めればいいのだが(追記・この点に関し新事実が発覚した。こちらへ)。しかしこの期に及んでまだ野村の鼻先を引きずり回す気満々なところがすごい。ともかく、「水商売」と蔑まれてきた業界を、長い時間かけて「外食産業」と言われるまでにしたんだから、あんまり業界の評判を下げるようなこっぱずかしい粘りは見せないでいただきたい。無理な相談だろうけど。


すかいらーく公式HPより横川竟様の笑顔(追記・社長解任と共に消去された)

すかいらーく(Wikipedia) 
posted by kaoruww at 02:27| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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